本作は、模型復帰62作目の物となります。
そもそも、blogに製作模型をUPするのも久しぶりなのですが、まあ色々と印象深かったもので。
まず本KITとの出会いのきっかけは、「たまにはロシア戦車も作ってみたい」、「でも、静物は相変わらず嫌」というところから始まり、またもやネットの海を漂いながら、当時の販売価格からしたら信じられない値段で、なんとか入手をしました。
それで、こいつは自分が大好きなリモコン戦車ではなく、「シングルモータライズ」というジャンルの物になるそうです。メーカーは、タミヤ製。まあ戦車はうまい会社なので安全だろう、と踏んで入札したのですが。
とんでもない罠が待ち構えていました……。すさまじい地獄を味わうことになったのですよ。この後。
それというのも、本KITのギヤBOXは、歯車が樹脂で出来ていて、タミヤ初期に見られた金属製ではありませんでした。そして、この製品の製造年が1974年。
うちのクルマよりも1年古く、まあもちろん自分は生まれていません。
別売で指定されたRE-26モーターは、後継機が発売されているのは事前に確認済みであったので、戦車KIT自体が手元に来てから現行のモーターを発注。手元に揃ったところで、通電&可動TESTを実施しました。
コイツを作るにあたって、色々と揃えたよ。フィギュア付きだったしね。
すると、必然なのかもしれませんが、数分回していたらおかしな音がして、モーターが空回りするようになりました。見ると、ファイナルに繋がる途中のギヤ板が破損していました。
この状態の時は、まだ元気に動いてたんだ。
経年劣化ですね。当時の樹脂の出来栄えは解かりませんが、この後、最終段のギヤも破損が確認され、モーターライズなのに動かない、という状況に陥りました。
スプロケットホイールは当初から空転する予感がしてたので、ボンド固定とした。
シャーシに組んで「いざ」、と回転テストをしていたら、いきなりギヤ板破損……。
昔のプラモデルはこうやって接着固定が必要だったんだぜ。
さあ、困ったのが製造年です。試しにタミヤに問い合わせたところ、この商品のギヤBOXはタミヤでもさすがにもう保有しておらず、市場に出回っている何かしらのギヤ板か、今まで自分が作ってきて、やはり経年劣化でダメになった他社のギヤBOXから同じギヤ板を探すしかなくなりました。
しかし、残念ながらまず、死蔵している部品取りギヤBOXには同寸のギヤ板はなく、その後、市場に流通しているギヤ板を見に行ったのですが、こちらもNG。丁数は一緒なのですが径が合わないのです。
今まで数多くリモコン戦車を作り、やはりギヤ板のオシャカが原因で死蔵となった物が多く、それに期待をしたのだが。
↘先が、ダメになったギヤ板。
現在、手に入りやすいギヤはこの2種類ぐらいしか発見できなかった。
そして色々と探していたら遭遇したのが、玩具補修用として大量の異種ギヤが1パッケージに収まっている中華製のITEM。その数、なんと58個。
さすがにこれだけ数が入っていれば1つぐらい同じ物に出会えるだろう、と期待して発注をしました。ただ、こちらが中国郵政の便で発送されたのですが、とにかく時間が掛かる。
その間にホイール周りとボディ・砲塔などは完成させてしまったので、とにかく中華製ギヤの到着が待ち遠しい。更に、その中に該当のギヤ板がないかもしれないので、そうするとまた別の業者のパッケージを頼まなければならず、ひたすら焦れる日々を送りました。
待ち時間、ただひたすらにロードホイールを組み立てる。
ようやく組み上がってもスプロケットホイールが回らないので、履帯テストも出来やしない。
ボディも載せてみたけど虚しいだけ。
そうして数週間、待ちに待ったギヤの塊が手元に到着しました。
見てください、この数と種類。可能性に胸躍ります。
中華から届いたギヤの数々。ピンク色に入っているのがダメになったギヤ板。
まず、外見で似た物をはじき出し、ひとつひとつ丁数と径を確認していきます。すると、あったじゃないですか! やりました!!
なんとか同じのがあったよ。
ただ、これはギヤ板が破損している状態でもシャーシを組み、履帯を嵌めてみて解かっていたのが、このKIT、履帯の張り具合がパンパンでないと模型として具合が悪い、という状況がありました。
それはなにか? というと、このT-34/76(1942年型)は、最近のタミヤのシングルモータライズKITにも付いている、ホイールベース長を僅かに変えられる機構が付いていて、履帯の貼りを調整できるようになっていました。
フロント側はこの箇所でシャフト位置が前後出来る。
ノーマルの位置だと履帯がパンパンになるのでやや距離を短くして緩めたいところなのですが、まずアイドラーホイールを手前に調整するとロードホイールにぶつかるようになっています。当然、実車としてはおかしいですよね。
赤線の間隔が詰まってしまうので、結果的にロードホイールがぶつかることになる。
同じく、ほんの僅かだけ変えられるスプロケットホイールの位置を中心に近づけると、シャーシとドライブシャフトの位置が造形的におかしくなります。
ギヤBOXも僅かに前後に移動が出来るのだ。
つまり、ホイールベース長を僅かに変えられる機構が付いていながら、パンパンに張ってしまう履帯を無理なく回そうとすると、史実的にはおかしくなるKITだったのです。タミヤらしからぬ設計です。
見た目はすんごくソビエト戦車の履帯デザインを忠実に再現しているんだけど、全長の設計におかしな点があった残念品。
そして、この「実車に忠実に」を堅持しようとすると、ギヤBOXに収められている各ギヤ板には相当な負担が掛かり、今回、中華から取り寄せたギヤ板も、各シャフトと空回りする可能性が出てきました。ギヤ板にシャフトを挿してみると割かしすんなりと入るからなのです。
それぞれの径がぴったし過ぎるの。
履帯から掛けられる負荷に耐えるには、ここはキツキツでないといけません。
さらにトラブルはまだ続き、同じく割れてしまったファイナルギヤもパッケージの中から同じ丁数と径の物を探し出せたのですが、今度、こちらは内径が細い。タミヤのギヤBOXのドライブシャフトはかなり太く、中華製ギヤの孔を慎重に開口してやる必要が出ました。
こっちのギヤも破損。幸いに中華製に似たのが入っていたんだけど。
しかも困ったことに、手持ちのドリルはドライブシャフト径とまったく同じで、真っ直ぐ正確に開口できたものの、やはりもう1個のギヤ板同様、シャフトにキツく入りません。ここは1番負荷の掛かるところなので、不安しかありません。
まあとにかく、1度組んで回してみないことには解からないので、慎重にシャフトに通したり各ギヤにグリスアップを施したりして、パンパンの履帯を嵌めてスイッチを入れてみました。
はい、案の定、ファイナルギヤがドライブシャフト上で空転しています。その手前の破損して中華製に交換したギヤ板も、たまにシャフトから脱落します。履帯がどうやっても短過ぎるのです。
やっぱりギヤとシャフト間は緩い。
ああ、困りました。
初っ端は、瞬着に望みを託しましたが、実車に基づいたホイールベースにしたT-34/76に付属する履帯はあまりに短く、瞬着如きの拘束力ではギヤとシャフトを繋ぎ留められません。
そこで、破損したギヤ板のところは隙間がほとんどなくこの工作はできなかったのですが、ファイナルギヤのところが隙間がかなりあり、ベビーパウダーと瞬着を混ぜ合わせてさらに強力な接着剤にする技を使いました。
秘策発動。
これは、ガンプラで覚えたテクニックなんですね。ベビーパウダーを使うことで、それまでは少ない面積での液体のみの接着であったのが、広い面積をパテのような効果も含めながらギヤとシャフトを繋ぐことができ、この工作をすることでようやくファイナルギヤの空回りは止まりました。
Finalギヤだけベビーパウダーが使えた。
ところがです、このKITはまだまだトラブルが止まりません。ある作業の副産物であったのですが、このタミヤいわく「プラスチック」である履帯は熱を加えることで微妙に伸びることを発見し、それでは、とホイールに嵌めた状態で更に炙ってみると何か所か変形をしてしまいました。
履帯はKIT入手時点でおかしな癖が付いていたので、事前に修正を試みた。
加えて、丁寧にハンダこてで焼き止めしたのだが。
当然、ギヤで回転するスプロケットホイールはなんとか動くようにはなったのですが、おかしく縮れてしまったりした履帯は、当然、模型としてはまったく美しくない。今度は、タミヤに履帯の在庫を問い合わせる羽目になりました。
【どうにかこうにか動いている2本】
ソビエト連邦軍T-34/76戦車・タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale
幸いに、こちらはギヤBOXと違いタミヤに在庫があったのですが、またも発注してから待てど暮らせど届きません。ようやく「お届けでーす」の声と共に手元に新品の履帯が来て、ホイールに嵌めてみました。
届いた新品の履帯。
あまり期待はしていなかったのですが、やはりスプロケットホイールはうんともすんとも言いません。新品で硬めなのか。おかしな硬化はしていないと思うのですが、とにかくこのシリーズは設計に大きなミスがあるのだと思います。
相当な負荷が掛かるのに、ギヤもすべて樹脂製ですし。
ということで次に取った策は、「この履帯は温めると微妙~に緩くなる」発見があったので、ホイールにパンパンに張った状態でクルマのダッシュボードに置いて熱射してみました。別の方法で熱を加えた時は縮れたりのトラブルがあったので、自然光でそうっと伸ばせば綺麗に緩むのでは? と期待してのことです。
そうしたら、今度はその「新品プラスチック製履帯」が切れました。左右2本とも。貼り具合がキツ過ぎる設計もあるのですが、履帯の出来も「……」な具合です。説明書には、「切れた場合、黒糸で縫うかホッチキスで留めてください」という記述があったことから、ホッチキスで留めました。
その後、今度は熱で少し緩んだので実際にホイールを回しながら伸ばしていたら、左右ともまた新しいところが切れました。
まあ、この「プラスチック製」履帯がブチブチ切れること。
結局、つぎはぎだらけになったことで履帯長が伸び、まあギリギリ、スプロケットホイールはモーターの力で回るようになりました。
【継ぎ接ぎの履帯でこんな動き】
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale 走行3
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale 走行4
が、見せ方を間違えると履帯のホッチキスがバリバリ目立ちます。結果的に、走りもかなりイマイチで、安心・安定のタミヤ製を買ったつもりが、とんでもない目に遭いました。
もともと、2モーターのリモコン戦車が好きだというのもありますが、ギヤが樹脂製のシングルモータライズはもう2度と手を出しません。大っ嫌いになりました。
実は自宅には、現行品シングルモータライズのB1bisがあります。こっちも不安ですねー。まだ部品は手に入るでしょうが、ギヤは樹脂製です。しかもBOX構造だし。
結構、タミヤに不審を抱くKITでした。残念。
やかん
そもそも、blogに製作模型をUPするのも久しぶりなのですが、まあ色々と印象深かったもので。
まず本KITとの出会いのきっかけは、「たまにはロシア戦車も作ってみたい」、「でも、静物は相変わらず嫌」というところから始まり、またもやネットの海を漂いながら、当時の販売価格からしたら信じられない値段で、なんとか入手をしました。
それで、こいつは自分が大好きなリモコン戦車ではなく、「シングルモータライズ」というジャンルの物になるそうです。メーカーは、タミヤ製。まあ戦車はうまい会社なので安全だろう、と踏んで入札したのですが。
とんでもない罠が待ち構えていました……。すさまじい地獄を味わうことになったのですよ。この後。
それというのも、本KITのギヤBOXは、歯車が樹脂で出来ていて、タミヤ初期に見られた金属製ではありませんでした。そして、この製品の製造年が1974年。
うちのクルマよりも1年古く、まあもちろん自分は生まれていません。
別売で指定されたRE-26モーターは、後継機が発売されているのは事前に確認済みであったので、戦車KIT自体が手元に来てから現行のモーターを発注。手元に揃ったところで、通電&可動TESTを実施しました。
コイツを作るにあたって、色々と揃えたよ。フィギュア付きだったしね。
すると、必然なのかもしれませんが、数分回していたらおかしな音がして、モーターが空回りするようになりました。見ると、ファイナルに繋がる途中のギヤ板が破損していました。
この状態の時は、まだ元気に動いてたんだ。
経年劣化ですね。当時の樹脂の出来栄えは解かりませんが、この後、最終段のギヤも破損が確認され、モーターライズなのに動かない、という状況に陥りました。
スプロケットホイールは当初から空転する予感がしてたので、ボンド固定とした。
シャーシに組んで「いざ」、と回転テストをしていたら、いきなりギヤ板破損……。
昔のプラモデルはこうやって接着固定が必要だったんだぜ。
さあ、困ったのが製造年です。試しにタミヤに問い合わせたところ、この商品のギヤBOXはタミヤでもさすがにもう保有しておらず、市場に出回っている何かしらのギヤ板か、今まで自分が作ってきて、やはり経年劣化でダメになった他社のギヤBOXから同じギヤ板を探すしかなくなりました。
しかし、残念ながらまず、死蔵している部品取りギヤBOXには同寸のギヤ板はなく、その後、市場に流通しているギヤ板を見に行ったのですが、こちらもNG。丁数は一緒なのですが径が合わないのです。
今まで数多くリモコン戦車を作り、やはりギヤ板のオシャカが原因で死蔵となった物が多く、それに期待をしたのだが。
↘先が、ダメになったギヤ板。
現在、手に入りやすいギヤはこの2種類ぐらいしか発見できなかった。
そして色々と探していたら遭遇したのが、玩具補修用として大量の異種ギヤが1パッケージに収まっている中華製のITEM。その数、なんと58個。
さすがにこれだけ数が入っていれば1つぐらい同じ物に出会えるだろう、と期待して発注をしました。ただ、こちらが中国郵政の便で発送されたのですが、とにかく時間が掛かる。
その間にホイール周りとボディ・砲塔などは完成させてしまったので、とにかく中華製ギヤの到着が待ち遠しい。更に、その中に該当のギヤ板がないかもしれないので、そうするとまた別の業者のパッケージを頼まなければならず、ひたすら焦れる日々を送りました。
待ち時間、ただひたすらにロードホイールを組み立てる。
ようやく組み上がってもスプロケットホイールが回らないので、履帯テストも出来やしない。
ボディも載せてみたけど虚しいだけ。
そうして数週間、待ちに待ったギヤの塊が手元に到着しました。
見てください、この数と種類。可能性に胸躍ります。
中華から届いたギヤの数々。ピンク色に入っているのがダメになったギヤ板。
まず、外見で似た物をはじき出し、ひとつひとつ丁数と径を確認していきます。すると、あったじゃないですか! やりました!!
なんとか同じのがあったよ。
ただ、これはギヤ板が破損している状態でもシャーシを組み、履帯を嵌めてみて解かっていたのが、このKIT、履帯の張り具合がパンパンでないと模型として具合が悪い、という状況がありました。
それはなにか? というと、このT-34/76(1942年型)は、最近のタミヤのシングルモータライズKITにも付いている、ホイールベース長を僅かに変えられる機構が付いていて、履帯の貼りを調整できるようになっていました。
フロント側はこの箇所でシャフト位置が前後出来る。
ノーマルの位置だと履帯がパンパンになるのでやや距離を短くして緩めたいところなのですが、まずアイドラーホイールを手前に調整するとロードホイールにぶつかるようになっています。当然、実車としてはおかしいですよね。
赤線の間隔が詰まってしまうので、結果的にロードホイールがぶつかることになる。
同じく、ほんの僅かだけ変えられるスプロケットホイールの位置を中心に近づけると、シャーシとドライブシャフトの位置が造形的におかしくなります。
ギヤBOXも僅かに前後に移動が出来るのだ。
つまり、ホイールベース長を僅かに変えられる機構が付いていながら、パンパンに張ってしまう履帯を無理なく回そうとすると、史実的にはおかしくなるKITだったのです。タミヤらしからぬ設計です。
見た目はすんごくソビエト戦車の履帯デザインを忠実に再現しているんだけど、全長の設計におかしな点があった残念品。
そして、この「実車に忠実に」を堅持しようとすると、ギヤBOXに収められている各ギヤ板には相当な負担が掛かり、今回、中華から取り寄せたギヤ板も、各シャフトと空回りする可能性が出てきました。ギヤ板にシャフトを挿してみると割かしすんなりと入るからなのです。
それぞれの径がぴったし過ぎるの。
履帯から掛けられる負荷に耐えるには、ここはキツキツでないといけません。
さらにトラブルはまだ続き、同じく割れてしまったファイナルギヤもパッケージの中から同じ丁数と径の物を探し出せたのですが、今度、こちらは内径が細い。タミヤのギヤBOXのドライブシャフトはかなり太く、中華製ギヤの孔を慎重に開口してやる必要が出ました。
こっちのギヤも破損。幸いに中華製に似たのが入っていたんだけど。
しかも困ったことに、手持ちのドリルはドライブシャフト径とまったく同じで、真っ直ぐ正確に開口できたものの、やはりもう1個のギヤ板同様、シャフトにキツく入りません。ここは1番負荷の掛かるところなので、不安しかありません。
まあとにかく、1度組んで回してみないことには解からないので、慎重にシャフトに通したり各ギヤにグリスアップを施したりして、パンパンの履帯を嵌めてスイッチを入れてみました。
はい、案の定、ファイナルギヤがドライブシャフト上で空転しています。その手前の破損して中華製に交換したギヤ板も、たまにシャフトから脱落します。履帯がどうやっても短過ぎるのです。
やっぱりギヤとシャフト間は緩い。
ああ、困りました。
初っ端は、瞬着に望みを託しましたが、実車に基づいたホイールベースにしたT-34/76に付属する履帯はあまりに短く、瞬着如きの拘束力ではギヤとシャフトを繋ぎ留められません。
そこで、破損したギヤ板のところは隙間がほとんどなくこの工作はできなかったのですが、ファイナルギヤのところが隙間がかなりあり、ベビーパウダーと瞬着を混ぜ合わせてさらに強力な接着剤にする技を使いました。
秘策発動。
これは、ガンプラで覚えたテクニックなんですね。ベビーパウダーを使うことで、それまでは少ない面積での液体のみの接着であったのが、広い面積をパテのような効果も含めながらギヤとシャフトを繋ぐことができ、この工作をすることでようやくファイナルギヤの空回りは止まりました。
Finalギヤだけベビーパウダーが使えた。
ところがです、このKITはまだまだトラブルが止まりません。ある作業の副産物であったのですが、このタミヤいわく「プラスチック」である履帯は熱を加えることで微妙に伸びることを発見し、それでは、とホイールに嵌めた状態で更に炙ってみると何か所か変形をしてしまいました。
履帯はKIT入手時点でおかしな癖が付いていたので、事前に修正を試みた。
加えて、丁寧にハンダこてで焼き止めしたのだが。
当然、ギヤで回転するスプロケットホイールはなんとか動くようにはなったのですが、おかしく縮れてしまったりした履帯は、当然、模型としてはまったく美しくない。今度は、タミヤに履帯の在庫を問い合わせる羽目になりました。
【どうにかこうにか動いている2本】
ソビエト連邦軍T-34/76戦車・タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale
幸いに、こちらはギヤBOXと違いタミヤに在庫があったのですが、またも発注してから待てど暮らせど届きません。ようやく「お届けでーす」の声と共に手元に新品の履帯が来て、ホイールに嵌めてみました。
届いた新品の履帯。
あまり期待はしていなかったのですが、やはりスプロケットホイールはうんともすんとも言いません。新品で硬めなのか。おかしな硬化はしていないと思うのですが、とにかくこのシリーズは設計に大きなミスがあるのだと思います。
相当な負荷が掛かるのに、ギヤもすべて樹脂製ですし。
ということで次に取った策は、「この履帯は温めると微妙~に緩くなる」発見があったので、ホイールにパンパンに張った状態でクルマのダッシュボードに置いて熱射してみました。別の方法で熱を加えた時は縮れたりのトラブルがあったので、自然光でそうっと伸ばせば綺麗に緩むのでは? と期待してのことです。
そうしたら、今度はその「新品プラスチック製履帯」が切れました。左右2本とも。貼り具合がキツ過ぎる設計もあるのですが、履帯の出来も「……」な具合です。説明書には、「切れた場合、黒糸で縫うかホッチキスで留めてください」という記述があったことから、ホッチキスで留めました。
その後、今度は熱で少し緩んだので実際にホイールを回しながら伸ばしていたら、左右ともまた新しいところが切れました。
まあ、この「プラスチック製」履帯がブチブチ切れること。
結局、つぎはぎだらけになったことで履帯長が伸び、まあギリギリ、スプロケットホイールはモーターの力で回るようになりました。
【継ぎ接ぎの履帯でこんな動き】
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale 走行3
ソビエト連邦軍(ВС СССР)T-34/76戦車 タミヤ製シングルモータライズ 1/35scale 走行4
が、見せ方を間違えると履帯のホッチキスがバリバリ目立ちます。結果的に、走りもかなりイマイチで、安心・安定のタミヤ製を買ったつもりが、とんでもない目に遭いました。
もともと、2モーターのリモコン戦車が好きだというのもありますが、ギヤが樹脂製のシングルモータライズはもう2度と手を出しません。大っ嫌いになりました。
実は自宅には、現行品シングルモータライズのB1bisがあります。こっちも不安ですねー。まだ部品は手に入るでしょうが、ギヤは樹脂製です。しかもBOX構造だし。
結構、タミヤに不審を抱くKITでした。残念。
やかん