疲れ目とストレスは「自律神経」に密接な関係があります。目の機能の1つである「ピントを合わせて物を見る」ことは、目の中の毛様体筋によって調節されていますが、この毛様体筋は交感神経によって動いています。交感神経とは簡単に言えば「人間の身体が活発に動く準備をする神経」です。呼吸を促進する、心拍数を上げるなど心身のあらゆる箇所を緊張状態にすることで、状況に対応しようとする力が働いています。
交感神経が活発になると人間の身体や脳はパフォーマンスを大きく発揮しますが、この状態がずっと続いてしまうと心身の疲労が高まってしまいます。疲れ目はまさにその「緊張が続いた目の疲れ」が異常となって現れるものです。とくにパソコン画面を見続ける現代のデスクワークは、ストレスによる緊張状態と、近くを見続けることによってかかる毛様体筋への緊張、両者が目の疲れとして蓄積していきます。疲れ目が進行すると眼精疲労になり、慢性的な目・体の異常が生じてしまいます。
疲れ目が眼精疲労になる前にケアするには「マッサージ」「森林浴」「リラックスした十分な睡眠」が効果的です。マッサージは目周りの骨のうち、自分がきもちいと感じる部分を軽く押すだけでも癒し効果があります。森林浴はそれ自体がリラックスを司る副交感神経を活発にし、外出して遠くを見ることで毛様体筋もゆるみます。40℃前後のお湯にゆっくりと浸かり、全身の血流を良くしてリラックスした状態で眠ることも、疲れ目の回復・解消につながります。