カサカサの感想ハダで備忘を保てるか

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エビフライと日本人

2009-03-06 23:46:59 | 研究と教育
今日は起床が遅かった(いつも遅いが・・・)ので朝食のような昼食になった。その結果、夜の塾講師の仕事あとにはかなりの空腹である。いつもなら遅くなっても帰宅してからとる夕食を今日は帰宅前に外食した。

駅に隣接するショッピングモール内のうどん・そばの店を選び入店。小ぶりの天そば、かやくご飯、小皿料理のセットを注文した。天そばが小ぶりだったことには現物がきてから気づき、かやくご飯は椀の半分くらいしか盛ってない。見本の写真よりも相当にボリュームが小さい。同じサイズのうどん・そば付でカツ丼セット、天丼セットも同じ値段。親子丼セットは100円安い。かやくご飯・ざるそば・小鉢のざるそばセットは200円安い。完全に損した気分である。

しかし何食わぬ顔で(セットを食うのであるが・・・)「うむ、それでよし」とばかりに紳士的に食べて見せるのが小市民の美学であろう。

その小ぶりの天そばに乗っていた海老天を食べるとき、尻尾に何気なく目がいった。少し切込みがしてある。いわゆる飾り包丁というやつだが、おそらく厳密には「飾りキッチンバサミ」であろう。

外食産業が大量に仕入れる海老天の海老は、多くが中国や東南アジア、おそらくインドネシアやタイ辺りから冷凍で輸入されているのではないかと推測する。

子どもの頃、中学生くらいだったも知れないが、テレビで見た映像を思い出した。タイの産業について紹介されていたのだが、タイで獲れる海老のほとんどは日本へ輸出されるとか何とかのナレーションに合わせて、揚げればよいまでの状態にまで加工する工場の様子が映像で流れていた。

パン粉までの衣をつけてパッケージングして冷凍する、という行程に一手間が加わる。衣をつけ終わった行程で、きれいに「エビフライ前」をトレーに並べ、熱した油に尻尾の部分だけ浸けて赤くするのである。こうすることで、商品はよりエビフライらしく見えるので売れ行きが良いのだという。

エビフライの尻尾が赤いのは海老をフライにした(熱を加えた)からであって、もともと赤いのではない。海老だけを買ってきて衣を自前で準備したとき、揚げる前の白いパン粉を塗しただけの状態なら、海老の尻尾は概ね茶色い。冷凍食品の「エビフライ前」は尻尾が赤い。自然の成り行きではない。

前述のように冷凍エビフライは日本人向け商品であるから、日本人は赤い尻尾の「エビフライ前」を見てエビフライ気分になるということである。

もう20年から前のテレビ番組なので今の「エビフライ前」がどうなのか知らないが(冷凍フライものは買わないので)、そういえば一時期、魚の絵を小さな子に描かせたら、切る前の刺身用ブロック身の絵を描いたというので世間で物議を醸したのも似たような時期だった気がしないではない。

ということであれば、親自体が食材と食品の有機的連関性に乏しい日本人になってしまっていたということである。

この時期くらいから「飽食の時代」と呼ばれるようになったことも看過してはなるまい。






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2 コメント

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深い・・ (三毛猫)
2009-03-07 07:12:29
ものすごく勉強になる記事です。冷凍のエビフライは買ったことがないので(高いから)知りませんでしたが、なるほどです!!さすがやきめしさん(^_^)

でも注文した定食が思ったより貧相だったので色々と難癖つけてるだけのようにも見えるのは私の勘違いでしょうか?(爆)
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難癖 (やきめし)
2009-03-08 14:10:18
>三毛猫さん
コメントありがとうございます。
定食に難癖をつけているように見せかけて本題への導入を述べてみたつもりです(・・・? 笑)
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