カレーです。
人間何かが滞ると何かと“忙しい”を理由としますが、
えーとえーと、
忙しくてですね…
何気なく毎月続けていたはずのささやかな観戦メモすら
更新がおぼつかないし、なんなら2020年のネットプロレス大賞の
個人的な振り返りすら終わらせられてないし。
プロレスの写真を上げるのも、このブログをあれするのも、
大体いつ昼休みの現実逃避として行っているのですが、
その昼休みの時間もまともに取れなくてですね…
ああ、書けば書くほど言い訳がかさむ。
さて。
東京都では3/21をもちましてなんとなくふんわりと緊急事態宣言なるものが
解除されました。
前回緊急事態宣言が発令されたときから、気づいてみれば概ね一年。
この一年、言うまでもなく、
世界的な災厄たる新型コロナウイルスaka COVID-19と、
パンデミックと、人類との戦いの時間でした。
そして、同時に。
この一年は、“チョコレートプロレス”という、
インターネット上に存在するプロレス団体が歩んできた一年と、
全く重なるものとなります。
私の中では、
COVID-19との戦い≒チョコプロの歴史
と概ね同義です。
その由縁は、パンデミックとの戦いの中で、
プロレス、のみならず、世界が完全に“止まって”しまっている中で、
それでも、チョコプロだけは絶えず、この世界にあり続け、
動き続け…進み続けていたから。
…だいぶ抽象的な書き方になってしまった。
感染拡大の中でろくに仕事もなく、
かといって外に出歩くこともできず、
世の中の話題はただただコロナ一色。
そんな折に、毎日夜8時に必ず何かしらの配信を行い、
毎週のように新しいプロレスを提供してくれるチョコプロが、
チョコプロだけが。
この時期の自分の生活の、
少なくとも、“生きた”世界の、全てでした。
そう申し上げて、差し支えないものでした。
もはや私がこの団体について説明するのは、
もう何度目だろうという感じではありますが、
チョコレートプロレス(以下、チョコプロ)は、
2020年3月にプロレスリング我闘雲舞代表のさくらえみ選手が旗揚げした、
YouTubeでのみ試合を行いその模様を配信する、
インターネット上にのみ存在する“新団体”。
2020年3月28日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに、
様々な団体が興行中止を発表する中、
プロレスリング我闘雲舞も例外ではなく今後の大会を、
その時点で未発表だったものも含めて全て中止。
そして、その中止の発表と同時にリリースされたのがこの、
新団体の旗揚げと…旗揚げ戦メインイベント、
バリヤンアッキvs鈴木みのる。
プロレス“王”の、市ヶ谷参戦という電撃的決定から始まった、
“チョコレート一粒分の幸福”の提供を理念に掲げる団体の歴史は、
この一年で積み重ねに積み重ねられ…
ついにこの度、旗揚げからちょうど一年を迎えようという日に、
100回を数えることとなりました。
そして、その100回と一周年を記念した
“ChocoPro LIVE #100”は、
3月27日(土)と3月28日(日)、
…つまり今週末に、2日間に渡って開催されることとなります。
チョコプロに関して思うところは、もうとにかく、たくさんあるので、
何を何からどのようにして言葉にしていいか、
もはや私の中では整理がつきようがないので、
思いついたことからツラツラと書きなぐって行きますが…
とりあえず本稿ではまず、3/28(日)の“DAY2”メインイベント、
藤田ミノルvsバリヤン・アッキについて。
“ChocoPro100について、相手はミノル・フジタ以外考えられない”
2021年3月21日、プロレス会場から帰宅して夕飯作ってYouTubeをつけたとき、
“チョコプロのエース”バリヤン・アッキが、そう言葉にしていました。
インド出身、海を渡って今日本でキャリアを重ねる
才能溢れるプロレスラーは、このような言葉も合わせて残してます。
「チョコプロを一番好きなのは、たぶん私とフジタさん」
100回を数えることとなったこのプロレス団体は、
プロレスリング我闘雲舞が運営している以上、
女子プロレス団体に区分されることと存じます。
しかし、2020年に世界のほぼ全てが止まってしまう中活動を続けた
この団体は、同時に、日本の、そして世界のプロレスにとって
一つのプラットフォームとなっていました。
それはプロレスラーも、そしてファンも、例外ではなかったように思います。
“世界の”という視座で考えた場合、
このチョコレートプロレスという団体は、
飛び交う日本語を瞬時に理解し、
豊かな発想で即座に英語に訳して世界へ発信することができる、
バリヤン・アッキというプロレスラーの存在なくしてはあり得ないものでした。
“日本の”という視座で考えた場合、
日本全国津々浦々様々な団体で戦いを繰り広げ、
“止まった”世界の中でも、それでもなんとか動き出そうというプロレスラーたちを
見守り、支え、時には自ら戦いに赴いてきた
藤田ミノルは、先の緊急事態宣言下でおそらくもっとも試合をしていたレスラーであり…
おそらくは、もっとも多くのプロレス関係配信に目を通していた人物であろう、
という推測はあまり見当外れではないように思います。
バリヤン・アッキがおそらく“好き”という言葉に含めた意味は、
ただ、単純な“like”ではないように思います。
チョコプロという団体が好きで、チョコプロという団体に力を注いでいるのは、
団体代表のさくらえみ選手や、駿河メイ、水森由菜両選手はじめ、
所属の選手たちだってもちろんそうであろうと思います。
バリヤン・アッキの“好き”に込められている想いには…
“好き”という程度の違いというよりか、
どれだけ、このチョコプロという戦いの場所に、自身のプロレスを、
もっと言えば、自身の人生を賭けているか…
みたいなことをなんとなくイメージさせる響きがあり、
また、そんなことを思い描いたとき、
この二人が“一番”と述べられていることに、妙に納得感がありました。
二人がこのチョコプロに人生を賭けているように写るその様。
それは個人的には、ある種の狂気すら感じるところでもあります。
私自身の言葉でそのまま綴るよりも、
同配信でさくらさんが語っていた二人の姿が、
やはり個人的にはこの二人のチョコプロに賭ける“好き”度合いへの、
納得感をより雄弁に、より強固にしてくれました。
藤田ミノル選手については、曰く。
「バリヤン・アッキを、ここまで“バリヤン・アッキ”として
認識しているベテランプロレスラーは他にいない」
前述のとおり、藤田ミノル選手は
この感染症下、ありとあらゆるプロレス関連配信に顔を出し(ていたという表現がオンライン上で果たして正確かは定かではありませんが)ていました。
そしてそれはチョコプロに関しても例外ではなく、
全ての試合、ウォッチングパーティー、さらには対談や、
日常の配信までも…ほぼ全て、目を通しているものと思われます。
この日の配信でもやはりコメント欄に姿を現し、
なんなら自身(と声がよく似た売店員)がバリヤン・アッキの
日本初対戦の相手であったことについても言及しています。
とにかく時間と資源を全力で注ぎ込む藤田ミノルは、
昨年8月末、横浜文化体育館大会でこう叫びました。
「藤田ミノルにとって一番大切なものは、プロレスです!!」
それは、この1年間のみならず、
そのプロレス人生を…特に、この数年間の振舞いを見れば、
痛いほど伝わる事実であり…
会場にいて、首を縦に大きく振るくらい、
真実味のある言葉でした。
“一番大切なものはプロレス”
過程やキャリアは違えども、ハッキリとそう述べられるであろうプロレスラーに、
心当たりのあるもう一人が、バリヤン・アッキです。
さくらさん曰く
「生活の全てがプロレス、という意味では、でもアッキもそうだよね」。
朝起きてAEW等など視聴しながら“Watching Party”として、
技術的には配信し、言語的にはリング上の出来事を日本語で説明、
同時に同席するさくらさん&駿河メイの話も、
「訳さないで」「今のは訳して」という細かい要望に答えながら同時通訳。
配信のない時間の娯楽はアマゾンプライムでシリーズ通して視聴できる
「美味しんぼ」だったそうですが、日本語で視聴していたそれは、
「日本語の勉強のため」でもあり。
あとは我闘雲舞オフィシャルアカウントは英語でのご案内も
頻度が増えていきましたが、まあ、それにバリヤン・アッキが
全く関わっていないとは思えません(想像だけども)し、
そして夜は8時から改めて配信、そしてやっぱり同時通訳。
そもそも、だ。
バリヤン・アッキという青年は母国インドで
“一万人に一人”という難関校を卒業しながら、
その後の進路に自国にはまだまだ根付いていないプロレスを選び、
十代でプロレスラーとしてデビュー。
試合頻度が乏しいアジア圏を回って活動しながら、
自国では団体を旗揚げしたり、TVショーを行ったり、
プロデュースしたり。
シンガポールで出会った高梨将弘との縁を一つきっかけに、
単身日本に渡って前回が2年間。
英国での転戦を経て、再び日本に1年間。
自身の夢を実現するために、プロレスにすべてを注ぎ込んできたバリヤン・アッキ。
この“全て”の注ぎ込み方には、
やっぱりどこか狂気(insane)じみているし…
やっぱり、なればこそ、プロレスラー、という魅力を
ヒシヒシと感じさせるものでもあります。
チョコプロが旗揚げしたとき、バリヤン・アッキはこのように述べていたと思います。
「チョコプロで初めて、“私がここにいる”と言える場所ができた」
なればこそ。
チョコプロにおいて、鈴木みのると相対せるのは、
田中将斗と相対せるのは。
そして、“日本インディー大賞2020MVP”藤田ミノルと相対せるのは。
“チョコプロのエース”バリヤン・アッキをおいて、他ならない。
そんな二人のシングルマッチに賭けられるのは、
2年弱の間封印されていた、
我闘雲舞の管理するシングルタイトル、スーパーアジア王座のベルト。
…このベルトの存在を「里歩さんしか巻いたことのないベルト」と
言及できた藤田ミノルってやっぱり怖い。
1年間。
100粒。
積もり積もった幸福の上に立つ、
海を隔てた二人の“プロレスグルイ”の戦いに賭けられた、
アジアの至宝。
栄冠の行方は、果たして。
【DAY2:3.28[SUN]10:00AM[JST]】
【DAY1:3.28[SAT]10:00AM[JST]】