昨今はポイント制度、大流行りである。
航空会社然り、スイッチングコストが低くならないように足止めと言うか囲い込みをするための施策としては古くからあるものと思っている。いわゆるCMなどのプロモーションコストとは異なるであろうものが、大凡何処の会社でもマーケティング部門があれば、異質のマーケティングプロモーションとして同一部署が扱っているところが多いのではないだろうか。別に悪いこととは思わないが、マイレージの概念なんかはちょっとしたファイナンスの知識がないと出来ないのだと思うのだけども、、、まぁ、企業の中では一括りに扱われるのかも知れない。
そのせいか、結構適当に企画したのかなと言うポイント制度がままあるし、突如終わったりするものがある。
最近も、とあるスポーツメーカーのポイント制度が突然終了したのはびっくりした。中々止められないと言う覚悟で始めるものなんだけどなぁ。まぁ、しっかりとした準備をしないとそうなる訳である。単純な、商品プロモーションとは違うのにマーケティングの一つでしょ?的な感じで始めるとそうなったりするかも知れない。
ある意味新製品がこの世にないとてつもなく素晴らしいものだとしても、人の耳目に触れなければ売れることはない。
売れる仕組み作りがマーケティングなので、セールスが売りやすい状況を整えてあげねばならないのだから企業は数々のプロモーションを行う。昨今では自社の努力によるマーケティングのみならず、SNSなどのバイラルでの広がりを前提とするのは当たり前の話となっているが、色々と駆使している姿が垣間見られる。新規、既存の顧客に対して新しいサービス展開をするのであれば、Above the lineの類のメディアを使ってみたり、Below the lineの類のメディアを使ったりしてバイラルにサービス・商品の認知を高めていくのは必然の話。そう言ったマーケティングは何処の企業もしている。但し、ポイント制度はそう言った認知向上のためのマーケティング施策とは明らかに異なる。
マーケティング施策の一つとして、ポイント制度があるが、完全にワンショットの購買しかしない、と決めている人にとっては何ら意味のないプロモーションであることは自明である。夏休み、実家近くの遠く離れたところで朝のラジオ体操に出てカードにハンコをもらったところで数日しか滞在しなければ皆勤賞の何かの商品は絶対にもらえないことが分かっているので、いくら子供でも率先してハンコをもらいに行ったり、ハンコをもらう忘れたとかでクレームを入れたりはしないであろう。が、一方で、継続して購買をしてもらいと言うことであれば最早必須のマーケティング施策である。特に、B to C系で、他社製品・サービスに乗り換えて欲しくないとなればやらざるを得ないプロモーションでもある。
最早、ポイント制度は必然とでも言うべきマーケティング施策であろう。
ちょっと前までであれば、nanacoやらPontaやらとコンビニ業界が電子マネーなど用意をしていなかったが、それに付随してポイント制度を開始している。また流通系であればT-pointをCCCがYahooと共に推し進めている。世の中にはもういくつのポイント制度があるのか (調べれば分かるのだろうけど)、調べても出てこないようなものを含めるとゴマンとあるであろう。元々はスイッチングコストを敢えて高く設定させるためのものである。最近ではスポーツ業界も導入をしており、読売ジャイアンツのG-Poなんかはその走りだったりするし、千葉ロッテマリーンズなんかも導入がもっと早かったのである意味良くも悪くもベンチマークになっている。プロ野球なんかは、ライバルは映画だったりTDR(ディズニー)だったり、レストランだったりするだけの話(と言ってしまうと語弊があるが)で、コンビニやらデパートのように毎日熾烈な競争に晒されている訳ではないので、寧ろ囲い込みと言うよりも、CRM的にセグメンテーションを施してより個別に情報分析から個別に嗜好性を知り、その上でチケット以外の収益源をもたらしてくれるレベニューはなんであろうか、SKU単位でのプロモーションをするためのものだったりする。故に、航空会社で行っているようなポイント制度とはCRMの設計思想が若干異なる。JALが不甲斐なければANAに、逆も然りだが、FC東京が不甲斐なくて東京Verdyに鞍替えと言うか、乗り換えをするような消費者が大多数と言うことはまず有り得ない。
その辺り、宗教的に心のなかでidentity化するようなサービスラインナップの事業会社であるスポーツ興行社は、一般の事業会社とは明らかに対象者の心理状態も消費行動も異なる。
一般の事業会社、特にB to C系の会社のポイント制度はかなり大変である。例えばJALは、他の航空会社(ANAやLCC)に乗らさぬよう、飛行機に乗る度に貯まるようなFFP: Frequent Flyers Programme を儲けている。元来はこういったものが、ポイント制度のあって然るべき姿なのだが、他が持っているから取り敢えず的な物も散見される。JALにずっと乗って欲しいから、換言すればANAに対抗するためにFFPをやらざるを得ない状況になった筈である。今は、猫も杓子もポイント制度…。以前なんかはJALからANAに乗り換えて欲しいがために、FFPのポイントを買い取るなんて言うポイント制度の『仁義無き戦い』をやった時代もあるが、そこはお互いの体力が疲弊してから気付いたのだろうけど、今はとうの昔に止めている。最早、何ら意味がないポイント制度になるからね。取り敢えずポイント制度を持つと、そうやって自分の首を絞める施策に成り下がるのである。また、他社連携なんかすると最早地獄の様なポイント制度にもなったりする。ポイント制度は出来ればやりたくない筈である。運用もかなり大変だし、常にポイント制度の償還プログラムを考えなければならないのでね。こう言った作業はビジネスクリエイティブにしなければならない訳だが、ハレーションが起きるから、とかなんだかんだと「やらない理由」を考えることが知らず知らずに癖になっている企業の中ではまずもってしてビジネスクリエイティブには残念ながら成り得ない。
ところで、個人的には、日常生活の中でJALのFFPにずっと入っているし、もう軽く10年以上JGCである。
だからいくらAMEXがANAのマイレージにはポイント移行が出来て逆にJALのマイレージにはポイント移行が出来なくても、AMEXを止めることはあってもJALを止めることは絶対にない。そもそもポイント制度は自分にとって何が史上のベネフィットか、と言うことを見誤ると最終的には訳が分からなくなり、貯まっていることすら忘れてしまうのが必定である。ごくたまに主婦の中には財布とは別にポイントカードのみを収納するケースを持ち歩き、このお店ではこれ、あのお店ではこれ、とカードを出し分けて貯めるのに必死になっている方もいるが、大凡普通の人には無理な話である。そんなことに拘泥している程暇ではないと思うし、他のことでポイントのことなど忘れてしまうだろうから。おいらは奥さんと趣味・嗜好が似ていて、旅行が好きである。イタリア人ではないが、何のために生きている?と答えを求められれば「旅行=Vacanza!」と答えてしまうかも知れない。それくらい旅行は好きである。国内外色々なところに旅をするが、海外であればまず飛行機を使う。その時、出来れば12時間をYではなく、Cクラス以上で過ごして行き帰りの時間を過ごしたいと思っている。だから昨年France、UK、Italia、Finlandに行った時の往復はJALのマイレージで二人共Cで飛んだ。あ、帰りはプレエコだったけど。いずれにしても、お金をなるべく掛けず、でも快適にCクラスで、なんて言うワガママを実現するためにはマイルを貯めるしかないのである。故に、JALのJGCのステータスは絶対に捨てないし、逆にそのためにポイントを集中させる。
そう言う理に適っている貯め方を柱にして、日常の中で定着化させないと、マイルなど多分貯まらないと思っている。
T-pointなんかもそうで、色々とアンケートに答えたり、ガソリン入れる時もENEOSで入れたりしてT-pointが貯まるようにしている。何が良いって、Yahooと提携したので、最早じゃらんや楽天ホテルなど絶対に使わず、Yahooトラベルでホテルを選んでちょっと高いけど、立地的にこのホテルが良いなぁ、と言う時なんかはT-pointで予算超過分を支払ったり、思い切って大部分をT-pointで払って実質支払った金額は2,000円とかにしてホテルに泊まったりする。そう言うことに繋げるためにT-pointを貯めている。ある意味これも旅行に繋がっているのである。
さて、昨年の秋に車を新しく買い換えた。
以前からやらねばと思っていたのであるが、ETCのマイレージを漸く登録した。前の車の時はETCの管理番号が分からなくて出来なかったが(ま、ディーラーに聞けばすぐ分かったんだろうけど)今回はちゃんと登録した。何故かと言えば、保険の契約の件で奥さんを都心まで車で送った(しかも首都高で・・・)その帰りに新宿のBMWのディーラーに立ち寄ったからである。そう言えばETCの登録に必要な情報ください、って言ったら、車検証と一緒に入れておきましたよ、なんて返す刀で言われた。。マジか、そりゃ灯台下暗しと言うか、単においらの不作為で登録をしていなかったのだな、と思い直して必要書類を一緒に確認した。なんだ、手元にあったのね。。。早速ネットで登録をした。残念ながら首都高では貯まらないそうなんだが、ゴルフで東関道や、関越、東名など色々な高速に乗るし、その度にちょっとずつでも貯まっていけばかなりの高レートでベネフィットが返ってくるらしい。昔、ハイウェイカードと言うのがあったが50,000円買うと8,000円余分に付いてくる、的な感じでマイレージとして貯まってくるんだとか。どれくらいのレートなのかはもう少しちゃんと調べてみないといけないね。
ETCのマイレージに付いてはここから確認出来るみたい。
簡単に言えば10%戻ってくるようなシステムだな。意外と太っ腹w。現金換算でそのレートだから結構量販店に近いよねぇ。東京と名古屋の間には新幹線とか飛行機とかの代替手段があるとは言え、それ程ライバル視するような話なのかはよく分からない。然し乍ら結構良い料率でベネフィットを還元していると言うことは、それなりに脅威と感じてユーザー側のスイッチングコストの観念を心理的に上げようとしているのかな。個人的にはそこまでハードルが高いとは思わないけどね。新幹線かなと思えばそうするし、飛行機と思えばそうする。寧ろ、日常の中で例えば軽井沢近くのゴルフ場へ行こうってなったら、新幹線では絶対に行かないから車で行くときにそれでマイルが貯まるなら嬉しい限りと言う感じ。実質10%安くなるような話だからねぇ。
と言う訳で登録も完了したし、明日以降、もし何処かに行く時にはこれでマイルが貯まるようになりましたとさ。
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