カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

闘う君の唄を

2022-11-21 21:30:00 | スポーツその他
カレーです。

2022年も残すところあと40日余り、
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

感染症禍が始まって2年半を過ぎ、
脅威そのものの形は変わらないまでも、
人々の向き合い方は多少なりとも変化しつつ、
一方にはどこかに底暗い不安も孕みながら、
一方にはそれでも前に進む、進まなければならない、という、
とてもとても難しい年。

私自身何かが変わったわけでも別にない(若干健康になったくらい)けれど、
結果的には会場に足を運ぶ回数が減っていたりする昨今。

でも、私が観てきたものは変わることはないわけで、
大げさに言えば、その“歴史”の中で。
絶対に見逃すことのできないものは、まだまだあります。

私がプロレス会場に足を運ぶ中で、
きっかけとなった欠かすことのできない試合。
それが、2010年4月4日。
新宿FACEで行われたKO-D無差別級王座戦。
王者・関本大介vs挑戦者・マサ高梨

…現在の、高梨将弘選手の、初挑戦となった試合です。

この試合から12年と半年。

高梨将弘選手の自主興行のメインイベントとして、
同じ新宿FACEで、再び、自らこのカードを望むこととなりました。



個人的にはそこそこプロレスについて
“感想文”をこのブログに書いてたりしましたが、
高梨将弘選手については、割とかなり以前に書いてたりして。

ふぁいと - カレー屋(EXA)

本日のDDT後楽園大会。KOD無差別級王者・木高イサミに、マサ高梨が挑戦し、敗れました。素晴らしい試合でした。本当に本当に、素晴らしい試合でした。しかし、「良い試合」...

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[2016.1.31:vs木高イサミについて。
別件ですがこの試合の煽りVが歴代屈指の名煽りV。]

以下、私の当時の文章の抜粋です。
思ってることは、そんなに変わらない。



“時の王者、関本大介相手に、史上最汁レスラーが挑戦する?”

という疑問を。

関本大介は、関本大介。
今も以前も変わらない、完全筋肉武装のスープレックスマシン。
この日も大社長の挑戦を還付無きまでに退けて、
石川修司から奪った王座を防衛しました。

プロレスファンはカードを見れば大体八~九割の勝敗を言い当てることができると思います。
が。
この試合に関しては、誰が、どう見ても。
何方が勝つかなんて聞くほうがバカげてるほどに、
勝敗は明らかでした。

それでも。

「怖くて怖くてたまらない。だけど―
史上、最底辺汁レスラーであるこの俺が、
最強の王者であるお前から、ベルトを剥がしてやるよ!!」

マサ高梨は、勝つために戦うことを宣言しました。

この宣言を聞いて、ボクとプロレス初観戦だった友人は、
マサ高梨の関本大介への挑戦を、新宿FACEへ見に行くことに決めました。


誰もがそれでも関本大介の勝利は疑わない。
友人から「勝てるの?」と聞かれ、失礼ながら言葉に詰まったのを覚えています。
しかし、それでも。
その日の試合で、マサ高梨選手は、
ボクの説明など不要な、「最適解」をみせてくれました。
敗れはしたものの、「これだ。これこそがプロレスだ。」と。
わかったかのように宣ったという恥ずかしい記憶があります。
(この試合は新宿FACEで行われた試合でありながら、
この年のインディー大賞ベストバウトに選ばれました。)

この試合を契機に、
ぼくはDDTを初めとした様々な団体を見るようになりました。
そんなスタートの一つにいたのが、マサ高梨選手でした。


あれから6年。
もう、6年。

あれだけ素晴らしい“勝つための試合”ができるマサ高梨だけど。
まだ。
まだ、勝ててない。
また、勝てなかった。

でもそれでも、
マサ高梨が勝つところがみたいし、
マサ高梨が“勝てる”ことを知っている。

だから、その期待をもっともっと大きくしてくれる
マサ高梨選手が戦うその姿を、また心待ちにし、
何回でも騙されたいと思います。



…アレからもはや、
6年どころではなく、
なんとなんとの12年。

“何回でも騙されたい”という心情の通りなのかなんなのか、
結局その試合に魅せられ続けて、今日に至ります。

ところで。

その試合に、その戦いに魅せられたのは、
別に1観客だけではなくて。

魅せられ、憧れ、自らリングに上がることを選び…

ついに肩を並べて闘うことになったプロレスラーも、
この大会に参戦しています。



[2022.11.17:ChocoPro #269]

鈴木心選手は2010年4月4日。
まさにこの関本大介vsマサ高梨の一戦を契機に、
憧れをかたちにされたプロレスラー。

個人的にはまだプロレスをたくさん見る前、
Twitterのアカウント作って一番最初期のフォロワーに
いらっしゃったことでとてもよく記憶していて、
“タイガー・ベッドシーン”として学生プロレスで活躍。

その後学プロそのままのリングネームでガンバレ☆プロレスに参戦していたときに、
やはり個人的には毎月のように試合を見る機会があったりしつつ。

その後いたばしプロレスを経て、フリーのプロレスラーとして活動している現在、
“憧れ”である高梨将弘との縁を紡ぐようになり…
今回ついにその自主興行に、参戦選手としてリングに立つこととなりました。

なんて、ドラマチック。



かつて自らを“最底辺汁レスラー”と自称していた高梨将弘選手。

それでも、鈴木心選手に、2017年にプロレスを卒業した「ことり」選手、
自身を憧れにして生まれたプロレスラーが
少なくとも2人いるという事実がまずあり。

自身への完璧な形態模写の技術をもつ翔太選手はかつて“スタイル的に憧れ”と語り、
本年3月のチョコプロ200では同じ大会のマットに立った
東京女子プロレスの中島翔子選手も好んで試合を観ていることを語っていたり。

また、現場監督を務める我闘雲舞で、
現在先頭に立って団体を引っ張る駿河メイ選手は、
2018年の高梨将弘自主興行に手伝いで参加した直後、
我闘雲舞で高梨将弘選手とのシングル直接対決で…完封され。
このとき、悔しさと憧れと…あとはなんだろう。
“楽しい”のみではない様々な感情を、
プロレスを通じておそらくは初めて、顕にしていたのを記憶しています。



謙虚というか、ときには卑屈にも見えるほど
自身を小さく、低く見せることもあった高梨将弘選手ですが…

多くの人の様々な眼差しや、感情を背負い続けたことが
もしかしたら影響しているのかもしれませんし、
DDTにおける最後の総選挙1位だったり、
この数年で獲得している様々なタイトルだったりが、
その背を押しているのかもしれません。

現在の高梨将弘選手は、
謙虚であること自体は変わらないけれど、
少なくとも、自身を卑下するような表現は
近年ではあまり見られなくなったような気がしています。



あの日の“史上最底辺汁レスラー”は、
干支一回り以上の時間を経て、
“高梨将弘”というプロレスラーの在り方を示すまでになりました。

相対する関本大介選手は一方で。
当時すでに確立していた“関本大介”という在り方そのままに。
当時よりズッシリと重く、大きく、“関本大介”であり続けています。



高梨将弘選手と、関本大介選手、
そして、あの試合からの時間を見届けてきた人々の想いと、歴史とともに。



いざ、12年半ぶりの、一騎打ち。





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