■ヴォルフスブルク ウエストの曲面ミラーを試す(空冷VW・T-II `75 左)

　うちのフォルクスワーゲン・タイプ2(マダナイ)はオーストラリア生産の右ハンドル仕様ですが、常々、左側のミラーが見づらくて難儀していました。

　何がよろしくないかというと、車両全体のバランスからは具合のいいミラーデザイン(エクステリア)なのですが、縦方向には長いものの今のクルマのように横方向にはあまり延びていません。これが特にサイド方向への視認性を落とす事となり、ミラーを使っての左後方の情報を得るには頭部(眼の位置)を積極的に変えてやる必要がありました。

　たまに今のクルマに乗るとこの点は、横方向に長いデザインに加え外側のみ曲面を使った合わせ鏡になっているので、すこぶる調子がいいです。なんてったて横方向に立派に長いミラーなのに、バック時は外側に電気モーターで移動するクルマもあるぐらいですから、通常位置でさらに横方向が短いミラーはとにかく視認性の点で不便だし危ないです。

　今のクルマに乗る度に感じていたこの不満は、しかし、ある時にVW関連のパーツショップを見ていたら(WEB)、妙案がありそうでした。それが今回紹介する曲面ミラーです。同様に感じているユーザーは多かったようで、出所不明のものだったり(なんと曲面率が3種類から選べる！)、リプロ品を精力的にリリースするメーカーから純正ライクなものが発売されるようになりました(結構、ここ最近)。

　不便不便とは感じていたものの、片側で1万円近くする商品なので購入を控えていたのですが、ムカつく事に消費税がアップするようなのでその駆け込みで、とうとう購入を決意。導入に至りました。

　さてさて、実際はどうでしょうか？　写真を使いながら解説していきます。


これがリプロ品の曲面ミラーです。有難い事に左側もある。電線が僅かだが歪んでいるのかお分かりか？


整然と陳列されたBOXを写してみると、どう？　湾曲している感じが伝わるか？


STD(左)との対比。マダナイの天井のシワが本来は直線だが曲面(右)は曲がって見える。

　同じ条件では写せなかったのですが、実際に装着して何となく運転席からどのように見えるのか、並べてみます。


大分、湾曲して広い範囲を写しとっているのが分かると思う。

　さて、この状態で何度か昼夜と運転をして、実際の感触を確認してみました。すると、

悪いところ
・左側面が歪むので左側への正確な幅寄せなどはかなり難しくなる
・バック時も同じで左側いっぱいギリギリに駐車する時などはSTDに軍配上がる
・情報量は増えるが代わりに精度が落ちるので、何らかの理由で左側面に相当な正確さを求める人には向いていない

良いところ
・頭部を積極的に動かさなくても左側後方の情報が多く得られるようになった
・左折時に巻き込みの危険性が格段に減った
・同様に、左折時に左側ボディと何か対象物との位置関係（空き）が把握しやすくなった
・左への車線変更が格段にやりやすくなった

　のように、正確さはスポイルされるが概ね、安全な運転という面においては貢献度は高いと思われます。結論としては交換して吉でしたね。

　というか、STDを使っているバスユーザーは全員、この曲面ミラーに今すぐ変えるべきです。仕上がりも今のところ合格だし、安全性は飛躍的に向上します。

　ぼくが買ったお店では8,900円(税込)ですが、超オススメです！

やかん