80年前の欧州戦争(通称:第二次世界大戦)が勃発して直ぐにフランスはドイツに敗北し、対独抗戦派のポール・レノー首相にかわって和平派のフィリップ・ペタン元帥が首相になり、新首都ヴィシーに新政権(1940~1944年)を立ち上げました。ペタン元帥はフランス国民の熱狂的な崇拝対象となり、町中に元帥(首相)の肖像が溢れたそうです。
ヴィシー政府成立後まもなくは、ペタンが戦争の苦難から救ったという考えが広まっており、新政府に対抗する勢力ははそれほど大きくはなかったのですが、初期にはドイツに協力的であったフランス共産党などの左派勢力も、独ソ戦が始まると破壊行為に加わり徐々に「テロ活動」が拡大していきました。
戦況がドイツにとって不利になると、一転して、破壊活動をしていた「テロリスト」は自らを「レジスタンス」と言い、ペタン派から分裂した勢力も加わり「連合国側」に付きました。この「破壊活動勢力」はフランス共産党も含めて、亡命政府の「自由フランス」に加わり、戦後には「勝利者」になりました。これが、「テロリスト」が正式に「レジスタンス」に変わった瞬間です。しかも、枢軸国から連合国に乗り換えたフランスは戦勝国連合(国連)の常任理事国になりました。
今年の6月に、香港では「逃亡犯条例」の反対運動を切っ掛けに「100万人デモ」が行われました。以降、断続的に「デモ」が発生し数か月が経った頃から、暴力的な映像が流されるようになりました。この暴力が政府側と学生側のどちらが原因かは判りませんが、何れにしても「破壊行為」或いは「テロ行為」と言えます。
中国共産党(中共であって中国では無い)は現在「習近平派」と「江沢民派」が支那大陸で覇権争いをしていて、香港を含む南部を「江派」が、北部を「習派」が押さえている事から、支那大陸からの資金流失を防ぐ為には「江派」の支配する香港を「習派」の管理下に置く必要に迫られ、香港に対し「逃亡犯条例」の制定を要求したのが今回の流れです。(表向きの切っ掛けは、中国人による台湾での殺人事件です。)
支那大陸からの資金流失は、「習派」以外のすべての「経済的当事者」にとっては利益が有り、経済合理性から見ると、今回の混乱は「香港の自由化」が有利なようにも見えますが、支那大陸での支配者の「価値観」は「天命による支配の正統性」が全ての最上位にあるので、「支配者一人が死ぬか、その他の人民の総てが死ぬか」でしか決着しません。歴史を見ると、当然ですが「支配者の死」で結末を迎えます。
現在の香港は紛争中なので、支配者側から見るのなら「治安維持行為」と言え、市民・学生側から言えば「レジスタンス」となります。「価値観や実利」を除き、冷静に考えると「外部からは判断出来ません。何故なら、市民・学生も「江派」の工作に踊らされているかも知れないし、「習派」も戦争を好む「グローバル資本」に乗せられているかも知れないからです。勿論、当事者の多くは知る由も有りません。
紛争が終わり、支配者側が勝った場合は抗戦派は「テロリスト」として処断され、抗戦派が勝った場合は「レジスタンス」と呼ばれ英雄になります。過去の多くの紛争がそうであった様に、勝った方が「正義」になります。
完全な犯罪であってレジスタンスが生かされた事は事実であっても処刑しなかった事そのものが犯罪である事に代わりはありません。当然米軍の空襲は非戦闘員の大量虐殺であり、明白な戦争犯罪。米空軍とアメリカ大統領は戦争犯罪人であり、全員処刑しなければ法的には正しくありません。
現在の「国際慣例」では、
軍隊 :統治領域を保有する国家が認定した武力集団。
レジスタンス:統治領域を保有しない武力組織の内、結果として戦勝国側に付いた場合。
テロリスト :統治領域を保有しない武力組織の内、勝敗が未定の場合。
です。但し「自称」ならば言った者勝です。
国際法が有効な場合は、「軍服」は国際的に国家認定された「国家の国章」を付ける義務がありますが、白人は「白人以外の地域」の殆どを国家として認めませんでした。その白人が決めた国際法が正義である証拠は有りません。
大東亜戦争後に、多くの地域が「国家認定」され、戦前と戦後の「テロリスト」に対する「評価」は一緒には出来ないと思います。
今でも、「国際法は、敵国に守らせる為に有る」と云うのが日本以外の倫理観です。日本の倫理観は世界には通じません。日本人が「道徳」を説明しても、外国からは「何を言ってるか分からない」と言われると思います。