折原一著 「潜伏者」
この著者のものを読むときは、パズルを解く構えで本を開く。
目次、主語のない幕間の語り、さりげなく記される事実関係、すべてが何やら
怪しげで、付箋などつけながら読んで行く。
が・・すぐに付箋だらけとなってしまい(笑)
論理的に犯人を追い詰めるのは今回もムリでした・・・となるのはいつものこと。
しかし、このタイプを何冊もよんでいるうちに、カンが育ったというか磨がれたというか、
はじめに怪しい!と感じた人物が犯人だった!
当たったよーー^^ 今回は見事命中したぜー^^
失踪した3人の女の子とその両親、事件を小説化した本を文学賞に応募した自称小説家、
その審査員をしたルポライターと同業者の女性ルポライター
子どもたちを一時預かりしていた保育園の園長、おなじアパートに住む占い師、
失踪した女の子に関する罪で牢獄されて出所した自称冤罪男。
ミステリーの王道通り、一番あやしくない人物が犯人だった。
重箱の隅をつつくと、いろいろ腑に落ちない点もあるけれど
ここはそーっと蓋をしめておく。
コージーミステリのお手本のような「アガサレーズン」シリーズ。
まだ2作しか出てないようだが、とても楽しんで読めた。
何せ、舞台となっているのがイギリスのコッツウォルズ!
yukien死ぬまでに行ってみたい観光地ベストスリーに堂々ランクインしている
憧れの場所。
ロンドンでキャリアウーマンとしてがんばっていたアギー53才が、リタイア後
小さい頃からの憧れコッツウォルズでの生活を始める。
ライフスタイルのまったく異なる村の住人とアギーが、ある殺人事件をきっかけに
仲良くなる・・というか、なじんでいく様子が、コッツウォルズの風や匂いと一緒に
描かれていて心地よい。
ジェシカおばさんやミスマープルとはひとあじ違う強烈な個性の持ち主アガサレーズン、
彼女がアガサクリスティーを読むシーンにはムフフと頬がゆるんだ。
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