昨日、勝利の余韻に浸ったまま自分のBlogにはサンシーロで優勝を目の当たりにできたことだけを報告したが、今日はいつも通り観戦記を書きたい。
当日は、日本代表のサポーター〝J-supporters(通称J-連)〟の活動の時にお世話になったアディダスジャパンの重田さん他、同社のマーケの皆様と待ち合わせをした。12時ごろDuomo近くのカフェで待ち合わせをし、とても天気の良い中オープンエアーのピッツェリアでランチを食べながら試合の展望などについて語るなどした。
実は、チケットを持っていなかったので、当然ダフ屋で購入するしかなかった。サンシーロに到着してから、ダフ屋で購入をしたのであるが、何と280ユーロ...(大粒涙)当然本物だ、と言っているが、入場時バーコードで調べられる。勿論本物であれば何の問題もないのであるが昨今偽チケットの話をよく聞くので、かなりドキドキしながら入場。まぁ、結果的には入れたのであるが,,,
ご存知のとおり、この試合は今シーズンの事実上の決勝戦である。これでミランが勝てば文句なく優勝。数字上追いつくためにはローマはどうしても勝ち点3が必要な試合だった。
試合開始前からミランウルトラズはいつもに増して気合を入れ、彼らが陣取るゴール裏ではタペストリーやフラッグが綺麗な模様で広がった(携帯で写真を撮ったのであるが、PCに取り込みができない…)。いつも以上に爆竹(それも本当に爆弾みたいに音が響く。普通のクラッカーや爆竹などの比ではなく音が凄い)、発炎筒で場内は真っ白になる。やはりこれがないと駄目だ。いよいよ試合が始まる。
ミランの先発は、ある意味いつも通りで4-4-2。ルイコスタはスタメンを外れた。アタッカンテは〝シェーヴァ〟とトマソンだった。
試合はローマのキックオフで始まった。アウェーのローマはボール回しがどうしても後ろ向きになるのか、あっと言う間にボールを奪い返された。中盤でボールを奪ったミランはカフーからピルロのいる中にボールを回す。その動きに連動するようにカカが右に流れすぐさまピルロからボールが配給された。カカが絶妙なフェイントでDFを抜き去るとペナエリ脇くらいから間髪入れずにセンタリング。それをシェフチェンコが頭で合わす。相手DFに当たったのであるが、ボールはゴールマウスに吸い込まれる・・・・・
うおぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉ!
スタジアム中が凄いドヨメキと共に沸きかえった。ガッツポーズで咆哮する者、抱き合う者。皆一様にアドレナリン最高潮だった。時間は1分35秒。開始からあっと言う間の出来事だった。
その後もミランは執拗に攻め続ける。今日はピルロが試合を通じて一度もファールをもらわなかったと思うのであるが、ピルロがとても効果的にミランの攻めの緩急のリズムを作り上げていた。抜群のゲームメーキングだったと思う。左右どちらかへのパスの配給に関しては、長い時で30mくらいのボールを出す。受け手が取り易く、トラップした後に攻め上がれるところにパスを出していた。またトップ下のカカは今日はドリブルも非常に〝キレ〟ていた。ガットゥーゾは相変わらず闘志むき出しでボールを地の果てまで追いかけんばかりに奪い取りに行く。が、実はガットゥーゾは単にスタミナ系と言うだけではなく、中盤での1対1の局面でもボールを奪い取ることが多い。まるでDFのように、相手の動きを計算したりすることや、相手のパスの出しどころの押さえ方など、その辺りのセンスは、余り表立たないだけでかなり卓越していると思う。ミランの中盤はピルロ、カカ、ガットウーゾ、セードルフと役割がしっかり果たされていると思う。
一方ローマは、攻撃を総括するとトッティーがそこそこ動きが良かったが、数本のシュートに終わったのは残念だった。またトッティーの相方のカッサーノはある意味動きは最悪で、再び悪童ぶりだけが目立ち何もしていないに等しかった。その他、エメルソンとリマがそこそこ攻撃に絡むものの、スタジアムの雰囲気に飲み込まれたのか?妙に興奮し何度もミランの選手と衝突していた。
後半開始数分後、ローマはゴール前でフリーキックのチャンスを得た。トッティーのフリーキックはシェフチェンコかガットゥーゾのひじに当たりゴールラインを割ったのであるが(観客席からは最初にシェフチェンコでその後ガットゥーゾに当たったように見えた)その後の執拗な抗議も当然認められなかった。ガットゥーゾに当たっていなければゴールマウスを捉えていたのでミランは失点の可能性もあったのである。ただ、不可抗力で当たったとしてPKを取らなかったため(ある意味主審は正しい判断をしたのであるが)ローマファンはその後いっそう態度の悪さを最悪なものへとエスカレートさせていった。。コーナーキックで再開されようとした時、ガットゥーゾが投げられたクラッカーの直撃を受けたために、一瞬ピッチ外に運ばれたり、その後も後半終了までポルティエーレのディーダに発炎筒、爆竹、クラッカーを投げるわ、投げるわ。。。ディーダは恐らく3-4回当たっていると思う。ローマファンの馬鹿さ加減のおかげで2度も後半途中で試合が中断されてしまったのは好ゲームに水を差していた。
*試合終了後はスタジアム内外でローマサポーターを取り囲む
ミラニスタがそこかしこで小競り合いをしていたそうである。
ローマの守りであるが、カンデラが中に絞り過ぎていたと思う。それが証拠に、前半の半ば過ぎには何故か左サイドラインの辺りでダクールを抜いたカカと対峙しボールをクリアする場面などがあったくらいである。また、ダクールはほとんどカカにマンマークに着くような形となっていたためにローマのDFラインは余り統率がとれていなかったように思えた。事実、真っ直ぐ上がるしか取り得がないと言っても良い〝機関車〟カフーが前半開始から12-3分経った時にサクっと抜かれてしまい、センタリングを上げると見せかけてゴールを狙われたりした。角度がなかったためにサイドネットにボールは絡まってしまったが...
また、ローマはDFラインが余り有機的に機能していなかったことに加え、MFとの距離が離れたり詰まり過ぎたりととても中途半端だったと思う。実際、20分を数分過ぎたあたりだったか、コスタクルタ、セードルフと繋がれたボールがトマソンへ渡り、その後セードルフに折り返されシュートを打たれたのであるが、その折り返しのボールはペナルティーエリア付近のグラウンダーのボールとしてはあり得なく、8-9mmの距離を転がった後のシュートだった。セカンドエフォートのシュートであればDFラインにMFが吸収されてしまったりすることはよくあるのである程度潰れた形になることはあるが、少々みっともない状態が続いたと思う。
また、36-7分だったか、カカがDFに押し込められて已むに已まれずセンタリングしたボールは、ゴール前でキーパーとDFがそのままお見合いのようになり、流れていくボールはペナルティーエリアの逆サイドまで転がり、クリアされた。また、40分過ぎだったと思うが、コスタクルタからピルロ、そしてカカとボールがつながれ、それまでの動きにローマDFが釣られていたために、ゴール前でシェフチェンコはほぼフリーの状態になったのであるが、気合が空回りしたのか、ボールはミートせず、脇へそれていってしまった。。。
後半開始後のミランは前半の好調さをそのまま維持していたものの、ローマの動きが若干変わったことにすぐ気付いた。中盤でバランスを取れるようになり、早い段階からミランの動きを抑えに掛かっていたと思われる。ミランは逆にリズムを少し狂わされたようになり、前半程一方的な展開にはならなくなってきた。その後、カカやガットゥーゾへの執拗なマークをするエメルソンやリマ、またファールを取ってもらえなかったトッティーなどが頭に血が上ってしまい、それに触発されカカやガットウーゾも応戦するなどかなりヒートアップしたゲームだった。
その後、後半35-6分過ぎだっただろうか、ローマもペナルティーエリア内でカフーがハイッキックの反則を取られ間接フリーキックのチャンスを得るものの、ミランの壁に当たり得点はできず。一方ミランも押され気味だったところからカウンターを試みるものの、シュートの精度は決して良くなかった。シェフチェンコが右から、トマソンがペナエリ左からとシュートを試みるものの、ゴールマウスを捉えたシュートはそれ程多くなかったと思う。
最終的に、とても見ごたえのある試合であったことは間違いなく、法外な値段をダフ屋にはらったが個人的にはとても満足の試合であった。その後Duomoへトラムで戻ったのであるが、Duomo前の広場はそれはもう凄まじい光景になっていた。広場内にある銅像によじ登る者数十名。下手すると100人くらいが上っていたと思うが、そこを取り囲むように旗を振るもの軽く数百名。いや、1000人は下らなかったと思う。こちらでは全く珍しくないのであるが、ガス式のホーンで甲高い音を鳴らすものなどが入り乱れてミランの17個目のスクデッド獲得を祝った。
今、小生の部屋には17回目の記念のT-shirtとフラッグがなびいている。。
ミラニスタには最高の日だった。
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無性にミラノ行きたくなります。
なんで僕はヨーロッパの学校にしなかったん
だろう・・・
p.s. 僕は一人でユニフォームを着て、自宅で
応援して、一人で祝杯を挙げました。
Campionatoで負けた分、CLで優勝したいです!!!