ピラティスを終えて、すぐ、タクシーを拾い、そのまま、夫の病室を訪れた。昨日の同じ時間と比べて、夫の顔色は光を失い、両掌はむくんでいた。肺に到達する酸素の割合も84と、下降していた。体温を測りに来た看護師は一昨年前につきそう私の顔を覚えていて、懐かしそうに挨拶をしてくれた。
しかし、二人の目の前にいる患者の姿に、言葉が続かなかった。夫の病は間質性肺炎。回復は諦めたほうがいいと、一昨年前も宣言された。しかし、退院して、仕事復帰。今回も主治医にどれだけ窮状を訴えられても、夫の底力を信じていた私だった。夫の復活への意気込みを胸の奥で感じていたはずだが、なぜだろう、今日は意気消沈・・・・・一人淋しく、病室を出た。
