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東京ヴィレッジ と 鎌倉ビブリア

2012-03-15 | 読む

 

 

<東京ヴィレッジ>  明野照葉 著

 

就職氷河期になんとか志望の会社の一つに採用された30代半ばのあかりちゃん、

なのに会社がこの不況の煽りをくって吸収合併されることになり

リストラ確実となってしまうが、故郷の青梅には絶対帰りたくない事情がある。

 

実家の両親と姉夫婦は、あかりいわく

「・・・揃いもそろって頭の回転が鈍いぼんやり者の田舎者、就労意欲もないずぼら者・・・」

ハハ ふんだりけったりボロクソである

「あの家、あの人たちから逃げたいがために東京の大学に入り就職したというのに・・」

 

しかし、そうもいっていられない事態が発生する。

友達や親戚の話によれば、どうも怪しい夫婦モノが実家に住み着いて

我が物顔にふるまっているというのだ。

恋人や同僚らに促され、思い腰をあげ実家に帰ったあかりちゃん、

家族の変わり様と深堀夫婦の小悪党ぶりに愕然とする

 

 

あらら・・珍しく長~いあらすじとなってしまいました(笑)

 

この深堀夫婦追い出し作戦を通じて親子、姉妹の仲を修復させていく物語かと

思いつつ読み進めたが、ぜんぜん違った。

 

深堀夫婦にリードされる形で、荒れ放題だった庭や家のなかもかたづき

料理の品数も増え、今までになく活気づいている家族だが、

しかしこの夫婦、やましい過去満載なのも事実。

 

追い出したくとも追い出せず、それに恋人や同僚も加わって、わいわいがやがやと

ややこしくも楽しいことになっていく。

 

終盤はなんやかや言っても楽しそうなのよねえ~

 

文中でも出てくるが、生きていくためには清濁合わせ持つ覚悟というかあきらめも

必要なときがある。

というか、ほとんどがそうと言っても過言ではない。

 

グレーゾーン、いや限りなくダークグレーゾーンの深堀夫婦が

いやらしくたくましくちょっと不気味な存在感でもってストーリーをひっぱっていく。

 

深堀夫婦目線で、ミステリーっぽくこのストーリーを編みなおしてもすごく面白いと思う。

あともうひとり・・

姉のダンナさん、頼りないヘナチョコお義兄さん目線で、こちらはコミカルに。

 

立ち位置次第でひとつの出来事が違って見えるのは、小説の中だけの

話ではないかも・・・。

 

あんなに嫌ってた家族なのにやっぱり血は争えないのだ・・ひとつの事実に向き直り

青梅を起点に船出しようとしているあかりちゃんにエールをおくって 

 

 

 <ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ > 三上延 著

 

2では、栞子さんとアルバイト店員の大輔くんが急接近!な、なんと

ひとつのマグカップでコーヒーを飲むようなシチュエーションまであり

初々しい二人の関係、今後の展開も気になるところだが

本にまつわる豆知識、人に話して、へ~!知らんかったわ~!って言わせたい(笑)

知ったかぶり豆知識がいろいろあった。

 

ダンナやムスコに言っても所詮、暖簾に腕押しなので

ここでペラペラさせていただきまーす

 

映画にもなった 「時計じかけのオレンジ」

 

旧版と新版ではラストが全く違う。何故か。。

 

新版の方が完全版なのだが、ハッピーエンド風の終わり方では売れないと考えたのか

出版社の意向で最終章をカットされて出版され、それをスタンリー・キューブリックが

映画化したそうな。。

 

それで長い間、カットされた方が認知され世に出回っていたわけだが

実は後からでた完全版が本来の「時計じかけのオレンジ」

 

次は

「名言随筆 サラリーマン ~ユーモア新論語~」 福田定一 著 古書価格数十万円也

 

ふくだていいち? 誰や?それ? なんでそんなに高いねん?

実はフクダテイイチって、司馬遼太郎の本名で、産経新聞社で

サラリーマンとして働いていたころに書いたものなんだそうな。。。

 

薄い新書、今でいうビジネス書なのに、それで希少価値が高いのか。。

 

もう一つ

「豚と薔薇」 司馬遼太郎 著

 

ものすごいインパクトありのタイトルですが、これって著者、最初で最後の

推理小説なんだそうな。。

 

司馬遼太郎といえば「坂の上の雲」とか時代もの歴史もの作家ですもんね、

希少価値あり。

 

タイトルに負けず劣らず、あとがきにすごいことが書いてあって

 

「社会派ミステリーがブームなこともあって出版社にムリに書かされた、興味もなく

才能もないのにいやいや書いたがもう書くことはない、だいたいが推理小説なんて・・・」

 

みたいに続くらしい。。。

大御所がいやいや書いたミステリー、ちょっと読んでみたい。

 

次は漫画 「UTOPIA 最後の世界大戦」 足塚不二雄 著 鶴書房版 

古書価格 数百万円也 スゴッ

 

アシヅカフジオ? なんやら聞いた事があるようなないような・・・。

藤子不二雄のデビュー当時のペンネームだそうな。。

 

敬愛する手塚治虫センセイにちなんだペンネームで、手より足の方がずっと下にあるって

意味らしい。

昭和28年頃出版された著者はじめての単行本で、現存するのは10冊くらい・・そりゃ

マニアならば札束積んでも欲しいかもね。

 

ここまで言っといて ネタバレ、すみません もないけれど(笑)

ギリギリセーフってところでしょうか 以上知ったか終了。

 

ストーリー自体も

隅々まで行き届いた伏線の張り方で、あれとこれをつき合わせると

なーるほど・・と合点がいく構成になっているので読んでいて気持ちがいい。

2の方も、栞子さんの名推理がさえ、謎めく日常が少し明らかになっていく。

 

著者のあとがきによれば、まだようやく本編にさしかかった所らしく

3、4と続いていくようですよ~楽しみ

 

本好きの方、あるいは知ったかぶりっ子の方限定オススメで 

 

 

 



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