
作家の横尾成吾はここ数年、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。
50を前にそろそろ出版社から声がかからなくなるのでは、との不安を感じていた矢先、
担当編集者からボツを食らわされ、不安に拍車がかかる。
書くことを何よりも優先し、ずっと一人で生きてきた横尾。
大学からの友人・弓子の思わぬ告白もあり、今後の自分の身の振り方を考えはじめる。
一方、横尾の新しい担当になった井草菜種は、これまでヒット作を出したことがなく
もう後はないと気は焦るばかり。菜種は、自身同様長く停滞中の横尾と本気で向き合いはじめる―。
以上内容紹介はアマゾンよりお借りしました。
作家というお仕事、編集者というお仕事、読むばかりで造るほうには縁のない一般読者には
とても興味深くおもしろいお仕事小説として楽しめます。
そして、著者小野寺さんの豆腐愛!
豆腐について語りだすと筆が走る走るっ(笑)
1ページ丸々豆腐、、いや、、できれば2~3ページ豆腐の美味さ、安さ、栄養価等々
しゃべりたい思いが伝わります。
豆腐は決して1丁500円とかの高級豆腐ではなく、なにせ売れてない作家が主人公なので
スーパーで買う30円の豆腐^^
半分に切って、インスタントみそ汁にぶち込み、残りはキムチと一緒に食す。
豆腐のフタというかビニールがスーッめくれなくて端っこだけが残る、それを何とかしてほしくて
クレーマーにならないように細心の注意を払いながらメーカーに電話をかける・・。
これは実体験やろな!?と読み手が確信するほど細かい描写が多くて、そのすべてに
共感できます。
確か前読んだ小説にも「豆腐」がでてきたので小野寺さん絶対豆腐好きなんだろな。
作家と編集者の視点で交互に進むお話ですが、ラストにちょっとした驚きが。
なかなかお茶目ですね(笑)
「食っちゃ寝て書いて」を読んでるつもりが、「降らない雨はない」を読んでいたなんて!
おまけに
裏表紙のイラスト、原稿用紙に「トーキンブルース」の文字を探してしまいましたよ。
さすが、無かったけど。
今回も楽しく読了。。ありがとうございました。。
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