貿易実務という言葉があります。具体的な貿易のやり方をさす場合が多いのですが、貿易実務とは商人によって行われた実務の試行錯誤の結果出来上がったもので、その目的は取引におけるトラブルを防ぎ、取引自体をスムーズに行う事にあると考えられます。従って貿易を行おうとする人々にとって世界的に承認され、受け入れられているこれらの実務を学ぶ事は非常に重要です。
1 貿易実務はやさしい
貿易実務はわかりやすい。それは普通の商人の試行錯誤の積み重ねだからです。貿易をするのに特別な資格は不要です。
2 しかし難しそうにみえるが?
貿易実務は基本的にやさしいものです。もし難しそうにみえたら、下記の点を思い起こしてみましょう。
(1)政府による規制との混合
たまたま難しくみえるのは政府による規制、すなわち関税、輸出入規制や許認可とからみ合っているからです。例えば、輸入業者は理論的には船荷証券(B/L)と引替えに貨物を入手できますが、実際は出来ません。輸入業者は必要なら輸入許可(Import License) を入手し、通関をし、場合によっては関税を支払わねばなりません。貨物受取はその後になります。
(2)その他の事柄との混合
例えば、保険自体は決して難しいものではありません。ただ貿易の場合、保険は海難事故の処理と密接にからみ合っており、理解を困難にしている面があります。共同海損がこの例です。
(3)未完成な「理論」
貿易実務は商人の試行錯誤による商習慣を取込んだ「理論」です。その際、必ずしも適切に理論化されず、明確化のため今後の改訂を待たざるを得ないものがあるようです。従って、もし貿易実務を理解するのに困難な点があれば、政府規制やその他の事柄との複合、あるいは理論化が必ずしも実体に則してなされていないのではないかと考えてみる必要があります。
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