本3冊

<再会> 横関 大 著
第56回江戸川乱歩賞受賞作
読み進みながら、どこかで読んだような気がしてならなかった。
ひょっとして既にドラマ化されていてそれをTVで見たせいなのか・・・
それとも図書館で借りて読んだのに、忘れてまた借りてしまったのか ・・・
(ハハ!まさか ソレはないやろ!って笑えないほどの健忘症なので)
1章が終わり2章になって結局最後まで、う~ん首をひねり続けた。
ということは、ストーリー自体が既存のミステリイを2つ3つ合わせたようなもの
だったということなのかなあ。。
大きな賞をとった作品なのに、こんな感想を抱くなんてホンマ失礼な話なんだけれど。
あらすじは・・・
仲良し4人の小学生が校庭にタイムカプセルを埋める。
その中には訳ありの銃が入っていたが、23年後、その銃で殺人が行われる。
ということは・・・この4人の中に犯人がいるということなのか・・・
過去と現在が交互に書かれる中で 4人の隠し事や悩みなどが顕わになっていく。
ミステリイによっては、前にさかのぼって読んで確認しないといけないような
ややこしいものとかも多いけれど、これはすごく読みやすい。
が
その分 登場人物がありきたりで感情移入しにくい。
殺されるスーパーの店長とかは、水戸黄門にでてくる悪代官並みのわかりやすいワル。
カネかイロか・・みたいな
あーまたボロクソに言ってしまった。
23年前の事件の真犯人が意外な人だったり、切れ者刑事の生い立ちがホニャララ
だったり、2時間ドラマにはぴったりの本だと思う。
<完全なる首長竜の日> 乾 緑郎 著
第九回 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作
表紙裏の概要に、植物状態になった患者とコミュニケートするための医療器具
「SCインターフェイス」が開発され、意思疎通を行うセンシングという医療技術が
行われている日本・・・・と書いてあったので
これはSFだね~と思い読み進むと、だんだん頭がこんがらがってきた。
主人公の少女漫画家は、自殺未遂して意識不明の弟とセンシングしているのだが、
現実に、弟と話したりお酒を飲んだりしてるような錯覚に陥るくらいリアルなので、
また弟が出てくる夢も見たりして、夢と現実とセンシングがごちゃまぜになってくる
このあたりで 「胡蝶の夢」というお話がさりげなく挿入されて・・
(荘周という男が蝶になった夢をみるが、
実は蝶が荘周になった夢を見ているのかもしれないっていうお話)
主人公が混乱するので読んでるほうも同じように混乱してくるのだけれど(笑)
なんか胸がざわつくような大きな謎をはらんでいるようで、ページをめくる手が止まらない。
そして終盤 あっ と驚くどんでん返しが待っているのだが、
え~こんなのアリなん 禁じ手ちゃうの
と思い、最初から拾い読みしてみると
あちこちにヒントっていうか伏線があったんですよね~これが
ベランダで揺れるカーテン。。南の島から帰ってすぐ離婚した両親。。
カンカン虫じいさんの出家。。などなど。。
サリンジャーのナイン・ストーリーズ中の一編 「A perfect day for bananafish」
というお話もたびたび登場してきて、ラストシーンとリンクしているが
ここでまたまた読者はポン!と突き放されるって感じ・・ああ・・気持ちいいもどかしさ・・。
竹竿にくくり付けられた赤い布、とか、飛び散る血(映像化したら恐い映画になってるかも)、
広島カープの赤いキャップをかぶった弟が首長竜(プレシオザウルス)に乗って去って行く
場面等々、赤が印象的。
この本のタイトルの英訳は 「A perfect day for plesiosaur」
やっぱり 「ナイン・ストーリーズ」 図書館で予約しよう~
<サンドウィッチは銀座で> 平松洋子 著
「オール読物」に連載中のものをまとめた一冊。
オムライスやらウナギやら鍋やらいろいろ出てくるが
やっぱりサンドウィッチ
銀座木村屋カフェの小海老のカツレツサンド ウエストのトーストハムサンド
銀座千疋屋のフルーツサンド みやざわのカツサンド
はまの屋パーラーのスペシャルサンド
ああー食べたいっ
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