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今日午後から千葉市議会が開会。市長提案の議案の提案理由説明が行われた後に、かばさわ洋平市議(緑区)が、「千葉市孤立死防止条例の制定について」の提案理由の説明を行ないました。
この条例にかかわり、日本共産党千葉市議団は、2008年2月議会で「千葉市高齢者孤独死対策会議設置条例の制定について」を発議として提案しました。その内容は、孤独死に関する調査研究・孤独死の防止に向けた連携体制の構築に関し、市長に答申するとしたものです。
この時は「孤独死」、「孤立死」の定義を巡り議論となり、残念ながら成立しませんでした。今回は地域社会から孤立して死亡することを防ぐための条例の制定を求めるものです。
現在、「孤独死・孤立死」は全国的に発生して大きな社会問題となっています。令和3年度内閣官房孤独・孤立死対策担当室は、「孤独」は、ひとりぼっちや寂しいと感じる精神的な状態を指し、「孤立」は、社会とのつながりや助けのない状態を指すとしています。
一般社団法人日本少額短期保険協会が公表した2021年6月の「孤独死現状レポート」は、孤独死のデータを集積し、孤独死の問題点やデータを明らかにしており、興味深い分析が行われています。ここでは孤独死者の平均年齢は男女とも61歳となっています。発見までの日数は17日で、第一発見者は親族や友人などの近親者が全体の約4割となっています。
令和3年版高齢者社会白書では、65歳以上の者は、8割以上が持ち家に居住している、交通事故数は減少している、特殊詐欺の被害者の9割以上が65歳以上となっている。そして、一人暮らしの60歳以上の約5割が孤独死を身近な問題と感じていると報告されています。
県内の松戸市の常磐平団地では、「孤独死ゼロ作戦」を展開して生き方は選べると、これまで先進的な取り組みを実践してきました。団地が孤独死の特有の問題ではないとも指摘をしています。常磐平団地では「いきいきサロン」を社会福祉協議会と連携して開催して孤独死防止に取り組みました。
こうした先進事例に学んで千葉市も孤立死の防止を図ることが必要です。地区社協・自治会・新聞販売店・安心登録カード・挨拶声掛け・福祉ネットワーク構築などの対応が求められています。
千葉市は「孤独死通報制度」を運用していますが、制度が十分生かされていません。そのため、市が責務として高齢者が安心して暮らせるよう事業を推進することを求める条例を提案したものです。市が前面に出て孤立死の未然防止を図るために条例を時代に合わせて制定しようとするものです。
私自身も昨年、消防や警察などに通報したものの、住宅内で孤立死をした方がいました。周辺の住民の方との交流もなく、まさに孤立・孤独の状況でした。こうしたことがなくなるよう対策など充実を願うものです。