トラネコジャーナル

毎日楽しく、前向きに。
ねこ兄弟とアートを中心に
日々の新しい発見をつづる
トラネコの日記

世田谷美術館 「日本の自画像」写真展

2009-05-24 | アート
なんだか、ぐずぐずとしていたこの2週間。
それでも、体調は少しよくなってきた。やった~!
大事を取ってゆったりダラダラしていたが、
お茶のペットボトルを買いに行くついでに、
ふと思いついて砧公園に行ってきた。

目的は、雨もやんでいたので、
森林浴的なエネルギーをもらおうと思ったから。
雨上がりで緑も濃く美しかった。木に手をかざし、
「きれいな気で体が満ちている」と念じてみる。
(実はそうすると良いと、茂木健一郎の訳した本に書いてあったのよ。)
ふう~。深呼吸。いい気持ち♪


そこにあるのは世田谷美術館。
ちょうど「日本の自画像」という戦後、日本が立ち上がる時期から、
高度成長前までの1945年~1964年の写真展。
土門拳、木村伊兵衛、田沼武能など、
大御所フォトグラファーたちの写真展でもある。
写真好き、ドキュメント好きの私は興味のあった人たちだったので、
拝見することにした。

戦後の炭鉱の貧しい町、今話題の長崎の軍艦島、アメリカ軍が闊歩する銀座、
テレビで見る北朝鮮の子供たちのような日本の戦後の子供たち。
そして、学生運動、一方過酷な労働のあった村の様子など。
厳しい写真も多い。写っている人々の顔は、ネコで言うならば
野良猫のような懸命に生きる顔をしていて、厳しさと同時に
躍動感やコレで生きているんだという魂のようなものがある。

ほんの40~50年前の、この日本の話だ。
うそみたい。
私は後半生まれてはいるものの、まだまだ何の覚えもない幼少期。
若い皆様の理解のために言うと、
ちょうど「always3丁目の夕陽」の昭和っていうところか。

コレを忘れてはいけないんだなあ、日本は。
こうやって這い上がってきたんだ、と思いました。

今の若者は「生まれつき不況」と言っていたけど、
這い上がってきた世界の上での不況だものね。

だってさあ、この間街の中華屋サンがやっている八宝菜飯のお弁当を
買ったら、ごはんと八宝菜の間にフィルムが入っていないって
若者が怒るんだもん。
それが常識なんだなあと、オバちゃんは唖然とするわけで。

偉そうに言う私も、この時代はまったくリアルではないのだけど、
少なくともコンビニもPCも携帯もない時代は生きてきたし、
この展示にあるような時代に生きた親に育てられたせいか、
かっこわるくても頑張った世代の
ありがたみの余韻がちょっとだけあったりする。

日本が忘れてはいけない、まさに「日本の自画像」とは、
良いタイトルだと思いました。

当時のカメラマンが撮影しているドキュメンタリー映画も見たのだが、
あたりまえだけど、1回ずつフィルムを巻き上げてシャッターを切るカメラで、
それはそれはいそがしい。もちろんデジカメではないし(笑)
ズームレンズとかもあまりなく、縦型の2眼カメラも多用されていた。

それに、タバコ吸い放題。吸殻捨て放題。
肖像権もなく、道行く人の写真を撮り放題。
なぜかスーツ、帽子、コートを常に着用。
子供の写真撮って、お菓子をお駄賃にあげたりしていたし。

ほんの40~50年前なのに。
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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
雨ですね~。 (トラネコ)
2009-05-30 08:49:18
MoMoママさん
ニャンたちは元気ですかあ?
この間、道を歩いていた飼い猫さんが
立ち止まって「撫でていいよー」と
言っていたので、撫でさせてもらいました。
久々に触った猫。やっぱりかわいいなー。
サバ読んでたトラネコ(すんません)ですが、
同じ年くらいではないでしょうか!!
神戸は両親の地元で、親の仕事の関係で
18歳まで山口にいましたー。
その後は神戸や京都に暮らしてました。
広島は住んだことないですが、
親しみを感じます♪
やっぱ、同じ中国地方じゃけーのー。

ココの母さん
そうですねー、キツネにだまされなくなった分、
都市も田舎も一律になって豊かに
なったのでしょうけど、自然とか、民話とか、
そんな目に見えないものがどんどん
見えなくなっていったんでしょうね。
私の会社の行く道で、東京体育館の前を毎日通ります。
東京体育館はオリンピックのための建物。
結構良く見るとかっこよく、モダンです。
日本、頑張ったんだなと思います。
返信する
キツネにだまされていた頃 (ココの母)
2009-05-27 23:04:15
トラネコさん、ちょっと森林浴に出掛けることのできる体調になってよかったですね。
フィトンチッドを吸って、更にリフレッシュできたことでしょう。

世田谷美術館でそんな写真展が開かれているんですね。64年まで、というところがミソだなあと思いました。
最近読んだ本ですごく興味深かったもの「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」(内山節・著)転機は1965年だった!そう、東京オリンピックを境に日本はどんどん変わって行ったのでした。良い意味でも、そうでない方向へも。
なあんて、長くなりましたけど、トラネコさんの言うように高度経済成長期の日本人はがんばったんですねえ。いろんなものを失いながら・・・。

いろんなこと思い出させてもらいました。
トラネコさんの行動が私の思考回路を刺激する・・・。時空を越えて、ランランラン。
返信する
間違ってました! (MoMoママ)
2009-05-27 13:04:18
スミマセン、前のコメントで年代の表示を間違ってました。
1945~64と書かなくてはいけないのに、~60と書いてしまいました。
で、私が赤ちゃんより大きくなっていたのは64年で、60年はみごとに赤ちゃんでありました。
たぶんトラネコさんよりちょっとだけお姉さんのようです。。

トラネコさんは山口にいらしたことがあるんですねー!
なんとなくハイカラ(死語?)なイメージで、
神戸がぴったり似合ってるなぁ、と勝手に思っていたもんで…
ちなみに私は広島県の田舎町にずーと住み続けています。
返信する
ちょっとサバ読み(笑) (トラネコ)
2009-05-26 23:37:52
マメ&コタさん
二眼レフのローライフレックス、すごーい。
どうやって写すのか、興味津々。

少し前なのに、大昔にかんじられててしまう、
歴史はどんどん風化してしまうのですね。
戦争であんなにどん底になったのに、
地球上では戦争をし続けているのだもの。
私たちも、ましてや20代の子たちには
戦争をしていたことさえ、忘れていそうだもん。
忘れちゃいけません、戦争の悲惨さと戦後の底力を。

MoMoママさん
赤ちゃんより私ももう少し大きかったなと思って、
記事訂正しました。サバ読んでました(爆笑)
まあ、物心はついていなかったけど(まだ言うか!!)
私も小学生のころは、山口にいた、
田舎町の街の子でした。めずらしかったけど、
馬車の記憶あります。
でも、戦後で日本髪はすごいかも。
ウチは戦前の、母のおばあちゃんでそんな
写真がありますね。
ほんと、自分の小さい頃の写真は
隔世の感があります。
伝えていかなければならないことですね。
返信する
わが家の自画像 (MoMoママ)
2009-05-25 12:24:51
トラネコさん、風邪が大事にならなくてよかったですね。
1945~60、私は赤ちゃんよりちょっとだけ大きくなっていました^^
たまたまですが、つい最近自分の幼いころの写真を見ることがありまして、
本当に現実味がないほど隔世の感を感じました。
歴史の資料を見ているような、というか・・・
私の住んでいるところは地方都市とはいえ、街のど真ん中ですが、
小さい頃は家の前を大きな木を積んだ馬車が闊歩していたのです。
移動式のパン屋さんはロバに曳かれてやってくるし。。。
写真の中で一番おどろいたのは、祖母の写真。
写真館で撮ったらしい着物すがたで、頭はなんと日本髪に結い上げているの!
未整理の写真なので、年代ははっきりしないんですけど戦後は戦後のはず。
いったい何があったのかしら?、としばし考えてしまいました。
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日本の自画像 (マメ&コタ)
2009-05-24 21:22:30
「always3丁目の夕陽」に近い私ですが、田舎育ちのため、記憶にある子ども時代は将にあんな感じでした。そして、リンクにあったカメラ、二眼レフのローライフレックス、父親からもらって、最近まで持ってましたよ。
少し前の日本の自画像、忘れちゃいけませんね。
記事を読んでいて、トラネコさんの体調の回復がわかります。なんとなく余裕が感じられます。よかった。
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