天和二年(1682年)の今日(師走二十八日)、江戸市外の大円寺から出火した火は、本郷、上野、下谷、神田、さらには日本橋、両国橋、深川方面まで広がり、大火事となった。
出火の原因は、八百屋の娘お七の恋愛沙汰だったといわれる。明暦の大火事(明暦3年1657正月18日)の時、家を焼かれたお七一家は、現在の文京区白山に疎開した。そこで家が再建されるまで、暮らしたのである。そこの小姓に、お七が惚れてしまう。二人は恋愛関係となるが、家の再建で心ならずも引き裂かれる。
「また家事になれば、恋人と会えるかもしれない」、そう考えたお七は、放火してしまい、その結果江戸が大火事に見舞われたという訳だ。