カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

100粒の幸福(三片目)

2021-03-26 12:30:00 | スポーツその他
さて、いよいよ日程迫ってまいりましたが、
明日3月27日(土)、明後日3月28日(日)という2日間、
チョコレートプロレス一周年&100回記念大会、
「ChocoPro LIVE #100 DAY1&DAY2」が開催となります。

そこに向けて、なんとなく徒然に書いておきたいことを
ここまで以下のように列挙して参りました。






チョコレートの味わいは、時に、苦い。

前稿でそんな導入をした気がしますが、
この一年、その“苦味”を含めて、
様々なチョコレートの味わいをおそらく最も経験したであろう、
と思われるのが、水森由菜選手、そして、駿河メイ選手。

前稿の世代感に沿うならば、
我闘雲舞“第3世代”ということになるであろう、
二人の、大いなる才能。



感染症禍の世界の中で、プロレス界に突如として誕生した新団体・チョコレートプロレス。

この団体の方向性を決定づけたのは、
おそらくは、2020年5月5日。

緊急事態宣言下でほぼほぼ世の中全ての活動が停止する中、
“GWのメインイベント”として開催された、
藤田ミノルvs水森由菜の、ラスト・マン・スタンディングマッチ。

本来ならばこの日、BJWデスマッチヘビー級選手権試合を
横浜文化体育館大会メインイベントとして戦う予定だった藤田ミノル選手への
インタビュー“チョコトーーク”を敢行したさくらえみ選手が、
ある種のサプライズとして組んだ一戦が、この試合。

…同時にこれは、“藤田プロレス☆スクール”講師に選ばれ、
野心を滾らせながらもこの状況下でその先の見通しが立たず、
思い悩んでいたと思われる水森由菜選手の内面を曝け出しつつ、
この本来ならば連休期間であるところのゴールデンウィークに、
その自身の生すらも顧みながら臨む、恐ろしいまでに過酷な、過酷な道のりのもと
行われた試合でもありました。

…この5月、私基本的にこの一連の試合の事しか考えてなかったということが、
自分の記録を読むとよくよくわかりますね。

特に読まなくていいですが一応参考として。










その戦いの一つの到達点は、
思い悩み続けた水森由菜が顕にした感情。

年齢、入門時期は異なりながらも
同年にデビューを果たした“同期”…
…駿河メイへのコンプレックスの吐露でした。



駿河メイ選手は、このチョコプロでの立ち位置としては、
感染症禍の中でも配信拠点である市ヶ谷チョコレート広場に容易に行き来できることもあり、
さくらえみ代表、バリヤン・アッキとともに、
“チョコプロコアメンバー”として当初から試合、
そして各配信に携わっていました。

2020年5月、水森由菜からコンプレックスを明かされ、
30分アイアンウーマンマッチで向き合うこととなり、
試合前の配信では“チョコトーーク”としてプロレスラーになるまで
(割とちょっと中々突拍子もない)過程等を語りましたが、
そのインタビューを経て、インタビュワーだったさくらさんが、
水森由菜に突きつけた言葉は、このような内容だったかと記憶しています。

「ゆなもんが思っているほど、メイちゃんはゆなもんのことを見ていないように感じた」

この一戦に限らず、
駿河メイはこのチョコプロにおいては感情をぶつける側であるよりか、
感情をぶつけられる側に立つことが多かったように思います。

それは紺乃美鶴から、昨年7月に
「メイ、私はお前が気に食わない。かかってこい。」
「美鶴がその(駿河メイの)席に座っていたかった」
と語られた一連の(個人的チョコプロベスト回までの)流れもそうですし、
シングルマッチでの敗戦に悔しさを隠しきれず、
さくらさんの苛立ちを買いながらダイレクトリマッチを臨んだ、
帯広さやかからもそうでした。

試合に勝ち、あるいは負け、
そこに絞り出す感情には明るいものもあれば、
悔しさを表情に示すこともありました。

ただ、それでもどんな感情を向けられても。
「楽しかったです!」と言い切る強さもまた、駿河メイというプロレスラーのもの。

前述のチョコトーークでも、プロレスラーとしての歩みはとにかく
「楽しい」。
これまでを振り返っても、「ずっと楽しい状態が続いている」ようにも
語っていたように記憶しています。

2020年末、バリヤン・アッキとの“Best Bro”として、
“リセット”さくらえみ&米山香織組を破り、
第9代アジアドリームタッグ王者となった駿河メイ選手。

しかし、
ベルトを手にしたその頃から、
つまり今年に入ってから顕著に…
プロレスに向ける、“楽しい”以外の感情が顕になる機会が、
なんとなく目につくようになったような気もしています。

それは、ベルトを手にしてからシングルマッチで破れたりする際に、
“弱い王者”と見られる懸念を跳ね返すようなものであったり、
王者でありながら、メインカードを他のチームに、
例えば、ペンシルアーミーに奪われることに、不快感を示したり。



チョコプロを経て、自身の様々な感情を吐き出し、向き合い、
おそらくは苦しみもがいたであろう水森由菜は今、
自身で掴み取れるチャンスを間違えることなく、
しかし確実にかつ貪欲に狙う精神性を養いつつあるように映ります。

ベルトを手にした駿河メイは一方で、
“王者像”に対する苦悩や、自団体の王者であることへの責、あるいは矜持。
そういったものを抱えた上で、顕にする感情は、
デビューから2年、概ね“明”とか“陽”だったものに、
現在は怒りや悔しさ、疑問、あるいは、妬み。
そういったものが混在した状態で、発露されているように思います。

結果。

水森由菜は、DAY1のメインイベント。
駿河メイは、この2日間のヘッドライナー&スペシャルシングルマッチ。






チョコプロ、というか、プロレスリング我闘雲舞の看板を背負う二人は、
それぞれに、この100回の一つの帰結として、
役割を背負うこととなりました。

このカード構成に、チョコプロが重ねた1年、そして、100回。

これまで積み重ねてきた時間が如何に有意味で、
如何に密度が濃く…そして、如何に速かったかが、
思い起こされるところです。

そしてこの時間を経て今もしかしたら生じている、
“成長”という一言のみには集約され得ないこの変化は…
もしかしたら失礼かもしれませんが。

率直にいって、すごく面白い。

というかこれが多分おそらく、
個人的にチョコプロについて、
一番面白い、と思ってるところです。

そしてある意味その一つの成果は、
いきなりDAY1に集約されるかたちで、見れる。

楽しみです。







「小さいまま大きくなる」



それは、さくらさんが我闘雲舞のYouTube配信に力を入れ始めたときにも
言葉にされていたと思いますが、
団体として、目指すべき方向性。

市ヶ谷チョコレート広場という決して広くはない会場から
大会を世界に向けて発信し、多くの人が目にすることで、
質量的には小さいながらも、存在として大きくなる、という、
団体の基幹戦略。

この感染症下で、“密”なる空間である市ヶ谷チョコレート広場では、
(換気性能はいいけども)感染リスクの伴わない環境での大会開催は
非常に難しい状況にあるものと思われます。

例えば半分の30人、例えばこれまでの倍の価格設定でも、
会場は満席になり、一応の収益は確保されるでしょう。

それはでも同時に、その価格を払ってでも観に行きたい層(私含む)と、
そうではない、もっと気軽に楽しみたい層との乖離を、
提供する“楽しみの差”を生むことに繋がりかねない。

なればこその、“No Pay Wall”。

全てのコンテンツを無料で提供しサービスの差を取り払うという、
収益的安定性は確保できないという大きなリスクを負いながらもとったその戦略は、
結果的に、これまでよりも多くのファンに、
その存在を届けることとなりました。

団体の規模感を何で測るかは難しいところですし、
そもそも比べるものでもないのかもしれませんが、
少なくとも、YouTubeチャンネル登録者1.2万人という規模感は、
今年度ほぼ毎月後楽園ホール大会を開催する東京女子プロレスと概ね同数です。

現実的には“if”はないので、
現在こうなっている状況は、あるがまま受け入れるしかありません。

ただ、この一瞬に迫られた選択で、
ここまで思い切った決断をした事に。
ただただ、感服するばかりです。

100回を迎えたのは、もしかしたらただの結果なのかもしれませんが、
そも、この状況下で、このスタイルで、
1年間、100回に渡って続いた事実が、
何より、凄い。



さて、他にも色々思うところはあるのですが、時間切れです。





“11人いりゃなんとかなる”を経て、
紺乃美鶴から後を託され、
我闘雲舞所属として在籍する、
さくらえみ
帯広さやか
水森由菜
駿河メイ
桐原季子
沙也加
ルル ペンシル
リンリン
咲百合
小石川チエ(敬称略)の10人、
そして、“チョコプロのエース”バリヤン・アッキと、
このチョコプロの上に立つ、選手たち。

これまで100の幸福を届けた物語は、
もちろんこれで終わりではなく、
これからも続いていくものと思います。
…というかそう願います。

その物語のさらなる展望を臨むために、
まずは区切りの、100回目。

ChocoProLIVE #100。

ご視聴は下記から。

ただただ、楽しみです。






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