好きか嫌いかと言われれば好きな映画の部類。
この映画が上映された当時、永作博美さんは39歳。こんなに可愛らしい姿あるんだな、と。事務員の制服着ていても全くダサくないのはなんなんでしょう、と。Wikipediaで調べたら、3歳、歳上と言うことが分かった。高校時代、『ribbon』でえらく可愛い子がいるな、と思った覚えがあるが未だに変わらない感じがするんだ。いや、寧ろ、昔よりも良い。夕やけニャンニャンのあと番組だったみたいね。デビューは。それは兎も角、正直、彼女って演技派の女優さんのイメージでもなし(失礼)、もちろん?セクシー路線でもなし、でも息長くそしてずっと若々しいまま。出る映画、出る映画と、スーパーヒットしないものの、出ているなら観たいなと一定以上の固定ファンは確実に存在していて。自分もそう。彼女が出ているならば、と観ることが多い。
あ、永作博美論、ではないので、映画の話に。
劇中、大高洋夫演じる役付きから、西島秀俊演じる「上司と出来ているのか?」と言われるものの、プライベートは何も知らないと言う事に気付き、そこからもう1人の主演の西島秀俊さん演じる今西課長が失踪し、彼を探していく、その中から色々と心の葛藤を描いていく、不思議な設定の映画。今西課長と関わる人がプチ不幸になると言うことに対しての、今西課長の葛藤を主軸に置いた映画なんだな、と。それに対して、永作博美がどうリアクション、化学反応を起こしていくのか、がそこかしこに描かれている。その今西課長が、内面に他者との関係性に不安を持ちつつ、どう生きるか、若しくはいつ自殺するか、を秘めたまま過ごしているように描かれている。彼の中で、他者を自殺や殺人へと導いてしまう程の要素はなんなのか、少しずつ気付いて、それでも彼自身が寧ろ死に場所を探しているような、それだけ見ると終末を迎える猫のような描かれ方されているな、と感じた。劇中ではその今西課長が、最後に、赤いアルファロメオに乗ったまま自殺を図ると思いきや、一瞬思いとどまる。永作博美が今西課長を探す過程で大阪に行き、そこで聞いた話から、お土産を買う。個人的にはそれがポイントになっていたように思う。Dashboardに置いた大阪でのお土産に、これこれ、と。。。しかもその場所が、知るはずもない、永作博美の彼氏が経営する地方の海辺の町工場。そこで今西課長が働いていると言うかなり飛躍した設定…。
なんなんでしょうw。
永作博美は劇中で、彼氏と別れた訳では無いのに、渾身のプロポーズを今西課長に。しかし、それを今西課長はサラッと不慣れで?かなり変な?関西弁で茶化したのはやっぱり葛藤を抱えているからなのか…。
なのに、最後の最後で、そのお土産で救われたりして。。。
今西課長は、何故、最後に、胸に刺さったままの棘が抜けたかのように、なったのか。。。それ程大きな位置付けの、幼少期に捨てられた物と同じ物がお土産として手元に得られた瞬間に、人を不幸にする要素が消えていく、とでも、言いたかったのか?そこはfeature pointではなかったのかも知れないが、流れ上、自殺を止めたのは明らかに幼少期に捨てられた物が再び手に入ったから、としか観られず。経済価値から言えば全く大したものではなかったが、殺された父から貰った物だった事がそれ程大きな位置付け?
深く考えても仕方ない気がするので、その物そのものについての考察は止める。
描かれていないけれども、結局、今西課長は、自殺したんだろうな、と、そんな気がする。そんなシーンは描かれていないのだが、個人的にはそう思った。いや、永作博美と最後には結ばれる、とでも?
別に、死ぬべきような?キャラでもない気がしたが、今西課長の周りがプチ不幸になる事の連鎖を止めるのは彼自身が自殺すること、と思っていたところ、たった一つのその物=お土産で、自殺を止めるかしらね?その物で、全てが変わった、と言うのはない気がするなぁ。。。だとしたら、その物=当時父からもらった物、を捨てたのは、家族全員、弟子全員を殺した腹違いの兄のせいで、そこから不幸の連鎖が始まってしまっていたことになる。だとしたら、兄から言われたと言う、不幸の原因はお前だ、と言うのは自業自得になるんだよね。。。そう言う設定?
こちらもまた描かれていないのだが、永作博美は結局、彼氏と結ばれる気がする。今西課長にプロポーズしたことなんか知らないまま。女って怖いな、もしそうだとすると…。今までは周りがプチ不幸になっていたのが、それが、プチ不幸の連鎖が止まり、逆に周りが幸せになるようになった、と言う事に変わったとしたかったのではないかなぁ。そのことの1つの結実として、永作博美は彼氏と結婚に。。。結婚が幸せと言う前提で。。。
いや待てよ、永作博美が幸せ要素そのものだとして、だから西島秀俊演じる今西課長は、自殺を止めた、のか?!
ほんの一瞬交わった、売れなかった漫画家のデビューが決まったのも永作博美が今西課長の不幸化要素を消して回ったから…。今西課長の上司の自殺した部長が横領したお金が戻ってきたのも永作博美のおかげなのか?だとして、今西課長が、自殺を止めたことを含めて、永作博美のおかげなのか。。。
分かりにくいが、それなら、実はこの映画ハッピーエンドなのか。
もう一度Amazon primeで観るかな。