カレーです。
山下実優とここまで渡り合った、伊藤麻希の強さに。たぶん。
終盤、坂崎ユカがニワトリ野郎を脚から着地した瞬間から蠢動した、
しかしなんというか、
試合後日高さんは勝村さんに“ずっと試合してたかった”と言葉を贈りましたが、
チョコプロのコアメンバーとして、代表・さくらえみとともに
昨年11月にDDT大田区大会で、
12興行。
2021年、始まってあっという間にひと月が経過しましたが、
割とライトに緊急事態宣言が出される中ら
中止になった大会もあれば、
チケット持ってたけど(仕事で)行けなかった大会、
行きたかったけど移動を断念した大会、様々にありました。
割と真面目に忙しいというか、
軽めに怨嗟を日々募らせてる。
【ベストバウト候補】
1.2 大日本 後楽園 藤田ミノルvs塚本拓海
1.3 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvsさくらえみ
1.3 DDT 後楽園 アントーニオ本多vs趙雲子龍
1.4 東京女子 後楽園 山下実優vs伊藤麻希
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカvs辰巳リカ
1.9 DDT 後楽園 上野勇希vs翔太
1.10 ガンプロ 板橋 翔太vsミス・モンゴル
1.24 ガンプロ 板橋 日高郁人vs勝村周一朗
1.29 チョコプロ 新木場 駿河メイ&バリヤン・アッキvs水森由菜&クリス・ブルックス
1.31 チョコプロ 新木場 駿河メイvsがばいじいちゃん
…挙げすぎた。
まず年明けからしてですね。
プロレス見てると色んなこと起こり過ぎなんですよね。
まずは年明け恒例“イッテンニ”。
とはいえ観戦に訪れたのは初めてになります。
藤田ミノルvs塚本拓海による、デスマッチヘビー級王座戦。
確か一昨年の一騎当千でもシングルマッチが行われましたが、
この二人によるデスマッチは、独特…というか。
イメージする血を流し、猛り、狂うというデスマッチのあり方よりも、
静かにじわじわとデスマッチの“痛み”を尖鋭化させた挙げ句、
“あれ!?この人たち頭がおかしい…!?”とふと気付かされる…というか。
言葉で示すのが難しいけれど。
“地味なデスマッチ”、“変なデスマッチ”と
挑戦者たちから形容された藤田ミノルの防衛戦ですが、
そのスタイルに一番適応できて、一番理解を示し…
おそらくは一番そんな試合が好き、という、
超強力な挑戦者が、塚本拓海という選手だったように思います。
フィニッシュは五寸釘ボードへの高角度逆さ押さえ込み。
割れる音もない、衝撃、振動もない、押さえ込み。
それでも、尖った釘がジワジワ刺さる“痛み”は、じっくりと伝わる。
新しくかつ、古きを温める、デスマッチのかたち。
で。
その試合の結果翌日もたらされたのが、あまりに恐ろしい、運命のシングルマッチ。
2020年、チョコプロ参戦を一つの契機に
日本インディー大賞MVPを手にするに至った藤田ミノルが、
王座陥落を“怒られに”市ヶ谷チョコレート広場を訪れたところ…
もう一人、ベルト失いたての、プロレスを決して諦めない人の、
怨嗟を買うこととなりました。
藤田ミノルvsさくらえみ。
なんていうかここにこの試合のことについて書くには
あまりにも文字数が足りないけれど。
二人の決定的な共通項は、プロレスを絶対に諦めないこと。
それは自身のプロレスについてもそうだと私は思ってますし、
プロレスというジャンルそのものを、とかく守り、生かし、諦めない。
そんな二人の初の一騎打ちは…
…あまりにも凄絶な、泥試合でした。
あと個人的にはこの試合が決まったことで、
あまりの衝撃に、脚の手術をされた方が思わず驚いて
(立てなかったのに)立ち上がってしまったっていうツイートが
本年本日現在のベストツイート。
こんなふうに年明けは、
プロレスラーの人生がつまった試合が続きまくりました。
1.3、DDT恒例のお年玉興行では、
マッスルが世に送り出した二人の大才、アントーニオ本多と趙雲子龍が一騎打ち。
“デビュー16周年&生誕43周年記念”と絶妙に半端に銘打たれた記念試合は…
素晴らしいシングルマッチでした。
そしてもはやこちらも恒例となった、
東京女子のイッテンヨン。
山下実優vs伊藤麻希のシングルマッチは、
久しぶりに試合を見終わってから涙が出そうになりました(出た)。
山下実優とここまで渡り合った、伊藤麻希の強さに。たぶん。
メインイベントの同期対決もまた、
たくさんの物語が詰まってました。
終盤、坂崎ユカがニワトリ野郎を脚から着地した瞬間から蠢動した、
辰巳リカの紡いだベルトへの道筋。
ドラゴンスクリュー、ドラゴンスクリューから執拗に足4の字を狙って
からみつくその様、その執念に、
ある意味オールドクラシックな攻め手の展開ながら、
思わずマスクの下で“すげぇ”という感想を漏らさずにいられませんでした。
そして先月に引き続き、インディープロレス界の“主役”の座に、
翔太選手がいました。
しかしなんというか、
インディーJrを“管理する側”だったというモンゴルさんが、
時を超え性別を越え、こうして挑戦したことがなんてドラマチックなんだろうと、
その背を見て大変感動してしまった。
素晴らしいばかり言ってしまう。
ガンプロ板橋は大変磁場が強烈で、
どの試合も人生懸かったような試合になるんですけれども、
特にこう、この数ヶ月思わされるのは、
“日高郁人、すげえ”
です。
試合後日高さんは勝村さんに“ずっと試合してたかった”と言葉を贈りましたが、
見てるこちらも、ずっと見ていたい試合でした。
最後はもう一発チョコプロから。
チョコプロ初のリングでのタイトルマッチ、BestBros vs TropiCalamari。
チョコプロのコアメンバーとして、代表・さくらえみとともに
絶えず何かしらの配信に携わり、かつ、
ともに試合を戦う中で
着実にその絆とコンビネーションを深めていった駿河メイとバリヤン・アッキ。
そこに相対する水森由菜&クリス・ブルックスは…
ガンプロ後楽園でも組んでいますが、
たぶん、このタイトルマッチでタッグ結成はまだ3、4回目。
しかしほとんど一緒に試合してないにも関わらず…
示したタッグワーク、コンビネーションは、挑戦者にふさわしいもの。
あまりにも、強烈でした。
結局30分の制限時間近くまで戦った末に、
最後まで両者動きを止めない中、バリヤン・アッキが鮮やかな丸め込みで
辛くも勝利、初防衛を果たしました。
しかし初防衛戦でこんな恐ろしい試合をしてしまうと、
次の挑戦者は果たしてどこまでやればいいのかどうか。
一発目で一気にハードル上がった感。
あとはこちら見たのは今日なので追記になりますが、
チョコプロ85の同日昼収録となったチョコプロ86、
駿河メイvsがばいじいちゃんによるおじいちゃんと孫…
というか、ひいおじいちゃんとひまご的な100歳差対決は、
互いの持ち味(?)全開の壮絶な試合となってましたね。
じいちゃんと相対することによって、
ニコニコした表情に隠されていた駿河メイの非道ぶりとか関西人っぷりが
表面化して、また、アントーニオ本多の解説もナイスアクセント。
見事な老人力と孫力。
【ベスト興行】
1.3 チョコプロ #79 市ヶ谷
1.29 チョコプロ#85 新木場
1.3は前述の通り。
そして1.29のチョコプロ#85は…
ガトームーブ公式のツイートで見た言葉以上の形容が、浮かびませんでした。
「たくさんの物語が詰まってます」
そう、そこにあったのは、たくさんの物語。
どの物語にもかけがえのない意味があって…
でも、どこかやっぱり。
一人の、優しく強く、
みんなの素敵な“リーダー”で、先輩で、後輩で、友人である…
人一倍お酒の好きな女性への想いに、溢れかえっていました。
タイトルマッチには間に合わなかった減量を、
一度だけ袖を通したコスチュームを再び着るために達成して7kg落とし、
2年ぶりに450°スプラッシュを仕掛けたさくらえみ。
そのさくらさんとの軋轢を重ねてきながら、
仲裁を経て、またその手をとることを選んだ帯広さやか。
特に明確に感情を示すことなく、
しかし、リングの上で、技で、その惜別の心情を顕にしたサワディー仮面。
いつもどおりの関根龍一の絶妙にタイミング合ってるのかどうかわからない合いの手、
その顔をみると涙が溢れるから、旅立つ先輩の方に顔を上げられなかった小石川チエ、
花束贈呈なのに、シャンパンを手にして紳士的に別れの言葉を贈ったクリス・ブルックス、
おそらくは笑顔で見送ろうと、いつもどおりの表情を維持しながら、
それでも最後の最後耐えきれず想い溢れて飛びつくように抱きついた駿河メイ、
タイトルマッチの激闘、敗戦直後にリングに立ち、
溢れる涙と感情を堪えながら、言葉を振り絞り、
ありったけの“大好きです”を伝えた水森由菜…
and so on
「あー!楽しかった!!」
“楽しい”
その感覚をリングで探し求め続けた4年間のプロレス人生。
卒業を宣言したその時に…探し続けたものは、
見つかりましたでしょうか。
いや、たぶん。
もうきっと、見つけてたんでしょう。
その感情を、最後にリングに残してくれたことが、
何よりも印象的でした。
紺乃美鶴選手、改めまして、卒業おめでとうございます。
【新人】
未定
【ベストタッグ】
BestBros(駿河メイ&バリヤン・アッキ)
【団体】
チョコプロ
ガンプロ
BASARA
…っていうとただ好きな団体を羅列してるだけですね。
現状。
新しい試みとしてはコレガプロレスは気になってます。
【MVP】
«独断と偏見で選ぶ月間MVP»
1月 翔太 塚本拓海
何かきっかけ一つでいつでも、
ある種の“ステージ”を駆け上がりそうだった塚本拓海選手。
昨年阿部史典選手からユニオンMAX王座を奪うと…
その後の試合では、何か早くも風格じみたものを感じまして。
で、割と早い段階に決まったデスマッチヘビー級王座挑戦。
某スクールの一般生徒としては“あ、まずい”と思ったというか、
藤田ミノル選手からベルトを獲る(獲れる)のは
塚本拓海選手しかいない、くらいに思っていたところ、
トコトンこの破裂音のない、しかし痛いデスマッチにどっぷり浸かり、
何度目かの“イッテンニ”にして、デスマッチヘビー級王座初戴冠を果たしました。
さらにBASARA5周年となる後楽園対決では、
FUMA相手に終盤に強烈な爆発力を発揮しての王座初防衛、
加えて翌週には久保佑允の挑戦を退け、
月内のシングルタイトルマッチ三連勝。
いま、インディープロレス界の最前線の一人。
そしてもう一人は、12月に引き続き、
“Mr.ShowTime”翔太。
昨年11月にDDT大田区大会で、
まっするもガンプロも、若手通信も知らない層からしてみれば
理解できない唐突な…“自分のための”痛快で強烈な自己主張から、
はっきりとその道筋が示され始めた“主役”の座。
KO-D6人タッグ王座を手にし、
2019年ビアガーデンでの彰人とのシングルマッチ後のマイクを
有言実行の形で現実のものとし、点と点を線に結ぶと、
年末にはもう一つの“有言実行”…
朱崇花を破り、インディーJr王座を初戴冠。
KO-D6人タッグ王座戦で自ら勝利を掴み取り、
さらなる自己主張としてDDT UNIVERSAL王座への挑戦を表明。
自身初となる、後楽園ホールシングルメインを実現させることとなりました。
王座戴冠はならなかったけれど、
翌日には板橋でインディーJr王座をミス・モンゴル相手に防衛…
したかと思いきや、直後ヤス・ウラノの自己主張(?)により、
急遽その場で防衛戦を敢行。
10分ドローで、1日にして2防衛を果たしました。
1/15のJTOで王座を落とすこととはなりましたが、
王座を手にした20日間ほどの時間で、
一体どれだけの人に、このベルトの存在を、
“インディー”という世界観を、
そして、“翔太”というプロレスラーを刻み込んだだろう。
もう、紛れもなく、主役。
昨年9月に「翔太選手の後楽園メイン」を望むブログを書きました。
早すぎた。
でも、今度こそ。
4月こそは、
その場所に“Mr.ShowTime”が立っていたとしても、
おそらくもう、疑問に思う人は、いないことでしょう。