MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



クラスメートと今日は19時半にDuomoの角のSislayの前で待ち合わせ。

今日はChampions Leagueの予選第二戦目。グラスゴーセルティックスとの対戦だ。自宅からメトロに乗ってDuomoまで向ったのだが、メトロの中に緑のユニフォーム着た奴がうじゃうじゃいた。つーかもうビックリ。学校にメトロに乗ってくるクラスメートの一人が、何かミラノじゃないみたいにグラスゴーセルティックすファンがいっぱいいたよ、とか言っていたが、ホントにいっぱいいた。とてもアウェーゲームとは思えない程だ。

そして待ち合わせていつも通り16番のトラムに乗って行ったのだが、ここにもいた。。。うじゃうじゃいる。5人や6人ではない。多分軽く2-30人トラムに乗ってきた。緑のユニ着て、ビール飲んで、おまけにトラムの中でタバコ吸ってる馬鹿モノもいる。。。当然の如く、大きな声で歌っているのである。。。

大迷惑

トラムはいつもより遥かに混んでいたのだが、何とか試合開始前にはサンシーロへ到着。我々は試合開始ギリギリに来たために、席はもうなかった。。。いや、自由席ではなかったのだが、ホーム側の2階席…こう言えば、そこがどれくらい騒がしいのか、想像できると思う。

さて、スタメンだが、およそいつも通りと言ってよいだろう。特に目新しいターンオーバーはなかった。

前半開始6分あたり、ミランがいきなり先制した。中央付近でシェバ(シェフチェンコ)がボールを奪い取り、カカにすぐパス。そしてすぐにDFラインの間を縫うようなパスでシェバにパスを出し、左足でゴールネットを揺らした。あっと言う間の得点だった。セルティックスはミランの細かいパスに対応仕切れていなかった。

その後も前半はミランがずっと攻め続けた。15分過ぎにはCKからカフー、折り返しをセードルフ、そしてピルロと渡ったりゴール前でも細かくつないでいっていたのが印象的である。更にガットゥーゾ、セードルフ、ピルロと繋ぎ、シュートで終わるシーンも垣間見られた。

一方、セルティックスであるが、22分頃であっただろうか、ミランゴールサイドから見て右45度でフリーキックを得る。これはネスタが頭でクリアし、セルティックスはCKを得る。CKはセルティックの27番(恐らくカマラだと思われる)のヘッドが大きく外れミランとしては事無きを得た。前半はその後1-2度シュートまで持っていくシーンがあったが、セルティックスとしては、ミランのとてもよくオーガナイズされた守備に攻め手を欠いていた。

前半の前半のミランは細かくパスを繋ぎ、相手を翻弄していたと言えるが、30分を過ぎたあたりからピルロのミスが目立つようになった。いや、ミスと言ってしまうと言い過ぎなのだが、パスのタイミング、ドリブルのリズム、また球離れが非常に悪く、ピルロを追い越す形での攻撃が尽く無に帰した。DFラインにボールがあるときは必ず顔を出してボールを受けに行くなど、ボランチとしての役目はとても良かったと思う。しかし、ビルドアップする時は前述のように、持ち過ぎていた為に、正直機能的とは程遠かったと思われる。

ただ、その後の時間帯はセードルフが珍しく頑張っていたり、ガットゥーゾがある意味いつも通り走り廻って相手のボールをバイタルエリアとセンターサークルの間辺りで摘み取っていたために攻撃の時間帯は続いていった。セカンドエフォート、サードエフォートとミランの攻撃は立て続けにあった。正確には分からないが、ミランのボールポゼッションは55%~60%近くに上ったのではないだろうか。

ミランは35分以降も攻め続けて何度もCKを得るが、結局この試合を通してCKからの得点は一点も無かった。37分には、左のライン際でセルティックスがファールスローを犯し、入れ替わってミランが投げ入れたスローインにシェバが敏速に反応し、2タッチでペナエリ付近まで持ち上がり左45度のあたりから強烈なシュートを放ったがGKにセーブされてしまった。

40分過ぎ以降は両チームともに雑なパスが目立った。42分には右サイドからのシェバのセンタリングにカカがゴール前でフリーとなったが、ゴールキーパーのファインセーブにあってしまい、結局前半はで1対0折り返した。

前半を通じて、ミランのDFラインには全くほころびがなかったと言えよう。ほぼ完璧に統率が取れていると言える。マルディーニが上がる事は余りなく、今日はDFラインの底でしっかりとカバーしていた。またマークの関係でマルディーニと入れ替わった場合、ネスタもマルディーニの役目をしっかりとこなしていた。GKのジーダとの連携もしっかり取れていたと思う。特に今日のミランはバイタルエリアを越す前にピルロ、ガットゥーゾがカバーに入ったりしていたし、仮にそのラインを抜けられた場合でも、いつもしっかり陣形を保っていた。

後半

後半はミランのキックオフで試合が再開された。後半はセルティックスはサポーターのいるサイドに向って攻めていたせいでもあるのか、きっちり前半の修正をしてきた。いや、正確に言うと、27番の選手に対してのボールを集めると言う決まりごとを忠実に守っていたと思う。この27番の選手、後半開始10分までに2-3本のシュートを打っていたと思う。10分までは両チームは互角か寧ろセルティックスの方がキレていたと思う。

10分から15分は両チームともこれと言って特筆するようなことはなかったのだが、セルティックスのトンプソンが肉離れでも起こしたのだろうか、いきなりボールチェースした瞬間に蹲ってしまいそのまま交代してしまった。また、15分にはサットンがガットゥーゾに対する危険なプレーでイエローカードをもらう。

20分を過ぎてからは、シェバが自分でドリブルで突き進んだり、カカとトマソンが絡んだり、またトマソン→シェバ→セードルフ→シェバと細かくつないでシュートまで持ち込むなど意欲的な姿勢を見せていたと思う。

25分過ぎから立て続けに27番にボールを集め、シュートで終わったり、CKを得たりし、徐々にミランサイドにいる時間帯が増える。後半開始からリズムが良かったセルティックスに得点が生まれる。後半28分、FKを失敗したボールがミランDFに当たりCKを得る。右サイドからのCKをVarcaがドンピシャリのタイミングで頭で決めた。

1対1

後半32分、ミランが選手を2枚変えてきた。セードルフに変わりアンブロジーニ、トマソンに変わりインザーギがピッチに入った。ただ、その後40分過ぎまでいくつかCKを得るものの、インザーギのシュートは枠を捉える事はなかった。

ここでアンチェロッティーは最後のカードを切る。43分、満を持してルイコスタが登場する。今日はお疲れ様なのか、ここ最近フル出場することが少なくなってきているのだがガットゥーゾと交代をした。その後直ぐに再びミランに歓喜が訪れる。

変わったばかりのルイコスタから右に開いたシェバにボールが渡り、サクッと中に切り込んだシェバからのボールにGKとDFが交錯するような形でぶつかり、インザーギが無人のゴールに難なくボールを運ぶ。

2対1

今日はアンチェロッティーの采配がズバリ的中したと言える。とは言え、トマソンを後半30分過ぎまで引っ張ったことには少々疑問が残る。今日のトマソンは僕の周りのミラニスタからは相当批判を浴びていたが、ある意味当たり前で、全くキレがなかった。

そして、後半はもうロスタイムに入っていたと思うが、ペナエリ真正面でFKを得たミラン。このボールを今日は終始していいところが無かったピルロが決める。セルティックとしてはボールがDFに当たってGKが逆を取られてしまうと言う不運も重なったのだが、ミランは終了間際にダメ押し追加点を決めた。

3対1

後半の分析を僕なりにすると、20-30mのロングパスが後半だけで12-3本あった。前半は3本しかなかったことを考えるとこれは明らかにフィジカルの問題だと思う。つまり、中盤の動きが落ちた事によるロングパスの多様に繋がったと思う。実際、前半、セルティックスはまだ体力的に問題なかった時間帯だったが、ミランの細かいパスに全くと言って良いほど対応できていなかったのである。ミランとしてはそのまま、パスを繋いでいくべきだったと思う。実際、後半の得点シーンが生まれた時間帯はワンタッチパスが殆どで、疲れきっていたセルティックスDFは対応しきれず、たまらずバイタルエリアでファールを犯してしまったのである。

ミランにとって、サンシーロで今シーズン初勝利になった。王者として更なる高みを求めるとすると、ミランの味でもある細かいパスの精度を上げ、もっとワンタッチパス、それも10m以内のものを多用する事を求めたい。そうすれば、今のセリエAで対応できるチームがいないことはもちろん、ヨーロッパ内で対応できるのは、今のところバルサとアーセナルくらいだと思う。また、前半あれだけ統率の取れていたDFが後半の失点シーンでは脆くも崩れ去っていた。正直、パンカロはそろそろ本当に限界が来ていると思う。事実、27番の早さには対応しきれていなかったと思う。

運悪くか運よくか、バルサとはこのグループリーグは同組に入っていてサンシーロでも10月20日に対戦する。事実上の今年の決勝になると思う。この夜はミラン、バルサともに勝利を挙げ、2チームが勝ち点6点で並んだ。事実上このチームが決勝トーナメントに上がる事は間違いない。



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コメント
 
 
 
よくも悪くもピルロ次第ですかね (目指せ博多っ子)
2004-10-03 21:12:55
ようやくビデオ観戦終了しました(笑)

ミラン前半はとても良くボールが機能していたように感じていたんですが、途中からピルロの球離れが悪くなってから、流れが悪くなったんですねー。(納得です)

なんで流れが悪くなったのか不思議だったんですが、すっきりしました。

セルティックのトンプソンに代わってジュニーニョ入ったあたりから、ミランどんどんおかしくなってきたような気がします。前半面白いようにボールが繋がったのが嘘のように、中盤でつなげる事すら、ままならなくなってましたね。

これはフィジカルの問題なんでしょうか?

セリエAでも押しまくりながら、攻め疲れて失点するという展開が多いのが気になります。

攻撃に手数をかけているので、みている我々としては面白いですが、やはり研究もされているので、スピードのギアチェンジというか攻撃に工夫というかシンプルな攻撃が必要かもしれないと感じました。しかし、流石はインザーギでしたね。(笑)

加えてアンチェロッティ采配、素晴らしかったですね。

あのルイ・コスタのシェバへのダイレクトパスも効いていましたね(笑)



あの際どい展開の試合を生で見れるなんて羨ましいですね試合結果を見る限り完勝かと思っていただけに、接戦に結果を知らなければ手に汗を握るような展開だったでしょうね。勝利おめでとうございます!
 
 
 
ありがとうございます (KEN@Milano)
2004-10-04 02:00:40
明らかに後半ロングパスを多用していたので、戦術的なものを前後半で変えてきたのかと思います。



でなければ明らかにパスワークについて来れなかったセルティックスに失点されることはないと思うんですよねぇ。。



ルイコスタは効いていたのですが、やはりピルロの動きが悪かったために連携がなってなかったですよ。。去年、ピルロは余りにも良かったために、今年はパッとしないように思えて仕方ないですねぇ。やはりオリンピックの影響なんですかねぇ。。ガットゥーゾも同じような状態だと思います。開幕前後のアズーリに呼ばれてから調子悪いですよ、実際…



僕はセードルフは嫌いなのですが(苦笑)この試合に限って言えば頑張っていたと思います。



インザーギは、往年の武田みたいでしたねぇ。。まさにごっちゃんゴール(笑)嗅覚するどいですよ。

 
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