「時間」 と 「距離」 ②

　宇宙は誕生してから「現在の時間」にして135億年が経過したと言われています。この「誕生」は、生物の生涯に例えて「小さく生まれて大きく育ち、やがて消滅していく」と云うイメージだと思います。

　「現在の時間」とは言っても、時間（の間隔）は重力や相対速度によって変化するので、「135億年の経過」に意味があるかどうかは分かりません。

　これは「ビッグバン説」での推定ですが、これは「一つの推論」でしかなく、他に「宇宙は誕生した当初から、全宇宙が一斉に現れた（エーテル説も含む）」とか「宇宙は元々在った（ブラックマター説も含む）」とかも否定する事は出来ません。

　「ビッグバン説」以外での「時間」と「距離」は、最初から宇宙と共に存在しているので、その起源は考える迄もありません。それは、「時間と距離そのものが宇宙の成分」だからです。物体の正体は「速度（距離と時間の関数）」と言えます。止まっているモノは無であり、（相対的に）光速で動いているモノは光と言います。

　「止まっている」とは言っても、ヒトが見て止まっているのではなく、素粒子（或いは、素粒子の成分）自体が空間に対して止まっている状態です。静止しているので他に影響を与えません。つまり、モノの「大きさ」は素粒子の行動範囲の総体と言えます。

　「宇宙は無から生まれた」との仮説では、「時間」と「距離」もビッグバンと共に生まれたと考えられています。つまり、宇宙誕生前は大きさが無く、単なる「無」です。この「無」が、「静止している素粒子（無）」と同じ「無」ならば、宇宙理論の統一も可能で、それは「無数の無」が宇宙以前にあり、その一部（１ヶ？）がビッグバンを起こした為に、現在のヒトが認識できる「宇宙」が存在していると云う事です。

　当然、ヒトの認識できない宇宙が並行して在っても、認識できないので「無」です。然しながら、ヒトが現在認識している「遠くの（近くでも良い）風景」は、実は「別の宇宙（空間）」と言え、自分と厳密な同時刻に影響を与える事は出来ません。

　これは「光速の制限」から来るものですが、「シュレーディンガーの猫（状態の重ね合わせ）」や「量子もつれ現象（距離に影響されず情報が伝達される、或いは、されているように見える現象）」のように、光速の制限を受けない場合もあります。

　ただし、その結果を「人間が確認」するには、「時間」と「距離」の制限を受けます。と、云うよりも、見る（現象の一部を吸収する）事自体が量子に影響を与えているとも考えられ、不確定性を自ら与えることになります。

　結語。ヒトの存在が全てを歪める。