
その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。
その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。
そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。
依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。
千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。
あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。
「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。
『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。長編書き下ろし。
以上、内容紹介はアマゾンよりお借りしました。
陰残な殺人もなく、極悪人も出てきません。
かわりに大きな御神木っぽいクスノキがでてきて、その中で念ずると
とてもとても神秘的なことが起こるのです。
こういうファンタジーは好みの分かれるところですが
とてもおもしろく楽しくワクワクのうち読了。
読み終えてしまうのが惜しい作品というのがたまにありますが
これはまさにそうでした。
木の中で自分の思いを祈念すると、それを記憶したクスノキが
受念する人物に伝える・・遺言のように紙面化するのではないので
祈念した本人の意図しなかった邪悪なども伝わってしまう・・というのが
恐くも面白いところですね^^
ラストにかけて千舟さんの秘密があきらかになっていきますが
ここが効いています。
そういうことだったのね~と腑に落ちる瞬間が気持ちいい。
祈念と受念、・・ こんなクスノキがあったとして
自分は祈念できるだろうか。
受念できるだろうか。
たぶん、どちらも恐くてできないとおもいます。
人には言えない、墓まで持って行きたい内緒ごとがたくさんあるので(笑)
いろいろと大変なこの時期に、この本が読めたことは幸せでした。
東野さーん・・至福の三日間をありがとう~♪
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