
<花酔ひ> 村山由佳 著
花酔ひ・・・この 「ひ」 ・・ まんとひひの 「ひ」 と同じひらがなとは思えない程
色っぽい。本のカバーは美しいですが、内容はかなり過激です。
女性作家が体験に基づいて書いた官能小説・・でしょうか、あくまで想像ですが
大胆な性描写が話題になった前作を読まず、いきなりのコレだったので
「天使の卵」とか「美味しいコーヒーの入れ方」のむらやまゆかさんが・・・わお~すごっ~
というのが印象。どういう心境の変化なのっていう好奇心も。
絢爛たるアンティーク着物、はんなりした京都弁、死と生の狭間にある葬儀屋、
離れの薄暗い部屋、
出てくるモノ、人、空気がすべて濃密で隠微でエロティック。
くり返しでてくるSMプレイにちょっと辟易っていうか気持ち悪くなった。
虐められたり虐めたりに萌え~という人にはオススメ(笑)
ラストで SMプレイで死にかけて病院に運ばれた誠司サンに付き添う妻の麻子サン
彼女もまた誠司サンのお相手の女性のダンナに心も身体も惹かれている。
麻子サンのおばあちゃんが、最後のほうで
「自分を律することができないのはケモノと一緒・・」みたいなことを話しますが、
わかっちゃいるけど止められないのが人の性(さが)
麻子サンに言っておきますが・・
「蜜の味を知ったダンナさん、ノド元過ぎれば何とやら、またやらかしまっせ~」(笑)
感情移入できず読後感はオエーッきわめて気持ち悪いので
< ゴールデンラッキービートルの伝説> 水沢秋生 著
団地の上、黄色く広がる空に黄色いワーゲンが浮かんでる、
この本のカバーが好き
順にめくると、目次があって・・・「六年三組 クラスのなかまたち」 42名の名簿が
ある。
この子供たちが入れ代わり立ち代り登場して一人称でストーリーが進んでいく
構成も好き
第一章のはじめ、二十年後、担任だった教師が新聞にかつての教え子の写真を
見つけるところからお話が始まるが、それが誰かは最後まで謎って所も
ミステリアスで好き
好き好きづくしである(笑)
しかし、42名全員が登場すると、脳内大混乱に陥るんじゃないだろうか・・・という
懸念もすぐ解消される。
主な登場人物は3人で、それに何人かのクラスメートがからみ
過去と現在を行きつ戻りつしながら、クロスワードが埋まっていく。
全部埋まって浮かびあがった言葉・・それはやっぱり <キセキ> かな。
友情+希望=奇跡
悪いやつはそれなりの罰を受けるという落ちにもスカッとした。
世間は広いようで狭い・・をそのまんま盛り込んでいるような展開を安易ととらえるか
おもしろいととらえるか、なかなかビミョーではありますが
読後感がいいので
官能小説もあったもんではないね~笑
遠~い昔は手に取る本が何故か官能小説っぽいものになり、書き手の経験から?と同じ様に
想っていましたわ~
でも、チャウかもよ~
芥川賞受賞作の「共食い」ってあの田中はんのご風貌からは想像出来ませんからね~
作家さんの想像力は凄いですね~
私も想像力には自信があるのですが、的はずれが多いわ(爆)
あ~あれね~。あらすじ+田中はんで、イマイチ、食指が動きません。
サラン師匠の的外れに暴走する想像力・・想像するだに恐ろしい(爆)