町内のごみ置き場に朝生ゴミなどを捨てに向かった。
ゆっくり歩き、十字路で右折しようとしたら、左から来る奥さんと出会う。
「おはようございます」
一瞬元気な声をかけられる。すかさず私も負けないくらいに挨拶を返す。すがすがしい朝のひと時。
そしてときたま会うご高齢の男の人に次に会った。
今度は私の方から「おはようございます」とかける。やっぱり挨拶はいいなと思う。
「さっきの女の人、自分の方から声かけてきたの?」と聞かれる。その通りと答えると、彼は不思議がっていた。「俺には絶対挨拶しない。俺が挨拶しないかぎりは向こうからは言ってこないんだよな」。ほんとうに彼は、その奥さんが私に先に挨拶しかけたのを不思議がっている。
私がいつもいつもほんとうは私の方から挨拶しているのを彼はどうやら知らないらしい。だからその奥さんは、今朝は自分から先に私に気がついて、朝の挨拶を元気にしてくれたのだと思う。ありがたいことだと今さらながら気付く。
ほんとうにすがすがしい、梅雨の間近な朝のひと時であった。夏はもうそこまで近付いてきているのが、気候だけでなく言葉からもひしと感じられた。
「つれづれ(153)挨拶でひらける近所の和」