【東洋占術の世界】
③陰陽五行思想とは
2、「五行説」とは
続いて五行の部分を見ていく。因みにこの部分で自然信仰の発生も見えてくる。
下図は五行を表したもの。
上から木、火、土、金、水(もっかどこんすい)と呼ぶ。
これらは地上にある目に見える全ての自然エネルギーである。風は目に見えず、電気はまだ発見されていない。
古代人は現代人とは違い、自然と密接な関係であった。農耕民族ゆえに、自然の変化は身を危めるもっともの要因であったに違いない。
古代人は何とかして神の意思を知りたいと願った。真意を知るためにはまず、自然を観察し、見定めなければならない。
時を経て、目に写る全ての自然界を眺めた時、存在する自然の万物には規則性があることに気づくのだ。
上図は矢印方向に生じていく。
木は擦り付けるなどして火を生み、
火は灰となり土に蒔かれ、
土を掘ると金(鉱物)が出てきて、
金、(岩石、鉱物)から水は生まれ、
(後付けのような気もするが、科学的にも岩石や金属鉄は水とかなり結びつきが強い性質のようで、切っても切り離せない関係性らしい)
太古、山々で暮らしていた人々は岩間や岩の亀裂から水が流れている様子を眺めていた事だろう。岩は自然に割れ、そのすき間は水の通り道になる。
また、金属の表面に水滴が出て結露する状態ともいえる。冬の窓ガラスに落書きをした事がある人ならわかる感覚だろう。
水は木を潤し成長させる。
これらは生ずる関係となり、算命学では「相生の関係」という。
自然界では、木のマッチ棒が火を生み、火が灰となり灰は肥料として土化する。鉱山の岩石含む土壌から金は取れる。
また土壌から石を取り、加工して鉄製の刀などの金属製品を生む。
鉄を含む金属の水道管から水は出てくる。また、水は地層を通って組み上げられ、硬い通り道を必要とする。
草木には水やりをして枯らさないようにする。
相生関係にはいくつかの諸説があるが、自然が循環するというより、自然の流れといったほうがいい気がする・・・
循環なのだとしたら、水は金属から発生する事になってしまう。実際地球創生の頃、水は岩石から生じたという説があるらしいから間違ってはいないのだが、生きている地上では循環はしていない。
しかし目に見える限り、古代人が捉えた自然の流れは、五行となって表されたのだ。
あくまで目に見える世界で、人間の意思、人為的な作動がないところで、木の枝が摩擦されたか否か自然発火して
人間はその火を起こすことを習得し、絶やさずに大切にしていたのだろう。古代人にとって火は寒さを凌いでくれたり、闇夜を照らしてくれる大事な道具であったはずだ。
山で遭難して飢餓状態の時、岩や崖から出てくる湧き水がどれだけ貴重だっただろうか。もののけ姫で、アシタカが途中湧き水で腕の呪いを清めるシーンがあるが、その水も岩から噴き出している。
古代人の生活の中で見える自然の流れこそ、五行説の真髄なのだ。
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