トラネコジャーナル

毎日楽しく、前向きに。
ねこ兄弟とアートを中心に
日々の新しい発見をつづる
トラネコの日記

ルーシー・リー展 大阪市立東洋陶磁美術館

2010-12-21 | アート
ルーシー・リーさん。
ユダヤ人迫害のため、オーストリアからイギリスに移り住んで
一貫して陶磁器を作り続けた女性です。



とてもチャーミングな女性で、当時のバウハウスに代表されるような
合理的な機能美を持った生活に溶け込む陶磁器を作り続けました。
当時陶磁器は東洋サイコー!という世界で、
東洋的なシェイプの器や色目のないいわばワビサビ的なものが主流でした。

その中でティーセット、花器などをはじめとし、
軽やかながら味わいのある器はルーシー・リーさんの特徴です。
軽やかで味わいがあるというのはなかなか難しい。
と、元陶芸部部員は思うのでした。
軽やかさを常に出すのは、もちろんプロですから、
そのノウハウがあるのでしょうが、
やはりルーシー・リーの思いだと思います。



バウハウスの影響が強い作品ですね。でも深みとシンプルさが同居した作品でした。



絵葉書を写真にとっているのでわかりにくいですが、
表面がざらざらだったり、ちょっとつや消しっぽかったり、
ブロンズに光っていたり、さまざまな変化がありました。



戦争中・戦後は陶器のボタンを作りました。
三宅一生がコレクターとして有名です。
愛らしいですもん、このボタン。
芸術家をこんな言葉で言うのもなんですが、
「センスがある人」は何を作らしてもいいものを作りますよね。


弟子にと言ってきたハンス・コパーとは、尊敬すべき人として
共同でものづくりをするなど、偉ぶったり、権威などにならず、
ポッタリー(陶芸家)として生きた女性です。

こういう真摯な姿勢で着々と自分の信じた美をつむぎ続ける人にあこがれます。
こういう人になりたいなと思います。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« OSAKA had brought me good o... | TOP | レオ巨匠の新作制作現場 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | アート