「事実」 と 「創作」

　「地球が平面」だった時には、それなりの「科学的根拠」があり、何の矛盾も無く日々の生活を送ることが出来ました。これを「事実の裏付けがある」と言います。

　「地球が球形」で有る事が分かった時にも、それなりの「科学的根拠」があり、何の矛盾も無く日々の生活を送ることが出来ました。これも「事実の裏付けがある」と言います。

　「地球」とは球形の大地を意味するので、厳密には「地球が平面」と書くのは間違いで、「地面が平面」と書かなくてはならないのですが、現在では「地球」は固有名詞なので、その形状を示すモノではありません。これは、「伝統的」に地球を「地球」と言っている事を説明しているだけであり、「地球」が球形かどうかは関係ありません。

　「古事記」や「日本書紀」は、時の権力者が自分に都合の良いように書かれた「創作」なので、「事実」や「科学的根拠」もなく「歴史書とは言えない」と考える人も多いと思います。

　これは、「地球は厳密には球形では無く、また、地面は”地球”の半分以下の面積しかないので、”地球”と書くのは科学的根拠がない。」と言うようなモノです。そうすると「地球」は「地海面疑似球体」と書くことになります。しかし、これも現在での言い方で、将来陸地が水没すると「海面疑似球体」と言わなければ科学的では無くなります。

　ある時代に良かれと思って「事実」として書かれた事を、未来の人が「創作」に過ぎないと言って切り捨てるのは、傲慢と言えます。昭和憲法は「事実」を書いたモノではなく単なる「創作」です。各条文の思想的根拠として「憲法前文」が書かれていますが、これは明らかに「創作」であり、「事実」に反しています。

「・・・われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。・・・」

　「創作」とは、「事実」はさて置いて、その時代に於いて良かれと思う事を書く事なので、「事実」よりも正しいと言えます。「天地創造」の「創」は「神の為せる業」であり良い事であることが前提です。「捏造」や「偽造」を意味しません。