それからというもの。
寛一と周囲と何かにつけて対立を重ねていた。
同世代からは"クソ生意気な野郎"だと詰られるのに対し、寛一も同世代に対して
"潰しの利かない能無しが何を偉そうに"とか"どうせ他人の足を引っ張るしか能が無い暗愚な、
てめえらの生涯年収なんざオヤジやオフクロの世代の七割にも及ばねえよ"と狭量ぶりを軽蔑する。
大人たちの多くからは"いちいち言う事が癪に障る生意気で可愛げの無いガキだ"と罵られるのに対し
寛一の方も"てめえらこそ見た目が年取っただけで中身はガキじゃねえか"と大人たちの
傲慢で粗野で無知無学で人として中身の伴ってない尊敬できない部分を嘲る。
そうして両者とのしこりが出来てから月日が経った
間もなく小学四年生迎えたとある日のことである。
今日も今日とて、寛一はクラスの女子と帰り際の教室の掃除の手順の事で言い合いになり
その結果、その女子が泣き出した件で教諭と激しく口論となった。
それで感情的になった教諭が、寛一の頬を叩いたのである。
これが並みの子供なら、そこで大泣きし始め出す所のはずである。
ところが寛一とて並みの子供では無い。
泣くどころか逆に教諭に対する怨嗟と軽蔑を倍加させて、教諭をこう詰った。
「口で負けたら、とうとう暴力に訴えるんですか?
それで教師とはボク笑っちゃいます!」
これに対して教諭は、もうほとんど乱心気味だ。
傍目から見て、もうすぐ五十にもなろうかといういい年した大の大人が
子供相手に半ば大人気ないことをしまくりだ。
丁度折りしも、その日は教育委員会に連れられた文科省の役人が学校を視察し
帰り際に職員室に挨拶に来て挨拶しようとしたときと重なっていた。
その際に、この教諭は何とも間が悪い事に
その役人に寛一に対して小学校教師にあるまじき罵声・暴言を浴びせた上に、
頬を叩いた一部始終を見られてしまったのだ。
それだけでも拙いのに、自分の立場や周囲の事などもはや一切お構いなしな上に
年端も行かない子供に生意気な口を聞かれ、目上に対する舐めた態度への激怒も手伝って
もはや感情は抑えられなかった。寛一に向けて教諭は椅子を力任せに投げつけたが
寛一はそれを軽く回避する。するとその投げつけられた椅子は寛一の真後ろに居た
文科省の役人とそれを連れていた教育委員会の人らに飛んで行く。
慌てて彼らは文科省の役人を守ろうとした。だが遅かった。
飛んで来た椅子は背もたれを支える金属製の骨の部分が
文科省の役人を守ろうとした紺色のスーツの初老の男性の右側頭部に当り、
そこで少し捻って椅子の金属製の足の部分が役人の頭部に命中した。
それによって二人とも頭から多くの血を流して倒れた。
これによって、その日の学校は救急車とパトカーと
各種メディアが集まるという、ある意味お祭り騒ぎとなってしまった。
そしてその日のテレビは地域版は元より全国版のニュースも
これを題材にしてしまったという。
翌日以降のワイドショー番組もニュース番組もつけたしのようにこの件を
まるで興味本位のように連日、取り扱ったようである。
寛一と周囲と何かにつけて対立を重ねていた。
同世代からは"クソ生意気な野郎"だと詰られるのに対し、寛一も同世代に対して
"潰しの利かない能無しが何を偉そうに"とか"どうせ他人の足を引っ張るしか能が無い暗愚な、
てめえらの生涯年収なんざオヤジやオフクロの世代の七割にも及ばねえよ"と狭量ぶりを軽蔑する。
大人たちの多くからは"いちいち言う事が癪に障る生意気で可愛げの無いガキだ"と罵られるのに対し
寛一の方も"てめえらこそ見た目が年取っただけで中身はガキじゃねえか"と大人たちの
傲慢で粗野で無知無学で人として中身の伴ってない尊敬できない部分を嘲る。
そうして両者とのしこりが出来てから月日が経った
間もなく小学四年生迎えたとある日のことである。
今日も今日とて、寛一はクラスの女子と帰り際の教室の掃除の手順の事で言い合いになり
その結果、その女子が泣き出した件で教諭と激しく口論となった。
それで感情的になった教諭が、寛一の頬を叩いたのである。
これが並みの子供なら、そこで大泣きし始め出す所のはずである。
ところが寛一とて並みの子供では無い。
泣くどころか逆に教諭に対する怨嗟と軽蔑を倍加させて、教諭をこう詰った。
「口で負けたら、とうとう暴力に訴えるんですか?
それで教師とはボク笑っちゃいます!」
これに対して教諭は、もうほとんど乱心気味だ。
傍目から見て、もうすぐ五十にもなろうかといういい年した大の大人が
子供相手に半ば大人気ないことをしまくりだ。
丁度折りしも、その日は教育委員会に連れられた文科省の役人が学校を視察し
帰り際に職員室に挨拶に来て挨拶しようとしたときと重なっていた。
その際に、この教諭は何とも間が悪い事に
その役人に寛一に対して小学校教師にあるまじき罵声・暴言を浴びせた上に、
頬を叩いた一部始終を見られてしまったのだ。
それだけでも拙いのに、自分の立場や周囲の事などもはや一切お構いなしな上に
年端も行かない子供に生意気な口を聞かれ、目上に対する舐めた態度への激怒も手伝って
もはや感情は抑えられなかった。寛一に向けて教諭は椅子を力任せに投げつけたが
寛一はそれを軽く回避する。するとその投げつけられた椅子は寛一の真後ろに居た
文科省の役人とそれを連れていた教育委員会の人らに飛んで行く。
慌てて彼らは文科省の役人を守ろうとした。だが遅かった。
飛んで来た椅子は背もたれを支える金属製の骨の部分が
文科省の役人を守ろうとした紺色のスーツの初老の男性の右側頭部に当り、
そこで少し捻って椅子の金属製の足の部分が役人の頭部に命中した。
それによって二人とも頭から多くの血を流して倒れた。
これによって、その日の学校は救急車とパトカーと
各種メディアが集まるという、ある意味お祭り騒ぎとなってしまった。
そしてその日のテレビは地域版は元より全国版のニュースも
これを題材にしてしまったという。
翌日以降のワイドショー番組もニュース番組もつけたしのようにこの件を
まるで興味本位のように連日、取り扱ったようである。
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