人狼プレイ目録

人狼物語~月狼国~に関しての記事や、長期人狼をプレイした中で思ったことを纏めてます。

コラム「狼視点の推理について」

2021-02-13 09:18:38 | コラム

友人が最近色々なことをnoteに書いてまして、その中に面白い記事がありました。

村人の推理と狼の推理

狼を苦手としない人は、どういうことをしているか。
自分が狼の時を思い出して羅列してみましょう。



①最初はまず、フラットに議事録に触れる

初日初動は、狼利とかそういうのはまず二の次。
頭を真っ白にして議事録に触れていきましょう。
あれこれと考えるのはその後です。

ただ仲間がどう取られているか、どう評価されていくかにはアンテナを伸ばしておきましょう。



②各人のイメージを構築する

この人はこういう人。
この人はこんなことを言って、こんなことを考えているんだろうなぁ。
相手の役職ではなく考え方、人となりを固めていきます。



③発言の中からチェックポイントを見つける

チェックポイントとは、いわゆる村人で言うところの「ここ気になる」「これはどうして?」という部分。
狼だからといってそれが持てないわけではありません。

自分が見ている中で、培ったイメージ②との差異。
それを見つけていきましょう。

同じ人の中で差を感じた場合は「どうしてそうなったんだろう」という疑問に繋げる。
「君の考えなら、こうだと思っていた」
AさんのBさん評に対して差を感じた場合は「Bさんはこう思っているんじゃないの?」とチェックをつけておく。
それ以外でも気になる発言があった場合は、チェックをつけていきます。

逆に「ここはいいな」「なるほど」と思った部分も積極的にチェックしていきましょう。
これは加点部分のチェックとなり、違和感を持った部分とは使い方は逆になりますが、こちらもまた有用です。

このチェックポイントが多ければ多いほど、自分が色々と思考しているように発言に盛り込んでいくことができます。
喉が潤沢にある村ならば、その都度対話を持ちかけて相手に確認していくと良いでしょう。



④自分の推理を固める

自分が培ったイメージ②、拾ったチェックポイント③とその確認を元にして、自分の考えを纏めます。
②に近い過程ですが、そこよりもさらに深める。
灰や占い師の中に序列を作り「誰がより信頼に値する人物か」を作り上げる。

そう、いわゆるグレースケールや真贋部分の構築です。
推理出来ない立場だからといって、これが作れないわけではない。
簡単にではありますが、以下にグレースケールの作り方を一つ置いておきましょう。


1、スキル順に並べる

灰を強者順に並べます。
強者とは、いわゆる人狼ゲームに長けた者。
発言力と推理力のある対象。
強い相手はそれだけ、GS上位にいることが多い。


2、チェックポイントを加算し、並び順を入れ替える

プラス評価ができるチェックポイントならば、GS上位に。
マイナス部分のチェックポイントならば、GS下位に。
それぞれ調整していきましょう。


この二つだけでも、おそらく「それっぽく」は見えるのではないでしょうか。
さらに以下も加えていきましょう。


3、村内評価を勘案する

狼から見て発言強者であっても、村からは白く思われないこともあります。
ベースを1ではなく、村内評価を元にすることも可能です。
また、自分が思う以上に相手が村内で評価されていない場合は、それによってGS位置を下げることも検討しましょう。
「自分からはこう見えるんだけど、皆からは違うのか……」
「ひょっとして自分が間違えているのか……?」
こんな疑問を差し挟んだならば、立派な村人偽装になります。

村内評価と剥離しすぎていると「なぜそう思うのか」といった疑問から「知っているのではないか」と勘繰られてしまいやすい。
差を持たせる時は、説得が可能な材料をしっかりと用意しておくこと。
また、対象の位置を引き上げることで自分のアピールに繋げるくらいの気持ちでいましょう。


4、狼としての打算、計画を組み込む

Cさんはこのままなら吊れそうだから、GS下位に置いておこう。
Dさんは狼を白く見てくれているから、GS上位にいて発言力を持ってもらおう。
Eさんは真占を偽視してくれているから、吊りたくない。等々。

狼とて村参加者の一人。
その評価は村の総意に組み込まれます。
発言力を上げたい相手は積極的に上げていき、また発言力を落としたい相手はGS下位にいてもらうことにしましょう。


・対象の発言力を上げる場合
相手が「村人として違和感がない」ことを主張します。
加点部分のチェックがあれば、積極的にそれを開示する。
相手の村内位置が上がったならば、相手の発言はそれだけ浸透しやすくなります。

また、発言力を高めるためには「他の人もそう思っている」と見ている誰かに思わせることが大事。
「こうだと思うんだけど」
この主張だけでは「へー」で終わりやすい。

「こうだと思うんだけど」「わかるー」
ここまで聞こえると「そうなのか」と思われやすくなります。

狼にとって有利な発言が出たならば、積極的に「なるほど」「確かに」「わかるわー」「それいいね」と相づちを入れていきましょう。
それだけで、相手の主張になんとなーく信憑性を持たせることができます。(※1)


・相手の発言力を下げる場合
大雑把にわけると、二通りの方法があります。
「相手が狼だと思わせる」か「相手の推理があてにならない」と思わせるか。
前者の場合は、そのまま相手をGS下位に入れてしまいます。

「相手の発言が不都合だから、疑いを向ける」わけではありません。
「おかしな発言をしているから、狼じゃないかと疑う」のだと思っておきましょう。いえい。
もし相手の口調が強ければ「どうしてそうまで思うの?」「そう言い切れるの?」から、誘導している狼だったら、という不安に繋げる。
それ以外の場合でも「本当にそうなんだろうか」と首を傾げるだけで、相手の発言内容は否定でき、かつ相手を疑ってもおかしくはありません。

やり過ぎると「わざと理解しないようにしているのでは」と言われます。
ご利用は計画的に。

それとは別に「こいつは白だと思うけど、でも推理が当たっているとは限らない」と位置づけることもできます。
あまり良い言い方ではないんですけどね。

たとえば村の中で偽占い師が信用を取っている中、一人だけ「いや、こいつは偽物だ!」と声高に主張をして、偽占を偽視&真占を擁護している灰がいるとしましょう。
相手を狼だと思わせる場合は「こいつ真占の信用を落としたいんだろう」として、相手を狼位置に持っていく。
相手の推理があてにならないとしたい場合は「こいつ狼だと一人で悪目立ちしすぎなんだよなー。多分村人だと思う。まぁ、真贋は全然あてにならないけど」と"ミスリード村人であること"を印象付けてしまいましょう。

これらの小細工を行う場合は、自分の発言力もある程度持っておいた方が便利です。
発言力を保持させるためにも、発言は常に要素ありきで行い、説得力を持たせる。
また仲間には自分をあまり低評価させず、良い位置をキープできるようにしておくといいでしょう。



※1を利用して、自分の発言にも信憑性を持たせることができます。
コツは「誰かに投げかけて同意させる」こと。
投げかける相手の選定が大事です。
自分と全然違う意見を持つ相手に投げかけても「えぇ、そう?」と言われて終わります。

a、自分と近い推理をしている人に投げる。
b、フラットに見ている人に投げる。
c、あるいは、他者の意見に流されやすい人に見える。
d、自信のない人に投げる。

aは当然肯定的な返信が期待できます。
bは相手をこちら側に引き寄せるつもりで、発言に説得力を持たせられると良し。
c、dも同様に、相手を引き込むつもりで行います。

同意がもらえたならば、それだけ「村内で賛同されている」というイメージがつきます。



途中からなぜか誘導の仕方に脱線してしまいました。
ともあれ、ここまででだいたいのグレースケールはできたのではないでしょうか。
序盤はだいたい、これで推理者としての体裁は整うと思います。

終盤になってくると、もっとしっかりとした「狼陣営の推理」が必要になってきます。
単体での狼視ではなく、狼陣営全体を推理する段階ですね。
そちらはまた、気が向いた際にでも。

気が向く予定は、今のところありません。あしからず。


コラム「心の理論」

2019-06-11 16:20:22 | コラム
長期人狼をやっている中で「他者の発言が理解できない」という場合、多くの原因が考えられます。
その中の一つ「他者の視点に立って考えられない」というケースについて、掘り下げてみます。

***

以下の状況を考えてみてください。

AさんとBさんが一緒にお菓子を買ってきました。
二人はそれを棚にしまった。
Aさんが席を外している間に、Bさんは気を利かせて、お菓子を冷蔵庫へと移してくれました。

さて。戻ってきたAさんは、お菓子を食べようとして、どうするでしょう。

***

状況を考えれば、それほど難しくはない質問です。
Aさんは、Bさんがお菓子を冷蔵庫に移したことを知らない。
よって、棚を開けようとします。

この「棚を開ける」という回答は、真実の「お菓子は冷蔵庫にある」とは違った答えです。
でも、Aさんの立場になって考えた場合は、これが自然な流れです。

この質問を子供に投げかけた場合。
4~5歳くらいの子供だと「冷蔵庫」と答えることが多いようです。
Aさんが何を知っているかを整理できず、自分が知っている”真実”に思考が直結してしまうためです。

こういった、他者の視点に立って物事を整理し、相手が何を知っているかを想定して考える能力を「心の理論」と言います。
心の理論が未発達な子供は、相手の立場で物事を考えることが出来ないために、真実をそのまま答えてしまうことが多いようです。

この心の理論、何も上記のように簡単な話ばかりではありません。

①灰Aはあんなに白いのに、なんでBはそれが理解できないんだ?

灰Aが白いというのは、視点主の主観になります。
もし灰AがBのことを強く疑っていたら?
Bから見て、Aが自分を吊りに来ている人狼に見えているのかもしれません。

②灰Cはあんなに頼りになるのに、どうしてまとめのDは灰Cが信用ならないと言っているのだろう

灰Cが頼りになるからこそ、まとめをしているDの立場からは、自分のするべき仕事にまで足を踏み入れられていると感じているのかもしれません。
自分というまとめ役がありながら、村を自身の望む方へと誘導しているように感じているのかも。

等々。
上記であげた「灰Aはあんなに白いのに」「灰Cはあんなに頼りになるのに」これはどちらも発言主の主観によるものです。

他者が自分と同じことを考えているとは限らない。
相手がどういう立場であるか。
相手が何を見て、何を感じているか。
それらを一度じっくりと読み込んでみてください。

心の理論の例であげた状況のように、わかりやすくはありません。
それでも「相手が何から判断して、その結論に至っているか」を考えてみることで、相手の思考を理解出来るかもしれません。




参考文献:岡本真一郎著「悪意の心理学」
発行・中公新書



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ここからは余談になります。
人狼をやっていて、真実を言いすぎてしまう人が結構多く見られます。

白い村人を疑えない。
つい仲間に疑いを向けてしまう。

これは「自分が狼だとバレた時に、仲間に疑いが向かないようにしよう」というライン切りの為の意識もある程度は働いているのでしょうが、それと別に「白と知っている村人を疑えない」というケースも多いようです。

また、自分(達)が人狼であると、必要以上に意識してしまう。
安全域にいるにも関わらず、必要以上に疑われていると感じてしまう。
疑われた時のことを意識してしまう。
こういった「実際以上に”他者が気付いているのではないか”と感じてしまう」ことを「透明性錯覚」と言います。

狼をやっていて、必要以上に弱気になってしまう。
そういう人を見ると、とても勿体ないなぁと感じてしまうのです。

村側達は、真実を知らない。
だからこそ、悩みもすれば、迷走もします。
狼達が思う以上に、村人達も色々と考えるものです。

自分で自分を追い込んでしまわないように。
勝手に負けムードになってしまわぬように。
気の持ちようで変わる部分もあります。

真実を意識しすぎて、あえて自分達から苦しい道を進んでしまわぬように。
がんばれ、狼たち。



コラム「エアポケットの出来るわけと危険なわけ」

2017-07-21 20:32:46 | コラム
久しぶりの更新です。
最近は国の管理人室にばかり色々纏めていました。
社会心理学のコーナー作ったんだよ~と、こっそり宣伝)
それらを纏めながら少し考えていたことがあるので、久々にコラムでも。



長期人狼では、よく「エアポケット」とか「エアポケ」と言われます。
放置枠と言われることもありますね。
それによって一時の安心を得る人もいるでしょうが、多くは終盤に位置が悪くなり、結果吊られてしまったり疑いを向けられることがあるようです。

この「エアポケ」現象が何故起きるのか、それによって何故後々で立ち位置が悪くなってしまうのか、少し考えてみました。



放置されやすい人というのは、「ある程度慣れた発言の出来る人」が多くなります。
放置される理由として、

・一見おかしなところが見当たらない
・村利な発言ができる
・寡黙ではない
・発言が安定している

これらが挙げられます。

そう。放置されやすい人は、序盤ではむしろ白印象を得ている人となります。
これが何故、中盤から終盤にかけては違ってきてしまうのでしょう。




まずは、序盤の放置現象とその問題点から見てみましょう。


A)序盤は寡黙灰や素黒い行動を取ってしまう村人などに目が行きやすい

原因の最たるものは、これでしょう。
序盤は、ある程度発言出来る人よりも、それ以外に能力処理やリソースが向きがちです。
そういった人々が占いや吊りで精査対象から外れていくと、中盤~終盤に放置されていた人に目が向きやすくなります。


B)発言が安定していることが共通見解として持たれたならば、それ以上の情報共有がされない

Aから更に深めたものとなります。
精査優先度が高くないが故に、それ以上目を向けられることがなくなります。
つまりは、村の議論において「取り沙汰されることが減る」のです。


C)内心気にしている人が居たとしても、能力処理候補からは遠い為に本格的な精査とはなりにくい

人が複数居たならば、皆他の人がどう考えているかも気になるものです。
疑いが表層化しない対象については、何か抱えていたとしても、表には出てきづらいものです。
詳しく精査されないままに「みんなあの人のこと白く思ってるんだ」という漠然とした印象だけがついてしまいがちです。



このように、エアポケに入りやすい人というのは

・精査/処理優先度が低い
・発言が安定している
・黒く見られづらい

というように、議論においては良い面を多く持つ人だったりもします。




それが何故、中~終盤では悪い扱いを受けてしまいやすいのか。





1)序盤の占い吊り処理を終え、安定位置までもが狼候補として精査される状況になってきた

序盤の処理で狼が見つからなければ、残る中から探していくことになります。
自然と、安定域と言われていた人達にも、目が向けられることとなります。


2)それまでによく精査されていた人は、取られた要素が積み重なっている

放置されず、常に精査対象となっていた灰には、それだけ評価が積み重なっていることでしょう。
黒視ならばともかく、白視だった場合は、その位置は揺らぎにくいものとなります。
そういった”精査され続けていた灰”と比較した際に、放置されていた灰は「積み重なった要素が圧倒的に足りない」ために「相対的に位置が落ちやすい」のです。


3)黒視や不安、不満が一度に出てきた場合、その流れが加速しやすい

具体的に言うと、Cの時にあえて口にしていなかった人々が、その内心を吐露しやすい状態となるのです。
気になるところがあった。
皆が言うほど白くは見ていなかった。
それまでは精査対象ではなかったが為にそれぞれが内に秘めていた意見が、表に出やすくなります。


4)それまでは疑い位置に居なかったが為に、備えが出来ていない





このように、エアポケ灰が終盤吊られやすいのは、

「精査され続けていた人との相対比較」で位置が落ち、自分自身は検証が足りていない為に要素不足に陥りやすい、急な疑いに対して備えや検証を行うより先に、流れで吊られてしまう

という状況かと思います。


これを防ぐ為にも、最初から放置対象を作らないこと。
白視されていると言っても、常に精査を続け、要素を場に出すこと。
白視されている相手に対し、その白視に疑問があるならば、その時点でしっかりと場に出すこと。
これらの対応が大事ではないかと。



放置されやすい人というのは、本来ならば頼りになる相手でもあります。
そういう人を、危機に陥らせてしまわぬよう。
村全体で、しっかりと見ていってあげてください。



人狼におけるスピンテクニックの応用

2016-02-29 16:15:09 | コラム
スピンという言葉がある。
これの詳細については、ウィキペディアを参照いただくとしよう。


人狼においても知らずに用いられていることだけに、少し踏み込んで考えてみたい。
内容的にどうしても人狼サイドでの話がメインとなりますが、あしからず。




一般的に言われるスピンテクニックとして

(A) 恣意的な引用、チェリー・ピッキング(自分の見解を支持する証拠を選択的に提示すること)
(B) 事実の選択的な援用
(C) 対立相手のアイディアをいち早く入手して、相手が発表する前に自分のアイディアとして発表
(D) 間接的な否定(論理的には否定していないが、印象としては否定的な印象を与えるような発言のこと)
(E) 立証されていない事実を前提とする論法
(F) 婉曲表現による論点のすり替えや強調

これらが上げられている。(ウィキより転載)
人狼に置き換えて考えてみましょう。




1、死人に口なし

恣意的な引用、チェリー・ピッキングで真っ先に浮かぶのがこれ。
地上に居る相手に対してそれを行った場合、当人から反論や指摘が来る恐れがあります。
が、死亡した相手はそれが出来ない。素晴らしい。
AとBのテクニックを基本とし、更に論によってはEFも関わってきます。

襲撃先として選んだ村人甲は騙り占い師乙を真視し、かつ灰狼の丙を疑っていた。
この場合は襲撃意図としては丙への疑いを軽減する為に噛んだのだとしても、表向きは「甲は占い師候補の乙を信用していた。乙真の世論が高まるのを恐れて狼が襲撃したのではないか」と持っていけるわけです。


他にも様々な事例が考えられます。
狩人視で噛んだ相手。吊れないだろうと思って噛んだ相手。
それらの人々が、灰狼候補を「放置枠」ととりあえずの序盤白視に置いていた場合。

早い段階での白視というのは、誰しも軽い要素によって行われることが多い。
要素取りは、日が経つにつれて深まっていくのが普通です。
ですが、死亡した相手は状況が推移しても残した評価は変化させることが出来ない。
死者の論を用いるならば、これも一つのポイントです。

他者に説得する際、「その後に起きた状況変化」を悟られないようにしましょう。
逆もまた然りです。
誰かが死者の論を用いてくるならば、「当事者が墓に入った後にも状況は変化していること」を提示してみましょう。



2、早いもん勝ち

村人甲が潜伏狼の乙に注視して、色々と質問を重ねている状況とします。
もう一人の潜伏狼丙はその様子を眺めている。
この時、丙には「静観する」「甲に働きかけて乙を庇う」「むしろ乙を問い詰める側にまわり、ライン切りを狙う」という選択肢があります。

こういった事例に有用なのが、Cと言えます。

疑いが突然票入れという形で出てくる人というのは、案外少ないものです。
それまでにワンクッションなりそれ以上のやり取りが重ねられることが多い。

甲が乙に対して質問を投げたり、対話を試みる様子を察知して、その間に丙は「乙の扱いをどうするか」を考えることとなります。
村人甲にとっては乙の反応から相手を見極める時間となる訳ですが、その様子とインターバルこそが丙にとってはCのチャンスともなります。

狼は事実を知っている分、“ふり”で迷うことはあっても、実際の思考時間はショートカット出来ます。
村人達が探りを入れる時間、迷う時間に状況を見て、自分がその中でどう動くべきかを考えてみましょう。

尚、上記の段階において甲が結論を出すより先に丙が「よし、乙吊ろうぜ!」と働きかけた場合、甲の思考はより加速する可能性が高い。
「自分以外の人もそう思った/感じたんだ」という思考になりやすいからです。
丙にとっては先んじて結論を出して切りを狙うという意図であっても、甲にとっては思考の後押しとなる可能性がある。
乙を助けることを考えるならば向かない案となりますので、その点ではご注意を。
(甲にとって丙が信用ならない人物と位置づけられているならば、逆に働く可能性もありますが。そういった細かい部分は、都度考えてみてください)


これ、何もライン切りに限った話ではない。

ラインに限らず、自分自身の思考を表明するに当たって、村人達の疑いが何処に向きそうか。
対話の流れからそれを読んで、さっと結論部分を先に割り込ませることは十分に可能です。

質問や対話の切欠が、どこから始まっているか。どこに向かっているか。
それを予想して、動いてみるのも面白いと思います。
時勢を読むのも、また大事なことです。
(気付いたら狼向けの話になっていた……)



3、消去法も手法の一つ

大人しい灰甲を落とす方法として、それ以外の灰を軒並み白上げしていくという方法があります。
周囲が人と認識されれば、自然とそれに乗り切れていない者の位置が相対的に落ちる。

正にDの方法となります。

白視される以外にも、人間関係が構築出来ている人、話がわかりやすい人、実力を評価されている人は処理対象から除外されやすい。
自分が残したい相手に関しては、働きかけをして位置を上げること。
また、「自分が全灰をどう評価しているか」が客観的に見てわかるように心がけておくこと。
相対的にでも誰かが残る、そっちは取れていない……というのをちゃんと示しておきましょう。
それが無いと、誰を疑っているのかわからない、八方美人的な振る舞いと取られる可能性も出てきます。



4、要素とは紙一重である

白要素、黒要素。村内では色んな要素が飛び交います。
が。それ以外にも「当人要素」というのが大きく関わってきます。
性格や感情部分を元にした場合、それは「白黒に直結する要素か、それとも当人の性格によるものか」というのはなかなか見分けが難しかったりします。

村人甲がSGになりそうな乙を優しく掬い上げようとしている場合。
甲が優しい村人だからそうなっているのか、甲がたとえ人狼だったとしても、当人が優しいからそうなっているのか。
「甲の優しさ」を個人要素としてしまえば、それが白要素であるのか役職問わずに行うことなのかの立証というのは、難しくなります。

白要素、あるいは黒要素として提示されたことを、当人要素/性格要素として据え置く。
これもDの手法として使える気がします。



5、ラインばんざーい

早い段階からラインを見ていくというのは、ある意味狼的な行動とも取られます。が。
中盤以降においては、その限りではない。
また、村の状況がライン戦となるなら、なおのこと。

真占甲と騙占乙が居る場合。
潜伏狼丙にとって、甲視点の灰狼は自分となる訳です。
が、当然自分で自分狼の可能性など匂わせる必要はない。

占い真贋を誤認させることに成功している場合。
乙が真と仮定して、乙視点での灰狼を探す流れを強くしてもいい。
当然「ないライン」をねつ造することとなりますので、村は狼探しも迷走することでしょう。

仮想狼陣営を想定して、そのラインから狼候補を絞っていく。
ライン戦をする場合の基本戦術となります。
まさしく、Eのやり方ですね。

「立証されていない~」と書いてはありますが。
もし真占甲が灰狼を占って黒を出したならば、灰狼視点では「甲が偽占であることが立証された」状態となるのです。
それまでは甲乙両方が真の可能性を追っていたとしても、そこからは甲偽乙真を確定情報として推理を進められる。

思う存分、真占と村人達に黒塗ってさしあげましょう。



6、物は言い様、考えよう

これもBとEに関わってくることではありますが。
灰襲撃を行った場合。実際は狩人狙いだったり、灰狼が疑われてるから噛んだのだとしても、村視点ではそれはわからない。
であれば、それっぽい理屈をつけてしまえばいいのです。

「なんで占い師候補が噛まれていないんだ」
この一言で、占い師が何故噛まれていないかという部分から色々な憶測を呼ぶことも出来る。
また、襲撃相手より白い人が居たならば「灰襲撃にしても、なぜこっち?」という疑惑を提示することで、噛まれていない相手に対して疑惑を向けることも出来る。

襲撃をどのように解釈するか。
その解釈の仕方一つで、そこから色々と膨らませられる気がします。




Fについてはちょっと事例が絞り切れないので、まぁまた何か機会があれば。

一般的に言われていることでありますが、人狼においても色々使えそうです。
目指せ、スピンドクター。


スピン関連の参考資料
http://311club.hatenablog.jp/entry/2012/04/10/135034
http://rocolo.exblog.jp/10562014/
http://kikugawa.co.uk/?p=1921
他。

覚え書き程度に。

2016-02-12 08:52:49 | コラム
http://jr-soccer.jp/2013/09/25/post15200/

こちらの記事を拝見しつつ。


> つまり、脳の中であらゆるものを検索して正解を求めるのが意識的な判断。一方、経験を積み重ねていくことで、成功、失敗のタグが貼り付けられ、そのタグを利用して、「なんかいい感じ」「なんか嫌な感じ」という、好き嫌いに近い感覚を使って最適な選択を瞬時に引き出す、これが直感的な判断ということになります。


こちらの一文に「なるほど」となりました。

私は狼時、直感型に弱いという自覚がある。
うまく村を誘導しても、その空気に染めきることが難しい。


自分が狼であるという解が導き出された原因が過去の経験則であれば、こちらからは如何ともし難い部分もある。
結局は「それを払拭する」ことでしか抗えない。
過去に厄介な狼に騙された経験は誰しも持っているだろうし、それを考えれば警戒というのはされて当然な部分も。


払拭の方法として。
・体験の共有
・感覚の共有
・信頼
これらがまず上がる。

誰か狼と思う相手を一緒に説得し、吊り上げた。
逆に吊られそうになったのを一緒に説得して動いた。
これらが体験の共有。
共通の敵を認識して、自分を味方だと錯覚させる。

感覚の共有。これは体験の共有よりは弱い。
同じことを考える相手に安心感を抱く人ならば、という感じか。
その場合、自分の判断に不安を持っている人を安心させるか。
あるいは自分に自信があるタイプで、自分と同じレベルを人狼が出来るかと思うようならば……かな?

信頼。これは人間関係の構築部分。
警戒している相手からまるっと不安除去出来るほどの信頼というのは、なかなかに難しい。
逆に周囲から信頼を得ていること自体が不安材料となりかねない。

どれもそれのみで行うならば難しいか。
んー。これら全て「プラス部分の払拭要素」ではある。
そこに逆部分の要素も加算できるといいのかな。


が。このマイナス部分の要素というのがなかなか難しい。
これは素直に考える人にとっては、そのまま「単なるマイナス点」となりかねないからだ。

白狼と警戒している人にとっては、不安緩和の材料となるかもしれないが。
それ以外の人に狼視される結果となるならば、やり方として注意する必要はありそうだ。

考えられる方向性として、狼像との齟齬。自分が狼ならばやらなさそうな部分を見せる。感情吐露。等々か……?
どれも「狼にしては……」といった部分を取らせないといけないわけで。
気付かれずに織り込むのは難しそうだ。



判断相手を油断させる、という方法は何かないだろうか。
頼っている様子を察知させる。
「自分が村を回しているんだ」と認識させる。とか、か?

油断しやすいタイプならば、直感以前に既に猪突猛進している気がしなくもない。




うぅむ。
この「直感を拭う方法」に関しては、やはりもう少し実践を積む中で研究材料をストックしていきたい。