大阪・道頓堀の老舗食堂「大阪名物くいだおれ」が今夜(8日)、約60年の歴史に幕を下ろすと知り「食い収め」と「くいだおれ太郎」の見納めに行った。店の前は「くいだおれ太郎」と弟の「くいだおれ次郎」を写真に収めようと黒山の人だかりだ。いつもは「太郎」のみしか店頭には立っていないが、弟「次郎」は慶事(阪神優勝時など)の時に姿を見せる。4月8日に報道各社に業績不振により閉店を発表してから「くいだおれ太郎」は人気が急上昇し、あちこちのイベントに引っ張りだこだ。45年前大阪で初めて見たときは、サーカスのピエロみたいな服装だったのでアメリカの人形かと思っていた。太鼓を叩き眉毛をピクピクする姿は、確かにインパクトがあった。食べに入ったのは19、20歳の頃に1~2度行った気がする。
日本人は「これが最後」にはムチャクチャ弱い。夜行寝台列車がこれが最後と知れば、駅のホームは黒山の人だかりで列車は満席。くいだおれの場合は
「くいだおれ太郎」目当てがほとんどのようだ。店頭の混雑ぶりから店内は満席かと思って中に入ったが、拍子抜けするくらい空いていた。食事をしているとき気がついたのだが、お客さんはほとんど60歳以上だった。私のように
若い頃デートで食べたとか、家族で行った思い出のある方が食べ収めに来られたようだ。その証拠に清算するときお客さんの方から、お礼を言っている声が度々耳に入ってきた。
食べ終わり店を出れば、外には報道が何社も来ていた。6時の閉店を報道しようとカメラを固定し陣取っていた。過熱気味どころかフィーバーと言っていい。一般客は午後6時までで、それ以降は店にゆかりのある人ら約150人を集めた「最後の晩餐」を開催するとのこと。日本は平和だ。この店の女将さん「柿本道子会長」は連日報道陣に顔を出し、さぞかし忙しかったことだろう。そ
れにしても大阪のお店の宣伝は、デコレーションも絵もデカイ。カニ道楽のカニ。づぼらやのフグ。グリコのランナー。せっかく大阪まで足を延ばしたのでミナミのネオン川を泳ぎたかったのだが、今夜は阪神ー巨人戦があり応援せねばならないので6時に帰宅した。