
<アンチェルの蝶 > 遠田潤子 著
はじめの数ページ読むだけで、心に暗雲立ち込めるような重い気分になる。
なんでこんなに陰鬱な気分になってしまうのか、もう~止めた!って本をとじて
しまおうと何度も思った。
原因は多分、蝶じゃない超ネガティブな主人公の生き方にあるのかも知れない。
主人公の男性(おーっといつもの如く名前失念した!) は父親から引き継いだ居酒屋を
やっているが、無愛想でやる気もないので一部の常連だけが通う薄汚い
ある意味いちげんさんおことわり店。
彼の日常生活や仕事ぶり、一挙手一投足にイライラして腹が立つ(笑)
そして、何故こんなにうつうつイジイジしてるのか、無気力の訳が知りたくなる。
あるとき店に昔の友人らしき男性が少女を連れてきてしばらく預かって欲しいと言う。
数日後、その友人のマンションが放火されたり、女の子の素性があきらかになり
主人公の過去がだんだん見えてきて・・・
それは 親の虐待であったり、博打のかたに身売りさせられた初恋の人を
助けるための殺人であったり、そのほかにも読むのも辛く嫌な出来事が
次から次へとページをめくるたびに湧き出てきて、ますます憂鬱になる。
憂鬱の連鎖地獄。
唯一のまどろみは 常連のハンチングの存在と女の子の無邪気さかな。
女の子のラストで見せるジャンプがキラキラとまぶしく、
主人公の明日に光が射しこんだ風なのが救いかも。
終わりよければなんとかで
<舟を編む> 三浦しをん 著
「大渡海」という辞書を作る人々のお話。
辞書というのは、こんな風に作られていくのか・・・と、興味深くおもしろく読んだ。
書き様によってはシリアスな小説にもなりうる素材を、著者特有のセンスで
涙あり笑いありのエンターテインメントにしてくれた。
ていうか・・実は
何でこんなに笑ってしまうんだろうってほど大笑いの連続だった。
登場人物が個性的でその言動がおもしろく、それへのつっこみがおもしろく、
そのフォローもおもしろく、
うふふ・・じゃない、ヘヘヘ・・じゃない、ほほほ・・でもない、
わっはっはー
私のワッハッハースイッチが入りっぱなしで、こまった。
うそ、こまってないやん、たのしかった。
多分、この小説でこんなに笑う人は日本広し (おお!ニッポンときたかい!)といえど
私くらいかも(笑)
そして
紺色一色の地味な装丁は何故に?という疑問は終わりの方で明らかになった。
「大渡海」をそのままカバーにするなんて小憎らしい演出をしてくれる。
ワッハッハーをありがとう~
これから読むのが楽しみだわ
日本で2人目に大笑いを目指します
携帯が壊れているのか充電器がつぶれたのか
とにかく携帯が使えませんのでこちらで失礼します
来週の土曜日(17日)からならいつでもOKで~す
土曜日か日曜日どちらかにはSさまもおこしくださるみたいです
今回は設備のいまいちな豪邸でお迎えさせていただきます(爆)