病院に到着すると、リハビリスタッフが夫を車椅子に乗せて、リハビリルームへ連れていくところだった。私も同行を許された。廊下を歩いている時に、面会に来た私の従兄夫妻に遭遇。彼らも一緒にリハビリルームで、夫が車椅子から降りたち、足踏みするのを見学した。一歩、二歩、三歩目で、彼の肺が吸収する酸素量がガクンと落ちたという。そうすると、スタッフの指示で、深呼吸を繰り返した。初めて立った時、夫はお尻が落ちていると注意を受けたという。立つってことは、腹筋、背筋のほか、お尻の筋肉も必要だと知った。
必死に座り、立ち、歩くことに挑戦している夫の姿を見ていると、指導しているスタッフの力は凄いなと感じる。実際の動きのサメ[トだけでなく、言葉のかけ方が巧みである。夫のやる気を誘っている。自分の病室に戻ると、夫は自分の力で、車椅子からベッドへと移動した。さすがに、酸素吸収率は低下し、脈拍はあがる。その数値が正常に戻るのを待って、リハビリスタッフはまた月曜日ネ(週末は休み)と言って、帰っていった。
回復にはとてつもなく、時間がかかるだろうが、小さな変化は毎日ある。そして、ほぼ毎日、彼の病気に驚き、気遣う人々の心温まる贈物が届く。忙しく通り過ぎていたら、人々の思いやりに気づくこともなかったかもしれない。突然に与えられた長い休息は辛くもあり、違った角度から眺めたら、意外な喜びも発見できる。そう感じている。

最近、仕事に愛用しているバッグ
A4サイズの書類も傘も水も収納可