昨日は、読んだ本について書きましたが、この話を娘にもしました。
娘はなかなか本を読まないので、私が「読むと良いよ」と薦めても、おそらく読まないでしょう。
でもね、異文化や言語に興味を持つ娘には、本当は読んで欲しい本です。
それに、高校生が書いたリアルな体験を、同じ高校生として読んで受け取れるのなら
それは大人の私が読むのとは違った感動が、必ずあると思うからです。
けど、読むかわからないからね、私から概要を話しました。
インドには大金持ちもいるけれど、貧困に苦しむ人達がたくさんいます。
本には、物乞いをする子供の話が出てきます。
娘は昨夏にフィリピンへ行きましたが、その時にも子供の物乞いがいたそうです。
そこには、ゴミ山に行ってゴミを拾って、そこからなんとかお金に換え生計を立てている人たちを見てきました。
貧しい中でどうやって生きていくのか、子供を学校に行かせるには?
そんな現場を見てきた娘なので、インドの現状を本を通して、日本人の女の子の目を通して知ることは
とても有益なんじゃないかなあと思います。
インドもフィリピンも、そんな貧しい人が住むところのそばには、富裕層が暮らすところやショッピングモールがあったりします。
日本企業に勤める人がアジアに赴任したら、おそらく都市の中心部のお金持ちエリアに住むでしょうし
現地では豊かな(と思われる)生活をするかと思います。
著者の高校生も、お父さんの仕事の関係でインドに来ているから、家にお手伝いさんがいて
車があって運転手さんも雇っています。
日本でのことだったら、だいぶお金持ちのおうちの生活だと思いますけど、おそらく東南アジアだったら珍しい話ではないと思います。
物価が違うので人件費も安いですし、車移動できないと不便だから車もあるのでしょう。
現地の人じゃないと、とてもじゃないけど車の運転なんて、できないでしょうしね。
私はインドには行ったことがないけれど、中国の道路も怖いですよ~。
そしてベトナムの道路も混沌としています。
バイクだらけで埋め尽くされた道路を、横断歩道もないのに、人は歩いて横切ります。
こんな道路を、日本人が運転できるわけない。
歩いて渡るのも怖いのに。
だから運転手がいるって、そんなに珍しいことでもリッチなわけでもない話だと思います。
私が中国にいたときも、元夫の勤め先で運転手さんを雇っていて、私用でもたまに車に乗せてもらってたんですよ。
自力で公共交通機関を使うのは、ハードルの高い田舎に住んでいたので、もはや必要不可欠でしたねえ、運転手さんは。
あとね、お手伝いさんやシッターさんを雇うのもそんなに特別な話じゃないと思います。
私がベトナムのハノイに住んでいた時は、サービスアパートメントと言って、外国人用の長期滞在者用ホテルみたいなところにいました。
掃除もしてくれるしベッドメイキングもしてくれるしね、お手伝いさんは必要なかったと思いますけど
小さなお子さんのいる人は、シッターさんを頼んでいました。
ベトナム語も教えてもらっていると言っていましたね。
割と気軽なんだなあって思いました。
日本だと、各家庭で誰かを雇うってあまりないと思いますけど、ここでは特別なことではないのだなと。
確かに、それで雇用が生まれ、日本人は現地の人に助けてもらうことで、うまく生活できるのだから
お互いに良いことかもしれませんね。
なんでこんなことを書いたかと言うと、本の中では「運転手付きの車の後部座席にいる自分」と
「窓一枚を隔てた外の物乞いの子供」について書かれていたからです。
日本に生まれた私たちは、世界で見たら裕福です。
日本に住んでいたら、普通の生活をしている家庭でも。
日本にいたら到底感じることのない感覚です。
娘にもそれを知ってほしかったので、そんな話をしました。
私もベトナムに住むまでは、そういう現実を知らなかったんですよ。
私の場合は、そういった駐在員とはちょっと違う生活ではありましたが、
現地の人からしたら、やはり都市部に住む金持ち外国人にほかならなかったなと。
外国に出て初めて、日本人の立ち位置みたいなものを知りました。
本を読んでいて、ぱあーっとそんな生活を思い出しました。
本は素晴らしいですね。なんだか疑似体験したような気になって。
いろーんなことを考えるきっかけになりました。
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