カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

ネット・プロレス大賞2019①[最優秀新人]

2020-01-09 22:00:00 | スポーツその他
例年、プロレスブログの大家である「ブラックアイ3」様主催で行われる
ネット・プロレス大賞。

かつてマッスルハウス10の感想文をこのブログに掲載した際、
たまたま拾っていただいたことをきっかけに投票を始め、はや…今年何年になるんだろう?
もはや毎年、この投票をゴールにしながら、
「今年は××に投票しよう!」
「いやー、ベスト興行は熾烈だな!」とか、
「MVPは○○と△△…それに▲▲と□□も…」とか
日々考えながらプロレスを見ている。

というわけで、投票内容と思考過程を晒していこう!
のコーナーです。

今年はちゃんと全部書こう(努力目標)。




《ネット・プロレス大賞2019〜新人賞〜》



例年頭を悩ませる部門である新人賞。

ネット・プロレス大賞のレギュレーションとしては、
・デビュー3年(目)以内
・過去に大賞(1位)を獲得した選手は除外
がおおよそのルールだったかと思います。

そこに私個人の自分ルールとして、
・できる限り実際に試合を見た選手から選ぶ
・できる限り前年の後半以降デビューした選手を優先(したい)
・前年までに投票した選手には投票しない
が加わるという感じ。

ですので、例えば全体ルールでは駿河メイにまだ投票可能ですが、
昨年1位で投票しちゃったので、自分ルール適用で投票しない。

あとは昨年すでに上位に食い込んだ選手なんかも、
中々投票しづらいところ。
昨年全体2位の笹村あやめ選手とか今年見る機会たくさんありましたが、
なんかもう、この枠に投票するのは違う気がしてしまう。

まあ、
要するに、
主観です。

えーと、あと、「力」「技」「魔法」の概念については…
昨年説明したので割愛します。
どうせ後で出てきます。

この概念の大本はナイトガンダム物語なんですが、
今年はその概念を解するレスラーに投票することになりました。

言霊。



1位 水森由菜(我闘雲舞)
2位 ルル ペンシル(我闘雲舞)
3位 舞海魅星(東京女子プロレス)



今年も女子ばっかりだよ!



1位に推挙するのは、プロレスリング我闘雲舞所属の水森由菜。





元々熊本出身の“自虐系アイドル”として活動されていた中、
2017年にアイドルライブで共演した、
アーサ米夏&アサッテ海苔香の二人組“おにぎりプロレス”との遭遇が
何故か何かのトリガーを引いたようで、我闘雲舞の門を叩くことに。



[2017.4:うっかり観に行っていたという]


2017年9月の新宿FACE大会でデビューを予定していましたが、
大会直前に腕の骨を折る怪我を追い、デビューは延期に。
しかし、諦めることなく治療を続けながらデビューを目指し、
2018年2月、1年弱の練習生期間を経てついにプロレスデビュー。

デビュー戦に感銘を受けるレスラーってそんなに多くないのですが、
前年の笹村あやめ、ガンプロ初代生え抜きレスラー・星野真央、
同年5月の駿河メイと並んで、
個人的にはデビュー戦史上ベストのうちの一つ。

ただし、昨年水森さんの名前を候補に挙げましたが、
票を投じることはしませんでした。
それは、同年デビューした駿河メイのインパクトもあり、
同じ団体から二人並ぶのを避けた、というのが1つの理由。

しかし結果的に、1年遅らせて良かった気がします。

デビュー初年度から十二分のインパクトと完成度でしたが、
2年目の今年は、成長が輪を掛けて著しい。

初年度からアジアドリームタッグに輝く活躍を見せましたが、
年末にベルトを落とすことになるなど、年の後半は中々に
伸び悩み…というには時期が早すぎるかもしれませんが、
最初のインパクトに比して、期待値が上がり過ぎている面もあったように思います。

しかし、デビュー1周年の日に高橋奈七永の持つSEAdLINNNGシングル王座への
挑戦が決まったあたりから、再びその成長が加速。

その場飛びのドロップキックのインパクトは絶大で、
女子も男子も変わらず吹っ飛ばす説得力を持ち合わせていて、
また、アジアドリームタッグ王座戦で再三決まり手となっている
スーパー・ガール(コルト・カバナのスーパー・マンと同型)は、
一発逆転の技であり、奥の手であり、試合で出している回数は少ない、
にも関わらず、失敗したことはなく、返されたこともなく、
説得力抜群。





3月にアジアドリームタッグの奪還を果たした際には、
後に初代AEW女子王者となる里歩からピンフォール。

この2年くらいで里歩選手から他にフォールをとった選手は、
さくらえみ、高梨将弘、中島翔子、大畠美咲…くらい。
大変貴重な、殊勲賞とでも言える白星を飾っています。

リング上での実力、実績も推挙の理由ですが、
もう一つの理由は、水森由菜という人物の…
…なんだろう。
言葉を選ばず表現するならば、“得体の知れなさ”
というところについても、強い理由の一つです。

“アイドル”兼“プロレスラー”という枠組だけでは収まらず、
上野音楽堂でアイドルフェスの主催をしたかと思えば、
自身の生誕(生豚)祭には有名スタイリストや有名人を招聘し、
カラオケには自身の楽曲が(10曲くらい)登録されていて、
TOKYO MXテレビでは半年に1回(事務所で枠を買い取ったと思しき)
オリジナルドラマで女優として振る舞い、時に主演し、
放送のCMで自身の楽曲を流し、
定期的に地元熊本や九州域内でライブ活動を行い、
ラジオ出演やテレビでの食レポをこなし、
かと思えばプロレスラーとして他団体に参戦したり、
自団体選手のセコンドについたり、セコンドのためだけに来場したり…

……
………そう。

本当に、活躍の範囲が広い。広すぎる。

水森由菜とは、何者なのか。

レスラーとしてキャリアを深めればふかめるほど、
その活躍の幅が、謎。
背景が、謎。

謎が謎を呼ぶその怪しさはしかし、プロレスラーにとっては大変、
必要な要素であると思ってます。

リングで重ねる研鑽と実力、そしてこれまで築き上げてきたものと
その背景の底知れなさ。
それは同時に、プロレスラーとしての底知れない可能性。

そうした要素を顧みたとき、喩え、前年上半期デビューであろうとも、
この人材の名を挙げずに置くことは、私にはできませんでした。

2019年の新人1位に、水森由菜を推挙します。





2位も同じく我闘雲舞から。
ここはもう、忖度しないことにしました。

プロレス界に現れた、新たなインベーダー。
“フリーライター”ルル ペンシルの名前を、挙げることになってしまいました。





「力」「技」「魔法」の概念に立ち返ったときに、
ルル ペンシルは、完全に魔法使い。

「技」…私が無理矢理当てはめた概念としてここにはいわゆる“強さ”が
当てはまることと存じますが、その点に関して言うならば、
限りなくゼロに近い。

そこが“なってしまいました”と申し上げるに到った点。

7月に我闘雲舞から里歩が退団、と同時に発表となった、
5人の練習生のうちの一人がルル ペンシル。
7月段階で度々練習生のエキシビションが行われましたが、
練習生ルルのエキシビションは、ちょっとどころではなく衝撃的。

その内容はなんと、
3分間のエキシビションで、
なんと(繰り返し)7回、水森由菜に敗れるという…

最初のこのエキシビションではリストロックにタップし、
ヘッドロックでタップし、押さえ込まれて返せず。

この段階ではまだ、“まだ練習始めたばかりだから仕方ない”という見方も
まだ残っていたような気がするんですが、
2回目の同じ練習生・桐原季子とのエキシビションで(3回獲られたのをみて)、
ようやく、何かを理解しました。

ルル ペンシルのレスリングの動きは、
確実に(前回の3倍くらい。常人の1/4くらい)速くなってる。
短期間で練習を積み、着実に成長している。

ただし。

強さの“絶対値”は、もしやこれ以上伸びることはないのではないか…?

そう予感させる内容でした。

8.25新木場大会で我闘雲舞は6人の新人をデビューさせるという、
恐るべき、言ってしまえば狂気の興行を開催し、
そこでルル ペンシルもデビューを飾ることになったわけですが、
その試合の衝撃は凄まじいものでした。

最初にエキシビションを戦った水森由菜とのデビュー戦は、
リングはおろか、会場をところ狭しと逃げ回り、
エキシビションではあえなく敗れた技の数々を耐えしのぎ、
ともすればフルタイムドローまであと一歩まで漕ぎ着けるような内容。

試合時間だいたい9分くらいで、ピンフォールを獲られたのが一回ですから、
(強さの量り方がこれでいいのかどうかはさておいて)
3分で7回敗れた7月のエキシビションから比べると、
単純計算で約20倍くらい、強くなっている…
と言えないこともないような…ないような…

ルル ペンシルが逃げ惑ったこの9分間の内容はあまりにも
トリッキーで目が離せない内容で、もはや語彙が死にますが、実に衝撃的。

その衝撃はうっかり世界に届いてしまうことになり、
遠くアメリカで開催されたAEWにおける里歩vsさくらえみという一戦で、
うっかり(繰り返し・強調)、解説のエクスカリバーが
“ライジングスター”としてその名前を挙げ(てしまい)、
さらに11月に開催された英国はプロレスリングEVEのSHE-1への
駿河メイの遠征に同行した際には、やっぱりうっかり試合をすることになり、
プロレスラーとして海外デビュー。
“ルル ペンシルは実在した!”という衝撃を世界にもたらしてしまうことになりました。





さて。

これまでもプロレスラーの中には、“弱さ”をウリにしたレスラーは
何人も現れているような気がします。

ただ、ルル ペンシルがその枠に当てはまるのかどうか、その疑問…
“ルル ペンシルの新しさをどう理解すればいいのか”という命題については、
2019年下半期に頭を悩ます課題の一つでした。実は。

で、この年末年始シーズンにこのネットプロレス大賞どうしようか話を
ご飯食べながらしていたときに、
ルル ペンシルのプロレスは「割り算のプロレス」なのではないか、
というヒントを貰い、私の理解は促されることとなりました。

このあたりは言葉のイメージの問題なので、
足し算、引き算、掛け算がそれぞれどのようなプロレスなのか、は、
ここでは割愛しましょう。
なんとなく足し算は四天王、引き算はリック・フレアーのイメージです。

肝心なのは、ルル ペンシルのどのあたりが“割り算”なのか。

例えば先の7回敗れたエキシビション、
序盤の攻防の定番であるリストロックに、ルル ペンシルは敢えなく、
ギブアップの意思を示しました。

例えば新納刃とのシングルマッチ。
男子の、それも経験豊かな手練との対戦でルル ペンシルは
新納刃の“蹴り”に着目し、ラーニングしました。

ルル ペンシルのリング(マット)での立ち回りは、
その“強くなさ”が故に、当たり前に見てきたプロレスの要素を、
ある意味では現実の側に引き寄せてくれます。

手首を捻られて相手より力がなく、返す術がなければ、
ギブアップするのは道理です。
人間の脚は、単純に腕の2倍の力を伝えることができると言われています。

プロレスラーはこうした攻防を当たり前に展開しますが、
ひとたびルル ペンシルを介すれば、
プロレスの当たり前は、当たり前ではなくなる。
当たり前と思われた一つ一つの要素は、
彼女のプロレスの前に、次々解体されていく。

それはまるで、素因数分解。

ありとあらゆる要素、因数の積み上げで展開されるはずの試合が、
結果的に一つ一つの因数に焦点が当たっていく、
そんな「割り算のプロレス」。


[たまに理解不能な変数も放り込む]


ともすればこれはとても恐ろしいことで、
当たり前に展開されてきたプロレス的な動き、
その意味を一つ一つ問われていく作業でもあります。

不問に伏されてきたものを、改めて問うという侵略。

プロレスリングの新たな見方を提示する可能性のある、
侵略者・ルル ペンシルのこれからに目が離せません。



「力」「技」「魔法」という、
私がナイトガンダム物語を引き合いに出して
無理矢理当てはめた評価の概念で言えば、
個人的な好みが「力」(≒精神力)と「魔法」(≒創造力、想像力)に
偏りがちになるのですが、
3位には「技」…つまるところ“強さ”とか“完成度”の観点から。

東京女子プロレスの“東北ストロング魂”舞海魅星選手の名前を挙げました。



デビュー直前に“タイガーマスクの秘蔵っ子”という
とんでもないバックボーンが明らかになった、東北出身の柔道経験者。

元々プロレスファンで度々“密航”していたようで、
デビュー前の練習生自己紹介では憧れの選手に
オカダ・カズチカの名前を挙げていたりした舞海魅星選手、
放つドロップキックのフォームがどことなく似ている。
意識していないらしいけども。
そういう“好き”をかたちにするあたりも、
ここで名前を挙げたい理由の一つです。


鈴芽、汐凛セナという同期3人の中でいち早くデビューを果たすと、
デビューからあたりの強さをみせ、
左腕から繰り出すラリアットやバックドロップなど
パワーのあるところを示してましたが、
個人的に一番驚かされたのは、レスリングというか、
グラップリングでのとんでもない強さ。

9.15両国KFC大会での山下実優選手との初のシングルマッチでは、
なんと序盤の攻防で圧倒。
最後にはバックスピンキックで一蹴されましたが、
この一戦で団体のエースから一目置かれたようで、
以降の対戦では山下実優選手の蹴りが舞海魅星選手に対してだけ
一際鋭くなる様子が見て取れたりします。

デビュー何戦目かでシングルマッチを戦った大怪獣に感想を伺ったときには、
開口一番「優宇さんみたい」。

なるほど、そいつは逸材だ。

あと個人的には、大漁旗を翻す彼女の入場が大変カッコいいと思ってます。



ということで大変まとまりのない文となってしまいましたが、
大変将来に期待を持たせる選手として、ここに名前を挙げることとなりました。




その他に候補に考えたのは、
東京女子プロレス(参戦選手)から
猫はるな選手、
愛野ユキ選手、
白川未奈選手。

2018年11月にデビューした猫はるな選手は、
個人的にはリングの使い方が上手い選手という印象で、
技のチョイス(特にHHH式フェイスバスター)も大変好ましい。



腰の怪我で欠場期間を挟むことにはなりましたが、
無事に復帰されたので、これからの活躍が楽しみ。

愛野ユキ選手に関しては…
なんだろう。
リングアナウンサーとしての期間もあるためなのかなんなのか、
“新人”感を覚えることがほとんどない。





そもそもデビュー1年半で3度もタッグタイトルに挑戦しているので、
そのあたりの落ち着きがそうした印象を与えるのかもしれません。

実際、後楽園大会のセミファイナルでみても、
なんら違和感がないという。

サムライTVなんかでプロレス好きのグラビアアイドルとして
出演することの多かった白川未奈選手は、
デビュー戦からもう、“プロレス好き”であることが大変伝わる試合ぶりでした。




空中胴締め落としやロメロスペシャルなど、
獣神サンダー・ライガー選手へのリスペクトに溢れている一方で、
あまりにも強烈なキャラクターもまた鮮烈でした。



その他名前を挙げた選手は、

梅咲遥
鷲田周平
兵頭彰
進垣リナ
花見達也
中村圭吾

あたり。

今年上半期あたりは新人選手を目にする機会少ないかなと思っていました。
しかしまあ、2016年みたいに大量にデビューしたりはしていませんが、
着々と新しい力は育っているように感じます。

ちなみに名前を挙げませんでしたが、
センダイガールズプロレスリングで2019年にデビューした
岡優里花選手を12月に初めて見まして、
その強い気性とスタミナがかなり印象に残りました。





仙女のコーチをディック東郷選手が務めていることを考えると…
2020年に名前を挙げることになりそうな気がしています。








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