ヨーコのきまぐれ日記

記念撮影

 結婚式や多くのお客様を迎えた披露宴でもドレス姿だった娘は親族を招いた小宴で振袖を着た。私が20歳の時に仕立ててもらった着物である。新年のお茶の席で着用したが、以来、私は着物を着ることがなかった。それだけに、私の昔の振袖を着たいという娘の申し出は嬉しかった。この時、古びた着物は想定を越えた輝きで蘇ったと思う。さらに、娘はうちかけや白無垢といった花嫁衣裳にも関心があったようだ。

 そうした娘の憧れを引き受けてくれたのは、娘の優しい配偶者である。多忙な仕事を抱えながら、羽織袴に着替えて、鞄からとりだした携帯パソコンで仕事をかたづけていた。そのアンバランスな対比は実に面白かった。撮影はまず、紅葉しはじめた公園へと車で案内された。次に、白無垢に着替えて、神明宮で神主からのお祓いを受けた。どちらの場でも、カメラマンの巧みな口さばきに導かれ、若い2人はさまざまな笑顔で撮影された。

 若い2人の撮影に付き添ったのは2人の母親である。たまに、私たち2人も撮影の被写体になった。うちかけ姿の娘と頭と頭をゴッツンコさせて、手と手を重ねて~と娘の母親である私はちょっとだけふざけた心境で、たまの撮影を楽しんだ。平日だったせいか、太田黒公園も、神明宮もあまり人の気配はなく、木漏れ陽がそっと射しこむ絶好の撮影日和だった。長い撮影を終えてから、4人一緒にのんびり昼食を楽しんだ。


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