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星4つ
まあ読んで損はないって感じの本をご紹介~
<小暮荘物語 > 三浦しをん著
古びた木造アパート小暮荘に住む人達とその周りの人達のお話。
現実にいそうで、でも多分いないだろう個性的な人達・・・
デリヘルを呼んだはいいが、女房と鉢合わせしてしまう大家さんの小暮老人。
床に穴をあけて階下の部屋をのぞき見るのを止められないサラリーマン。
元カレに居座られ、何故か今カレと3人で手をつないで川の字で寝てしまってる繭ちゃん
今どきの女子大生、光子ちゃんは友達がトイレで産み落とした赤ちゃんを
預かるはめになってしまい、繭ちゃんの勤めるお花屋さんの女主人佐伯さんは
ダンナの浮気現場に果敢にも踏み込む・・・。
トラウマに悩むトリマーの女の子や愛犬家のヤクザ、共に妖しい水色のブツが見える
放浪癖のある写真家と不思議な味覚を持つ美女ニジコさん・・・その他いろいろ。
うーん。。
こういう風に箇条書きにしてみると、ますますとんでもない人達に見えてくるけれど
哀しみや怒り、嬉しさや楽しみ、妬みや疑い、
人間のいろんな感情が、まったく同じ分量だけ混ざったミックスジュースの
ように
ありそうでありえない
だから
とても いとおしく思える人達なのかもしれない
小暮荘の広いだけの大雑把な庭で、バーベキューパーティーをやる時は
ぜひ参加させて欲しいと思う。
<砂の王国> 荻原浩著
ホームレスから一発奮起して新興宗教を興す男達のお話。
ホームレスになる前は大手証券会社にいた男と、
過去はミステリアスながら やたらオーラのあるイケメンホームレスと
怪しい占い師。
3人が始めた新興宗教「大地の会」がだんだん大きくなっていく様子が
とてもおもしろく、一気に読んでしまった。
ホームレスの生活事情や宗教にのめりこんでいく人達の様子がリアルに描かれている。
タイトル通りのラストは途中から予測できるのだが、
終わり近くのイケメンホームレスのパソコンを使っての身の上話には、
筋の通った饒舌さに今までの寡黙っぷりは何なんだ!と言いたくなったが
彼の過酷な運命の前にはそんなこと、まあ~いいかって気持ちになる。
映画化のあかつきには 我らが男前ペヨンジュンにイケメンホームレス役を
演ってもらいたいが、なんせ身体の弱い彼のこと、1日で風邪をひいてしまうに違いない
<特異家出人> 笹本稜平著
自ら家を出た家出人と違い、なにかの犯罪にまきこまれたりして自分の意志ではなく
いなくなった人を指すそうだが、あまりそそられるタイトルではない・・・と思う。
でも読み始めると、ページをめくる手を止めさせないぞ という著者の意気込みが
モロに感じられ、展開が早くイッキ読みさせられてしまった
ポカポカ春が訪れたかのような心暖まるラストだが、
先ほど著者の名前を確かめようとアマゾンをのぞいてビックリ・・
評価のコメントは最悪だった
やはり十人十色。。人生いろいろ。。なのね
最後に 3月公開されるらしい カズオイシグロ著 <わたしを離さないで>
1年ぐらい前になるか、これを読んだときの衝撃は今も忘れられない。
どんな本でもどこかで読んだような~とか、シュチュエーションがあれと似てる~とかが
あるもんだけど、これに関していえばまったくない。
ある寄宿学校で生活する子供達の日常が淡々と綴られていくが、
微妙にフツーではない様子がじわりじわりと見えてくる
健康診断がひんぱんにあったり、美術の時間に重きをおかれていたり、
外部から用事等で訪れる人達が子供達をやたら恐がったり・・・。
そして早い段階で驚くべき事実があきらかになるのだが、
ある意味、平坦な(退屈かも^^;)ストーリーなのに
子供達の運命というか先行きが気になって・・・・・
その気持ちがエネルギーとなり、読み進めていける。
重くて辛いお話であるにもかかわらず・・・です
どんな風に映像化されるのかとても興味があるが、多分、観には行かないだろうなあ
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