橋下府知事と大阪府職員労働組合員との労働協議をテレビのニュースで見た。
一言で感想を言うと、いわゆる左翼的に位置付けられることが多い労働組合が極めて右翼的な存在の中によくある〝抵抗勢力〟に見えた。
それは何故か。談合に出てくるのは40代後半から50代なのだが、要は単に自分たちの既得権益=硬直性の高い給与、の確保をしたいだけにしか見えない。これは最早日本的労働形態である年功序列の年齢給と言う下方硬直した悪癖に悪乗りし、しがみ付いているだけにしか見えないのだ。
労働者は当然労働の対価として給与をもらう。これは万国共通の仕組だし、広く歴史始まって以来の仕組である。昨今日本では年功序列型制度連動報酬や年齢給から民間では成果型報酬などと言って(余り機能しているとは思えないが…)MBO型の人事考課・査定を受けることが多くなってきている。当初の目標への達成度合いによってインセンティブが増減したり、場合によっては基本給が増減したりする。ただ、成果型報酬のためのMBOのシステム自体が日本の労働環境には合っていない。それは無理な目標が労働者側に課せられ、それを達成していないと都合よくインセンティブをカットされたり基本給を下げられたりする。これではうまく行く筈がない。社長の対外的な仕事として実は最も重要な役務は証券会社のアナリストとの交渉だ。そう言う時に、売上達成目標を現実よりも過大に言ってしまうと結局そのしわ寄せは営業に必要以上に降り掛かる。そうなると達成できない営業の給与・インセンティブは下げられる。すると、やはりターンオーバー(離職率)は高くなり、新規採用の必要性から研修費など無駄が嵩むと言う悪循環が起きる。どちらにしても極端なのだ。年功序列型は、一部本当に経験年数が上がるとパフォーマンスが上がっていく企業以外では機能していないことは明白だが、だからと言ってMBO型と言ってそれを万能の代替手段として位置付けてしまうのはどうなんでしょうかねぇ。。。日本人、対外的に〝顔〟を失うことに必要以上に気を遣い、一方で社内には無理強いをすると言うこの体質がなくならない限り完全導入は危険なのにね。360度の査定で(これも万能ではないけども)直属の上司だけではなく、会社の方針を問うべきである。いや、そうなると株主ではない社員に発言力があるのか(普通に考えればないのだけども)では持ち株会はどう機能しているのかなど別の問題が発生するのだけれども。
一方で、冒頭の公務員給与であるが、そのサービスレベルからすると、対価としてもらっている給与は高過ぎることは明白だ。先日日経だったか読売だったかのコラムに、小学校へ行く児童の交通整理担当員の年収が800万円前後なのはどう言うことだ、と言うことが書かれていた。全部の交通整理担当員の給与がここまで高いとは思えず、一部の行政だけがこのような不必要な支出を税金から賄っていると思うのだが、少なくも、一つ以上の事例があることは事実だ。そもそもこのような無駄な給与面の支出があることも然ることながら、その下方硬直性が問題だ。社会保険庁の役務怠慢から年金問題などが発生したりしているが、パフォーマンスレートは明らかに低い。にも関わらず、年功序列連動による給与が定年に至るまで上昇し続けることを前提とした労働争議は最早ナンセンスであろう。
問題は、公務員全体ではない。冒頭述べたように財務破綻をした地方自治体の行政職員は自分たちのパフォーマンスを自ら省みず権益だけを守ろうとしているようにしか見えない。それも大概年齢の高く、言葉は悪いが最早潰しの利かない、つまりそんな仕事ぶりでは最早どこにも雇ってもらえないようなレイヤーの人間が仕事もろくにせず給与だけは確保せよ、と言ってるようにしか聞こえない。
これ、単なる我が侭ではないか?
組織・プロセスが既にサービスデリバリーの本来的な目的を失い、最低以下の業務効率だけを維持しつつ組織存立だけを自己目的化し、そこに付随する自分たちとその給与だけを守って生きていける程最早日本の経済状況は良くないのだ。親方日の丸などと揶揄されていたことを笑いながら甘受できるような状況ではない。
おいらは元親方日の丸の民営化した企業にいたのだが、当時はホントに年代格差を感じたものだ。毎日PCでソリティアをひたすらやり続けたりする課長クラスがいた…。また、ある時おいらのミスで100枚近くあるベンダー向けの仕様書)x3部)にページを入れるのを忘れていたので、ある課長クラスに(相当恐縮しながら)Wordファイルを添付してメールで送り、フッターに追加してもらうことを意図し2時間程のMTGに出る前に作業依頼した。その方は極めて温厚な方で快く引き受けてくださったのであるが、2時間後参考として渡したページが入っていないバージョンの仕様書に一枚一枚定規を使いながら手書きでページを入れていた…。おいらは少々特殊な部署にいて、クライアントが全て外資系と言う変わった部署だった。ある時MTGに課長クラスを連れて行きMTGが英語になると話している途中で、「今何言ってるの?」などと一つも分からない課長…。二度と連れて行かなかったけど(苦笑)。
彼らの給与は我々の3倍から4倍だ。
今の大阪府庁内の若手職員はどう言う気持ちなのだろうか。恐らく労働協議には出てこないレイヤーの若い人たちがかなり大勢いると思うのだが、あの12時間にも及ぶ徹夜の労働協議でそもそも無駄遣いばかりが何十年も続き、財源がないと言う状況で本質的に給与を(最低限)維持してくれ、と言っている彼らをどう見ているのか。。。何が最低限だ、と思わず鼻で笑ってしまったのはおいらだけであろうか…。
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わはははは!!!!!
これ、大爆笑。
面白すぎる~。
でも、確かにいたよ。
私も1社目でそういう上司が。
確かに3倍とか貰っていたのだよね~。
全てではないと思いたいけれど、日系企業は年功序列で偉くなり、偉くなるとある種仕事は減る傾向にあるもの。
外資は年齢はあまり気にせず実力主義的な要素が強く、ポジションが上がると責任も増えるから、当然仕事も増える。
というビジネスモデルが確立されているものネ。
私も初めて転職した後の上司の仕事ぶりが前職の上司の仕事ぶりとあまりにも違いすぎてビビったもの。(笑)
しかし定規を使ってページ番号書き加えるって…丁寧な仕事っぷりだよね。
彼らは親方日の丸時代に採用され、言葉は悪いけれどもろくに研修など受けてきたことなどないのです。そう言う人を上司として立てなければいけないのはどちらにしても話しが噛み合わず、いわゆるプロトコルがないまま業務を進めねばならなくなります。
誰にとっても不幸なんだけど、だからと言って〝姥捨て山〟を作れば良いかと言えばそうではないんだよね…。実際N社はそう言う会社作ったけど、実は某有名メーカーS社も隠れた姥捨て山会社を持っていたりします。労働問題の関係から切り捨てるよりも、そう言う会社で赤字垂れ流しの方が良いとの経営判断なんだよね…。
いやー笑えないよ、実際毎日その人を相対しているとね…。
でも、最も不幸なのは、そのような親方日の丸の環境が当たり前だ、と思い込んでいる若手社員じゃないでしょうか?
我々既に若手ではなくなってきていますが、5-6年前に既に同期がその兆候にあり若干失望したりしましたよ…。
入った頃は違ったのになぁ。。。