読み捨てー捨てません。返します

文字中毒の私です。読み飛ばす本の画像に、簡単な感想を載せています。

『ブラックリスト』『百舌の叫ぶ夜』

2021-06-19 15:53:37 | 日記
伊兼源太郎『ブラックリスト』とは、警視庁の内部を取り締まるための監察ファイルを表しています。
刑罰の軽さに忸怩たる思いをもち、悪人達に密かに私的刑罰を行う〝互助会〟な る存在に迫るお話🌿
一応、解決するも(もっと上層部に指揮官がいるのでは?)と佐良警部補の疑問は、ラストの一言で指揮官が誰かわかる仕掛けです👌
いやー、逢坂剛『百舌の叫ぶ夜』は、面白かったです。
流石、3年半掛けて書いただけ有りますね✨
公安、警察と暴力団(バックの政治家は登場せず)を巡る戦いですが、初めからルール破りのやりたい放題の暴力団に比べて、ルールと組織の縛りの多い刑事の方がタフでないと、やってられないのですわ。
人物設定も面白いです。
最後に、刑事が悪者を殺すことに正当理由があり、無理な悪者は殺し屋にさせているのは、都合が良過ぎるけどね✨
逢坂さん、書くうちに刑事さんの苦労やストレスが気の毒で、ついこうした結末としたのかな⁉️

『紙鑑定士の事件ファイル』『駒子さんは、出世なんてしたくなかった』『一切なりゆき』

2021-06-19 15:46:13 | 日記
歌田年『紙鑑定士の事件ファイル』
紙とプラモデルの専門知識が、めっちゃ語られてます😲
どちらもちんぷんかんぷんな私ですが、へー❗と思わされる面白さで、勿論ミステリーやドキドキ感も満載💖面白くて、一気に読みました💓💞流石に、大賞作品なだけ有りますね✨
夫は、最初の2文読んだだけで〝おっ❗これは‼️💖〟と、思ったそうですよ🌿
碧野圭『駒子さんは、出世なんてしたくなかった』
名古屋市出身の作家さんなので、親しみが有りました。スケートについても作品が有り、是非読みたい⛸️
会社内で思いの外昇進してしまい、戸惑いながらも成長していく女性のお話ですが、フリーカメラマンの夫が素敵です👌
樹木希林さんの『一切なりゆき』をリクエストして、漸く一年後に借りられました。
待ちが60人以上いると、こんなに時間が掛かるのね‼️ 今更感で、テンション下がっているけど、樹木希林さんの生き方は、興味深く大好きな人でもあるので、まあ読みましょうか。
 

『ユートピア』『罪なき子』

2021-06-19 15:43:00 | 日記
湊かなえ『ユートピア』
風光明媚な岬に出来た芸術村の人達と地元民のあれこれ。
都会的なセンスを誇ったり、真の芸術とはと追求したり、いい気になってると陰口きいたり。
母親の子供への愛情や夫婦間の立ち位置具合に女性の感じ方が行き交い、湊さんワールドが広がります。
私が面白くて思ったのは、子供もちゃんと子供なりの思惑と秘密と実行力を持っていること。
小学生だって、侮れませんよ😃
小杉健治『罪なき子』
一応推理小説ですが、死刑囚の家族、親族までが人生を潰される世の中に問いかけた小説でもあります。
水木弁護士が正義感ある人情家なのは、作者が東京下町育ちの影響だろうか⁉️
作者がコンピューター専門学校を卒業してプログラマーになって18年後に小説書き始めたのも興味深い。時代物もあり、他作品も読んでみたいものです✨

『春告げ鳥ー女占い十二ヶ月』

2021-06-19 15:40:43 | 日記
杉本章子『春告げ鳥ー女占い十二ヶ月』
江戸の女それぞれの人生に、占い本をくっつけた感じでした。
しかし、ふと現在もセーフティネットなく理不尽な目に会う女子供が多いことに気付き、愕然たる思いです。
店が貰い火て焼け主が死ぬと、娘は家族を養うため、最後は吉原に迄堕ちて行ってしまう❗
親の言うまま嫁がざるを得ないって、何処かのイスラムの国と同じ❓
娘が勝手に身分低い男と駆け落ちすると、父親はお役が下がるらしい。
何となく日本は自由で、公正な国のように錯覚しがちだけれど、実は新聞やネットで騒がれるひどい現実があちこちに一杯ある。
格差は広がるばかりで、若者が希望を失っていくのは大問題。先ずは皆が認識して、出来ることを今日から一歩踏み出すことが必要ではないかしら。
私は首相でも大富豪でもないけれど、出来ることはあるはず。

『だから荒野』

2021-06-19 15:36:24 | 日記
『だから荒野』は、読み始めて直ぐに同じ著者〝『OUT』と同じだ❗〟と、引き込まれました。
どちらも主婦が家族に踏み付けにされて、プッツンする話。
『OUT』は、深夜の弁当工場で働く底辺の女邦子達が、同僚の夫殺しに加担して最後は追い込まれて行く話。
『だから荒野』は、オートロックマンションに住む専業主婦朋美の話。高校生ゲーム中毒息子の「うぜぇ、早よ死ねや」や家計管理夫の「そんなじゃ、社会で通用しないぞ。」に、傷つき家出する。こちらは、再生の予感のラスト。
この違いは、経済のレベルに比例しているのかなぁ。朋美は、弁当工場で働く女達よりも高等な教育を受けていそうだし、家出後に独身時代の貯金で生活する程度のゆとりもある。常にギリギリ生活で、一旦綻ぶと、もう這い上がれない脆い生活基盤の邦子達との差は歴然。
現在の子供達の状況も、同じだと思うと切ないわ。
敢えて厳しい人生を毅然と生きる山岡老人に、エールを送る