東洋占術の世界観

心が空っぽになってしまった誰かが、ここに心を置くことが出来たなら
それ以上に嬉しいことなどない。

【東洋占術の世界】天中殺について

2023-06-04 19:15:17 | 日記

【東洋占術の世界】番外編

★天中殺について

まだ勉強中の身である自称陰陽師の私だが、仲の良い友人たちから最近相談を頂くようになり、勉強した成果を随所で発揮できるのでとても有り難い限りです。

知り合いの数名が来年から天中殺期間に入る事もあり、軽く天中殺についてまとめたい

、の・・だが・・・

未だ最も重要な算命学体系の中の、天中殺の項目までたどり着けておらず・・・

国会図書館にて体系の一巻から著作権の範囲内でコピーしながら勉強し続けているのだが、古い本なので文体がかなり難しく、読むのに時間がかかる。

中心が玉堂星の私としては、悠久の時を経て多く賢人たちが遺したこの学問を、正式に習得せず、自身で改良して誰かに伝えるのはひどく道を逸れたような思いに駆られてしまう。

算命学体系はそれほど価値のある文書であり、それを抜いて説明するというのは、基本の足し算引き算を習得せずに連立方程式を説明するといったような感じだろうか。。。

しかし私は一昨年まで二年間ほど接木運中の天中殺期間(辛い時期の重なり)でして、それはそれは本当に苦しい日々を過ごしたのだ、、

その経験は嘘ではないので、経験として語ることくらいは大丈夫だろうか・・・。

天中殺中は不安定な所為もあってか、その時期に始めた交際や結婚、仕事などはうまくまとまらないとされるが、

私も天中殺中に育んだ友情や愛情は年が明ける前にもろとも崩れ、仕事の面でも人間関係でも、ことごとく破壊現象が起きた。

たかが占い、されど、人の道を簡単に変える事ができてしまう見えない力なので、、やはり、天中殺については特に慎重にまとめたい。

前置きが長くなったが、私の二年間の経験談と未だ少ない知識を惜しげもなく搾り取っていきたい。

 

★天中殺とは?

…天に殺すと書く禍々しいこの響き。四柱推命では“空亡“と称する。どちらにしても、天(神)が無いという意味になる。きっと古代人は、天中殺があまりに絶望的な時期の為か、神などいない!と思ったのだろう。

一言で天中殺を語ることは難しいが、簡単に言えば『無』である。

本来ならばあるはずの天と地、ここからここまでといった枠がなく、まるで宇宙空間を漂っているかのよう。

陰陽とはこの世のエントロピーの流れのリズムであり、吸って吐いての呼吸や、寄せては返す波のように、必ず静と動があることを指すが、

自然も永遠に寒期といったことはなく、万物は諸行無常に陰陽を繰り返していいく。

時間とは変化であり、陰陽もまた、変化そのものである。

天中殺とはいわば破壊の時期でもあり、再生を促すための破壊の時期とも例える事ができる。

天中殺という概念が生み出されたのは、基礎である十干と十二支を算出した60干支の余りの部分を『空(無)』とみなしたのであるが

60干支の部分の説明はやはり算命学大系を必要とする為、説明は割愛する。

下図は運勢のバイオリズムを植物の成長過程に表した。

ちょうど天中殺の部分は、11番目と12番目の植物が枯れてまるで冬眠のように停止している箇所に相当する。

これまでの10年間のツケの時期であり、これからの10年間を作る軌道修正の時期とも言える。

植物にも生と死があるように、人間の人生にも破壊がなければ再生もない。

よく天中殺は悪い事が起きると言われていて、細木数子は大殺界の時期に“あんた死ぬよ“みたいなことを言っていたが、、

相当馬鹿げているとしか言いようがない。

天中殺の意味を知れば、天中殺=悪とはならないはずなのだ。

私が思うに天中殺の時期とは“失敗すべき時期“なのだと思う。決して悪い時期なのではなく、人生においてある意味で機転となる必要な時期なのだ。

道教的に考えるならば、本来人間には行くべき道が自然と用意されているはずだ。相対性理論的に考えたら、もう自分の人生は決まっているのだ。

しかし、果たして多くの人はその『行くべき道』に気づいているのだろうか。

行くべき道を逸れている人は、天中殺期間に破壊現象が起きるかも知れない。

『道』とは『縁』であり、縁がなければどんなに想っていようが道は開けないが、

多種多様な人々のいる中で、生まれ持った才能(良い悪い関係なく)をどこまで出し切れるのか、どうやったら活かせるか、何に縁があるのかなどは、何度も試さなければ道は見えてこない。トライアンドエラーだ。

本当はやりたい事などないのに、周りがこうしてるから、楽しそうだから、、などといった理由で自分には縁がないのにそればかりにすがりついていると、天中殺は必死に繋ぎ止めていた縁をまるまる破壊してくる。

最近巷では『引き寄せの法則』などといった啓発本が流行っていて、

“引き寄せたいならば、なりたい自分になっている妄想をすれば絶対になれる!!“みたいなことを言ってる人がいるけれど、20年近くなりたい自分の妄想を続けてきた自分が、ことごとく失敗しているわけで、そんなものを信じる信者はただのyoutuberのお金儲け餌食と化しているとしか思えない。。

アイドルになれる妄想をすれば、果たして夢は叶うのだろうか??

平穏で平凡な性格の人が、芸能界を夢見たらその夢は叶うのだろうか?

某芸能人は算命学の命式が現実的で庶民的であった為か、彼は華やかな芸能界を引退して、命式通り望んでいた平凡な暮らしを手に入れた。

彼はその後芸能界とは縁が途絶えて、華やかな道は無くなった。しかし、彼の本来の行くべき道を見つける事ができたのだ。

もしかしたら、彼は行くべき道に行くまでに、何度もいろんな道を試して、その度にうまくいかず、失敗し続けていたのかもしれない。

それを思えば、天中殺の期間は至極必然であったとしか言いようがない。

よく天中殺の時期は動いたらダメ、とにかく大人しくいなさいと言われるが、

面白いことに人間不安になればなるほど、現状を変える為に行動してしまうので結局余計なことをして天中殺の思う壺になりやすい。

例えば普段なら抑えていた暴言を天中殺中に相手にぶちまけてしまい、離婚に至ってしまった、など。

動くなとは、昔の人が修復不可能にならない為に守りの姿勢を良しとした為であって、攻めて修復不可能になったとしてもそれはそれで天中殺のお咎めを受ける事ができるので、人生の学びになるのは確かである。

大失恋を経験した女性ほど、新たな恋を見つけた時の復活ぶり、再生振りは素晴らしいものがある。

“インシャ アッラー“というイスラム教徒の有名なお言葉があるが、

『神の仰せのままに』

自然に破壊せざるを得ないならば破壊し、再生を待てば良いのである。

我々はどこからきたのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?

人にはその人だけの“道“がある。

それは決して祝福されるような道ではない道の可能性もある。ある意味、次世代が幸福になるために戦争の時代に命を捧げた犠牲の人々もいる。

本来の道を歩むことを算命学では宿命の消化といい、地球のエネルギー循環で最も自然と言えよう。

天中殺中の真っ暗闇の行き先のわからない虚無の世界を抜けたならば、そこには新たな新鮮な世界があなたを待っていることでしょう。



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