mariの自然さんぽ

道ばた・近所の山・公園などの植物、動物を探してふらふらと散歩。

金沢自然公園②

2020-08-03 10:51:19 | 日記
金沢自然公園①の続きになります。

公園の整備された区域に戻ってきました。

今日はマメ科のような花がよく目に入ります。
でもこちらのマメ科はツル性ではなくしだれない木です。



○キハギ(マメ目マメ科ハギ属)
落葉低木で、日当たりの良い丘陵地や低山地の岩の多いところに生育するようです。



葉は3出複葉で2列に互生します。



他のハギより木質化しているのでキハギなのでしょうか?


もう1つマメ科のネムノキの花が満開でした。
○ネムノキ(マメ目マメ科ネムノキ属)



このピンクの花に見えるのは雄しべで下の緑の部分が花冠になります。10から20個の花が集まってできています。



私も今回初めて知ったのですが、この写真で少しわかるかもしれませんが、花序を作る花の頂端に着く花(頂生花)が1花序の中で1から2個あるそうなのです。確かに中心に他と見た目が違う花が1つ見えています。頂生花は萼と花冠が他の花(側生花)より少し大きくて雄蕊は中部まで合着、離生部分は開出し、雄蕊はやや短いようです。不思議。


ヒガンバナも咲き始めていました。




○ヒガンバナ(クサスギカズラ目ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
日本には中国から有史以前に渡来したものと考えられており、各地で野生化しています。地下の鱗茎に強い毒性がある有毒生物であり、日本で繁殖しているヒガンバナはほとんどが染色体の基本数が3倍の三倍体なので一般に種子で増えることはできないらしいです。繁殖は球根を株分けして繁殖させます。


ののはな館に戻ってきました。
前の花壇に見た事のない種子(果実)をつけた植物があったので、早速職員の方にうかがってみました。館内にはその植物のドライフラワーが飾ってあり、合田草(ルナリア)という名前を教えて下さいました。ののはな館ではこのドライフラワーを使ってリース作りなども行なっていたそうです。(現在はコロナの影響でやめているそう😔)



○ゴウダソウ(別名ルナリア、ギンカソウ、ギンセンソウ)(アブラナ目アブラナ科ゴウダソウ属)
越年生の植物で、一年生植物ないし二年生植物の宿根草。ゴウダソウの名前は、フランスから日本に種子を持ち込んだ東京美術学校の合田清教授に由来するそうです。ギンカソウは銀貨のような果実のつけるから、、、。😅
栽培種が野生化して一部が帰化植物として道ばたなどで育成します。



乾燥させて種子と両面にある果実を剥がしたところ。綺麗なドライフラワーになります。


最後にもう1つののはな館で初めてみた植物がありました。



○ツノゴマ(シソ目ツノゴマ科ツノゴマ属)
ツノゴマ科に属する植物で、若い果実はオクラのように蒸して食べたりするそうです。
また、種子からとれる油も栄養価が高いそう。ちなみに普通のゴマはシソ目ゴマ科ゴマ属になります。
この花は黄色いのでキバナノツノゴマかもしれません。
このキバナノツノゴマは近年食虫植物という見方もありますが、まだ結論を出すには至らないそうです。(ツノゴマは食虫植物とする見解はないそう。)



マメ科について、種子について色々な発見ができた公園めぐりでした。

参考文献  大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司編(2016)改訂新版 日本の野生植物 平凡社

金沢自然公園①

2020-07-30 17:10:54 | 日記
昨日は久しぶりにお散歩友達のYさんと一緒に金沢自然公園に季節の花を見に行ってきました。
天気や平日のせいもあってか人出はまばらでしたが、のんびり歩くことが出来ました。



入り口のすぐ先には公園の自然にまつわる展示や書物も豊富なののはな館。職員の方も知識豊富でとても親切です。



ペンタス(別名クササンタンカ)(リンドウ目アカネ科ペンタス属)


 
オミナエシ(マツムシソウ目スイカズラ科オミナエシ属)
季節のお花もお出迎え。

今日は公園付近のお花を見るつもりで来たので遠出はしなかったのですが、こちら円海山という山の登山口や様々なハイキングコースの出発点にもなっています。
昨年の台風で通行止めのところも多いようですが、ののはな館で教えていただけます。


まず、遊水池の方に行ってみました。
遊水池は人が入れなくなっているため鳥などが運んだ植物がそのまま生えている感じになっています。



○キササゲ(シソ目ノウゼンカズラ科キササゲ属)
中国原産で日本に古く渡来し、日本各地の湿った場所にしばしば野生化しているそうです。
果実を梓実(しじつ)といい薬用にします。マメ科のササゲの豆果を思わせるためこの名に。





立派な葉です。



葉の付け根には蜜腺が見えます。



葉脈の付け根にも蜜腺。

お次もマメに関連した外来種です。
花がマメ科にしては変わった形で、初めて会いました。



○イタチハギ(マメ目マメ科ハリエンジュ属)
北アメリカ原産の落葉低木。日本各地の平地の裸地や山地の裸地、道ばたなどに帰化し、群生することも。
高温乾燥に強く、土壌固定力や窒素固定による肥料木としても有用な為、法面緑化樹として利用されているそうです。
しかし、要注意外来生物に指定されていて問題もあります。



花弁は旗弁があって翼弁と竜骨弁を欠いています。



ツボミは最初は緑色です。


遊水池の中には気になる高木がありました。実をつけています。



○シナサワグルミ(ブナ目クルミ科サワグルミ属)

クルミと名が付きますが食用にはなりません。
中国原産の落葉高木。街路樹や公園樹として植栽もされています。
サワグルミは葉が奇数羽状複葉なのに対して、シナサワグルミは偶数羽状複葉で葉軸には翼があります。
また果実の翼もサワグルミは腎臓形でシナサワグルミは狭楕円形です。





果実を包む小苞の翼は細長いです。

やはり街の中、人の手のあまり入らない場所では外来種も多いですが、鳥などが運んで生き残った植物のありのままの強さも見られる気がしました。




観音崎

2020-07-26 22:51:31 | 日記
今日は梅雨の晴れ間をぬって観音崎の方まで足を延ばしてきました。
途中空の色が急に変わり、雷鳴が聞こえてきてヒヤヒヤしましたが、観音崎はかろうじて雨雲の下にはならなかったようで、濡れずにすみました。
連休最後のお天気とあって海岸はBBQを楽しむ人で賑わっていましたが、林の方は静か。

まずはシダ達が出迎えてくれました。





○ミゾシダ(ヒメシダ科)だと思われます。
シダ類はあまり詳しくはないので間違っていたらごめんなさい。



○ミツデウラボシ(ウラボシ科)
ミツデウラボシは名前の通り、葉が3つに分かれるのでつけられた名前らしいのですが、実際は3つに裂けないこの写真のようなものから5裂するものまで様々なものがあるそう。



○コモチシダ(シシガシラ科)



これも名前の通りですね。😄



ちょっと怖いかな。



○キケマン(キンポウゲ目ケシ科キケマン属)
もう終わりかけですが、随分頑張って咲いてくれているようです。





○クサノオウ(キンポウゲ目ケシ科クサノオウ属)
こちらも本来なら
3〜5月くらいが花期らしいのですが、今年は遅いのかしら。





○ムラサキニガナ(キク目キク科ムラサキニガナ属)
よく見るとピンクの(ムラサキニガナですが、、、)綺麗なお花です。背がとても高くなる印象で、180センチくらいになるものもあるそうです。


そして、、、今回一番の対面がこちら!





ギボウシ?と思ったらオオバコでした!
私はこんなに大きなオオバコは初めてだったので、家に帰り早速調べてみたところ
トウオオバコ(シソ目オオバコ科オオバコ属)というオオバコらしいのです。
海の近くの湿った草地に生える多年草らしいのですが、まだまだびっくりする出会いはあるのですね。

そして、本当に終わりかけだったのですが、二本だけタシロランが咲いていてくれました!😆



○タシロラン(クサスギカズラ目ラン科トラキチラン属)準絶滅危惧種
菌類(ヒトヨタケ科?)と共生する一年草の腐生植物で、光合成はせず、暗く湿気のある林床に育成します。







少し遠くで咲いていたのでうまく撮れなかったのですが、背の高い方のタシロランは下の方では結実しているようでした。種子は非常に小さく軽くて風で飛ばされやすいようです。

来年もまた沢山のタシロランが育つと良いです。

天神島②

2020-07-22 18:06:19 | 日記
天神島①の続きになります。
編集途中で消去してしまい遅くなってしまいました。🙇‍♀️

天神島で貴重な塩性植物の1つにハマボウがあります。


○ハマボウ(アオイ目アオイ科フヨウ属)
ハマボウは海岸の砂泥地に生える落葉低木または小高木です。
天神島で植栽を管理していた方にお話を伺ったところ、ハマボウは種子からでも意外と簡単に発芽するらしく、自宅の庭などで育てた場合には栄養が良く高木に育ってしまうそう。



ハマボウはわざわざ厳しい環境で生き残る能力を身につけたのですね。



○ハママツナ(ナデシコ目ヒユ科マツナ属)
海岸の砂地に生える一年草、暖地では二年草又は多年草になることもあります。
このハママツナは海水に浸かる干潟でも生活ができ、細胞液の濃度が高いために海水に水分を奪われない仕組みになっているそうです。👏





○ツルナ(ナデシコ目ハマミズナ科ツルナ属)
海岸の砂地に生える肉質の多年草です。ハマヂシャなどとも呼ばれ、葉を食用に栽培されることもあります。



高温や強風、水分が少ない環境に耐えるため、水分貯蔵のために多肉質になったらしいです。



アリも来ています。蜜が美味しいのかしら。



○タイトゴメ(ユキノシタ目ベンケイソウ科マンネングサ属)
こちらも厳しい環境に耐えるため葉の表面積をできるだけ小さくして多肉質になり、乾燥を防いでいます。





○ネコノシタ(キク目キク科ハマグルマ属)
ネコノシタとは本当によく言ったものです。葉の触り心地はザラザラと猫の舌のようです。



ネコノシタとスカシユリの競演。



○ハマボッス(ツツジ目サクラソウ科オカトラノオ属)
やはり海浜性の植物、葉がツヤツヤのクチクラ層で覆われています。
これがオカトラノオ属とは知りませんでした。



実もなっています。



これがオカトラオです。似てますか?🤔






茅ヶ崎の公園でも紹介しましたハマゴウ。



スカシユリも沢山咲いていました。

海浜植生もじっくりみるとなかなか面白いです。

天神島①

2020-07-18 17:17:12 | 日記
今日は雨の中、週末の買い出しに横須賀方面へ。
その帰り道、少し太陽が顔を見せてくれました。
貴重な晴れ間☀️、折角なので天神島に寄り道して散歩をしてきました。



天神島は三浦海岸に残された数少ない自然海岸で南方系海浜植物ハマオモト(ハマユウ)の分布の北限地として神奈川県の天然記念物、名勝に指定されているそうです。



ハマオモトは少し盛りを過ぎていましたが、ちゃんと咲いていてくれました。



○ハマオモト(クサスギカズラ目ヒガンバナ科ハマオモト属)
ハマオモトは種子は表面はコルク質その内側は海綿状になっていて海水によく浮くそうで、海流に乗ってその生育範囲を広げていくらしいです。葉山でも自然でたどり着いたのか見られるほか、鎌倉の海岸などでも良く見かけます。





○スカシユリ(ユリ目ユリ科ユリ属)
花被片は下部が狭くなり、各片の間に隙間があります。下が透けて見える。これが名前の由来になります。
堂々とした立派なお花です。これなら潮風にも耐えられそう。



○トベラ(セリ目トベラ科トベラ属)
潮風や乾燥に強く、普通海岸林などに生育します。雌雄異株。
この果実が熟すと割れて中から粘液性物質に包まれた(仮種皮?)赤い種子があらわれます。
食べたことはないですが、味はあまりないようで鳥などにくっついて種子が運ばれるそうです。



○ハマカンゾウ(クサスギカズラ目ススキノキ科ツルボラン科ワスレグサ属)(※APGⅣよりツルボラン科になったらしく、修正いたします。すみません。)
ノカンゾウに似ていますが、葉が常緑で厚く、濃緑色です。



○ハマヒルガオ
海岸や砂地に生える多年草。普通のヒルガオと違い葉が円腎形で厚いです。
ベニシジミが遊びに来ていました。


天神島②に続きます。