800リットルだと、水を張るのにも時間がかかった。水を張ってから1週間後に、同じ金魚屋さんで1匹100円の和金を30匹購入して放した。金魚が水槽の底に張り付いたように潜ってしまったことを覚えている。金魚を入れる前は、1週間放っておいた水槽の水は濁らなかったが、金魚を入れたら途端に水が濁ってしまった。1週間後に金魚がどこにいるかはまったくわからない状態となっていた。
金魚屋さんに相談すると、水流ポンプを設置しないとだめだということで、後払いでよいからと、池用の水流ポンプをすぐに渡してくれた。水流ポンプを設置し、少量の水を追加することで、水の濁りは嘘のように無くなった。
当時、池の周りに木々は一切なく、直射日光が当たる状態であった。800リットルの水槽だと、金魚が小さいうちは30匹でも大丈夫だったが、育っていくうちに大きさに見合った数に次第に減っていった。
私は週末のみ家に戻るので、週日は父が金魚に餌を与えていた。父は、金魚がすぐに食べてしまう量だけ与えるという原則を守って餌を与えてくれていた。1週間の間で、餌がどれだけ減っているかで、父がどの程度餌を与えているかもよくわかった。
そのうち、池の周り木々が増えて、池の中にひげ根を伸ばす木も出てきた。そのため、日中は木々が池の水をかなり吸い上げるようになった。大きくなった金魚は餌をよく食べ、父は週末に金魚がよく餌を食べることをうれしそうに話していた。
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父の死後、一旦は葉をすべて落として枯れこんだようになった屋上の鉢植えの百日紅に花芽が付いた。
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今のところ、3か所に一つずつ蕾を付けているだけだ。
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葉はすっかり出そろい、6月頃の百日紅の風情になっている。
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今年は、まだまだ暑く、これからも晴れの日が続くというので、花芽はもっと増えるであろう。百日紅は2度目の花が咲くことは多いが、葉まで全く新しくなって咲く花を見るのは初めてだ。父が天国ですっかり元気になったのだろう。