生きるという映画を観たいと思った。
高校時代、ふとしたことから黒澤明監督に会ったことが。当時図書委員会というのに入っていて。1年生ながらなりゆきで3年が引退と同時に委員長に。3年生が黒澤明特集を文化祭で展示して、その流れで内容を監督に送ったところ、インタビューを受けると言われた。そのおはちが私達の代に回ってくるという…凄いことだと当時は全く気づかなかった。うちにはビデオデッキもなく、親戚の家で椿三十郎と七人の侍を観た。
付け焼き刃で七人の侍はタイトルのコマ割りが画期的とか荒野の7人のモチーフになったとか三船敏郎は凄いですね。ということ位しか頭に入らなかった。まさに当日は宝の山に手ぶらで行って帰ってくるような状態だった。
黒澤監督はめっちゃ福耳だった。それは覚えている。
一般的な、好きな花は?好きな音楽は?などは何一つ答えてくれなかった。かえってきた言葉は、沢山ありすぎて、答えられないよ。だった。
学生時代はやんちゃだった。自分は良く寝る。という話はされていた。
三船敏郎は凄い役者だ。ということも答えてくれた。
源義経を映画にしたい。でも、できる役者がいるかい?という内容の話しもしてくれたと思う。
今思えば、もっと教えを乞いたかったと勿体ない気持ちになるが、あれ程の幸運はもう無いだろうし、当時はその価値すら分からなかった。何より若いからこそ出会えたのだと思う。若いはそれだけで素晴らしいこと。
いつどこで誰と出会うか、これは本当に大切。映画も同じ。生きる。観てみようと思う。黒澤明監督有難うございました。