すぐ、病院へ駆け付けると、父の病室の計器はブ―ブ―警告音をならしている。脈拍は29、30あたり。人間の生死の境界線は33ときくから、心配する数値ではあるが・・・父はすやすや寝るばかり。今朝、看護師が父に具合を尋ねたら、「心が淋しい!」と、答えたそうだ。その言葉と、再低下した脈拍数が心配で、ナースステーションは電話しようと決めたそうだ。それにしても、なんて言葉を看護師に語るのだろうか、父は。瀕死の詩人・・・・・か?!看護師もそんな言葉をよく聞き取ってくれたと、嬉しい。
高齢のためか、反応が鈍くなった父だけど、時には、瞬発的な言葉の返しをするので、アレッと驚くことがままあった。どんなジョークのかけあいだったか、もう覚えていないのが、私の凡庸なところだけど・・・・父の小さな言葉をしっかり聞き取ってくれた看護師がいるってこと、とても、幸せな気がする。そして、その言葉がその日のうちに私のもとへ届けられたもの。後から来た妹は父の具合を確認してから、歯医者に向かい、私もその後、帰宅。
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