満願
2014-06-07 | 読む

なかなか上質な6つの短編が入ってます。
主人公は、苦い過去のある警察官、苦労して弁護士になった男
都市伝説を取材するライター、資源開発のため奔走する商社マン、
自殺の名所らしき宿で働く仲居さん、自慢の美貌で意中の男性を射止めた女性、の6人。
人間の怖さがヒタヒタと足元から上がってくるようで、ホラーっぽくもあり
伏線をさりげなくめぐらしている所はミステリの王道だし、
ラストの落とし所もストレスフリーで気持ちいい。
それぞれに味があり甲乙つけがたいおもしろさなので
文庫になったらバッグに忍ばせて、すきま時間にぜひどうぞ~♪(笑)
私の一押しは「柘榴」
美貌が自慢のさおりサンが主人公のお話ですが
娘二人も美しく、名前は月子と夕子、しかしライバルを蹴散らしてゲットしたダンナが
とんでもないヤツで、結局は離婚することになるのだけれど
彼をめぐる女の戦いというか
同じDNAがもたらす怖さはラスト一行まですさまじい。
この、「女性なら誰もが好きにならずにいられない男」ですが、
・・彼は美男子でもなくおしゃれでもないけれど言葉を交わせば
耳に心地よい声の響きや気を逸らさぬ話しぶりが妙に異性を魅了する・・
とありまして、
いったいぜんたいどんな魔性の男なんだろか。。
もちろん周りには皆無、いままでお目にもお耳にもかかったことがない。
あやの剛サンみたいな感じだろか。。などなど想像してみたり、
どうぞ、願わくば願わくば
ココに連れてきて、私の目の前にチョコナンと座ってもらって
つっついたり転がしたりしてみたいもんだと思っている。
こんな満願成就はぜったい叶いそうもないけれど。。
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