タイトルのリカーシブルですが
リカーシブ(形容詞) 再帰的な。自分自身に戻って来るような。プログラミング言語に
おいては、処理中に自らを呼び出すような処理をいう。
と、表紙の裏にありましたが、そのリカーシブにルをくっつけた著者の造語だそうですね。
お話の内容としてはリバーシブルとかリインカネーションでもOKかもしれません(笑)
あらすじざっくりと・・・
中学一年生のハルカと小学三年生のサトルはわけあって母親の以前住んでいた町に
引っ越してくる。
ハルカにとっては見知らぬ町での不安な三人暮らしがはじまるが、
なにかにつけて母親はサトルの世話をハルカに頼んでくる。
同級生のリンカという友達ができて、とりあえずはほっとするハルカだが
弟のサトルが突然未来が見えると言い出したのをきっかけに、伝承されるタマナヒメ伝説
に興味をひかれるが、その研究をしている中学の先生が事故にあう。
ここまででだいたい半分ほどでしょうか。。
何となく気持ちがザワザワするようなできごとが、次から次へと起こります。
けっして大事件ではないのですが、さりげないこの裏にはとんでもないことが
隠されているような、思わせぶりな描写がてんこ盛りです。
やけに優しい母親も何か訳あり気だし、この町にきてから急にいろんなモノが見え出したり
ヘンにおびえたりするサトルも妙、住民みんな万引き男をわざと見逃したり、
タマナヒメ伝説が載っている本がすべて消えていたり、などなど。
そしてラスト30ページくらいで、すべての謎が明かされます。
ネギ抜きソバやサラミ・・ああ~そういう事だったのか・・と。
ひとつひとつていねいに構築されたドミノが、バタバタと倒れたあとに
現れた世界は、まさにリカーシブルでありリバーシブルでもあり
リンカネーションでもあるという・・・とてもわかりにくい説明でスミマセン^^;
はじめのドミノを倒してしまったら、一挙にネタバレになってしまいそうで
と言いつつ、少しだけ・・・
「明日学校でリンカに会ったら、それとなく訊いてみよう。あの子がいま、何歳なのか。
意外と面白い返事が聞けるかもしれない。」
ああ~私も一緒に聞いてみたい!
賄賂と殺人のどす黒さの中にひとすじの妖しいタマナヒメ浪漫が効いています。
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