平成22年7月26日発売の週刊ダイヤモンド、表紙にはデカデカと「サラ金消滅」と「ローン難民」の文字。消費者金融が貸し出しの蛇口を閉めてしまったせいで750万人ともいわれるローン難民を生み出してしまったと言われています。
改正貸金業法の内容と消費者金融業界の現状を解説したいと思います。
●改正貸金業法とは?
2007年12月から段階的に施行され、今年6月18日に完全施行された、内容は大きくわけて「グレーゾーン金利の撤廃」と「総量規制の導入」2つ。
①「グレーゾーン金利の撤廃」は金利を規制する「出資法」と「利息制限法」が定める上限金利の差をなくすというもの。これまで、出資法では上限金利を年利29.2%と定めていた。一方、利息制限法では元本10万円未満は年利20%、元本10万円以上100万円未満は年利18%、元本100万円以上は年利15%という上限金利だった。それを今回出資法の上限金利を引き下げることで、利息制限法の上限金利に統一。利用者の同意があれば、利息制限法を超えた利息であっても合法とされ、一般的にグレーゾーン金利と呼ばれていた。このグレーゾーンの金利契約を撤廃することで、大量の過払い金返還請求を生み出す結果となった。
②「総量規制の導入」は年収の3分の1までしか貸し付けてはならないという規制。貸金業者は新規融資の停止や利用限度額の引き下げといった対応を取らざるを得なくなった。消費者金融利用者のうち、年収の3分の1以上を借りている人は750万人に及ぶといわれている。
以上のことから貸出残高は半減し過払い金返還請求まで加わった消費者金融業界は、戦々恐々。。。廃業に追い込まれる業者も山と出ておりピーク時に約47,000社あった登録貸金業者は2010年5月末には約8%の3700社まで減少している。
過払い金返還請求については、過去4年間大手4社(アイフル・アコム・武富士・プロミス)で2兆円弱に達している。なりふり構わずリストラを断行し、プロミスで996人の希望退職と友人店舗の全廃を決定、アコムは446人の希望退職を実施、武富士は資産売却と店舗の大幅削減、アイフルに至っては1744人の希望退職を実施している。このまま高水準で過払い金返還が続くようであれば4社とも3年で全滅してしまうのではないかと恐ろしい予測まで紙面では語られている。
この動きはもちろん、キャッシングに依存してきたクレジットカード会社へも波及してきており銀行系を中心に業界再編の動きが加速している。
実は、今回この記事を書いたのも不動産業界と信販会社には密接な関係があるからだ。銀行の体力が落ちてくれば住宅ローンの審査が厳しくなるのはもちろんのことだが、私が心配しているのは賃貸物件の入居審査である。賃貸物件の入居審査にクレジット会社を利用している不動産業者は郡山市内を見ても積水系MAST会のお店を中心に8割近くに上っている。審査基準が厳しくなれば、仕事を持ち定期収入があり、連帯保証人が立てられる環境にあるお客様も、住宅ローン・車のローンなどで過去トラブルがあったためにお部屋が借りられないといった状況が出てくるようになる。
ヤミ金や多重債務を救済する目的で施行された改正貸金業法だが、その影響は良い意味でも悪い意味でも慎重に見守っていく必要があると思います。
改正貸金業法の内容と消費者金融業界の現状を解説したいと思います。
●改正貸金業法とは?
2007年12月から段階的に施行され、今年6月18日に完全施行された、内容は大きくわけて「グレーゾーン金利の撤廃」と「総量規制の導入」2つ。
①「グレーゾーン金利の撤廃」は金利を規制する「出資法」と「利息制限法」が定める上限金利の差をなくすというもの。これまで、出資法では上限金利を年利29.2%と定めていた。一方、利息制限法では元本10万円未満は年利20%、元本10万円以上100万円未満は年利18%、元本100万円以上は年利15%という上限金利だった。それを今回出資法の上限金利を引き下げることで、利息制限法の上限金利に統一。利用者の同意があれば、利息制限法を超えた利息であっても合法とされ、一般的にグレーゾーン金利と呼ばれていた。このグレーゾーンの金利契約を撤廃することで、大量の過払い金返還請求を生み出す結果となった。
②「総量規制の導入」は年収の3分の1までしか貸し付けてはならないという規制。貸金業者は新規融資の停止や利用限度額の引き下げといった対応を取らざるを得なくなった。消費者金融利用者のうち、年収の3分の1以上を借りている人は750万人に及ぶといわれている。
以上のことから貸出残高は半減し過払い金返還請求まで加わった消費者金融業界は、戦々恐々。。。廃業に追い込まれる業者も山と出ておりピーク時に約47,000社あった登録貸金業者は2010年5月末には約8%の3700社まで減少している。
過払い金返還請求については、過去4年間大手4社(アイフル・アコム・武富士・プロミス)で2兆円弱に達している。なりふり構わずリストラを断行し、プロミスで996人の希望退職と友人店舗の全廃を決定、アコムは446人の希望退職を実施、武富士は資産売却と店舗の大幅削減、アイフルに至っては1744人の希望退職を実施している。このまま高水準で過払い金返還が続くようであれば4社とも3年で全滅してしまうのではないかと恐ろしい予測まで紙面では語られている。
この動きはもちろん、キャッシングに依存してきたクレジットカード会社へも波及してきており銀行系を中心に業界再編の動きが加速している。
実は、今回この記事を書いたのも不動産業界と信販会社には密接な関係があるからだ。銀行の体力が落ちてくれば住宅ローンの審査が厳しくなるのはもちろんのことだが、私が心配しているのは賃貸物件の入居審査である。賃貸物件の入居審査にクレジット会社を利用している不動産業者は郡山市内を見ても積水系MAST会のお店を中心に8割近くに上っている。審査基準が厳しくなれば、仕事を持ち定期収入があり、連帯保証人が立てられる環境にあるお客様も、住宅ローン・車のローンなどで過去トラブルがあったためにお部屋が借りられないといった状況が出てくるようになる。
ヤミ金や多重債務を救済する目的で施行された改正貸金業法だが、その影響は良い意味でも悪い意味でも慎重に見守っていく必要があると思います。