こうした季節の行事をつづけることって、素晴らしい。でも、我が家じゃ、煎り豆を食らうだけだ。情けない。子どもの頃、私は節分が大好きだった。「鬼は外!福は内!」って叫びながら、我が家では豆だけでなく、お菓子もいっぱいとびかった。一個づつ包装したキャンディやチョコレートやクッキーやミカンが空中をとびかい、私たち姉弟3人は競って、お菓子を拾い集めた。
同じ行事を自分の子どもたちに体験させようとしたら、もう、お菓子の放出に喜ぶ時代ではなかったようだ。そうなると、自分が続けようとしている行事は無意味な空騒ぎでしかない。それにしても、恵方巻きは長いまま、かぶりつかなくちゃならないそうだ。窒息しそうだけど、切ったら、運も切れちゃうからだって。結局、我が家の今晩のメニューは石狩鍋だったし、煎り豆は焼酎の肴になっちゃったのだ。なんか、うら淋しいもんだねぇ。
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子どもが幼い頃は、お菓子をまく節分も喜んだけれど
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丸太型の花器と実家の庭に咲いた水仙の花