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K-POPとクィアカルチャーの交差点を探る新刊が登場

2024年12月04日 | 音楽
2024年12月、河出書房新社から興味深い一冊が発売された。「K-POPはなぜマイノリティを惹きつけるのか クィアとアイドルの交差するところ」は、K-POPカルチャーを新しい視点から分析する意欲的な一冊だ。
多角的な視点からK-POPを読み解く
著者のヨン・ヘウォンは、クィアとセクシュアリティの分野で知られる執筆者だ。本書では、社会学者からフェミニズム研究者、小説家まで、様々な専門家による12本の論考が収録されている。これらの多様な視点は、K-POPの持つ魅力を立体的に描き出すことに成功している。
アイデンティティと音楽の融合
特筆すべきは、本書が単なる音楽評論に留まらない点だ。作家の松田青子による帯コメントが示唆するように、K-POPは多くのリスナーにとってアイデンティティの探求と密接に結びついている。「K-POPを『あそぶ』ことで自らのアイデンティティに出会い」という表現は、この音楽ジャンルが持つ特別な意味を端的に表している。
マイノリティの声を拾い上げる
全296ページに及ぶ本書は、K-POPがなぜこれほどまでにマイノリティのコミュニティに強く響くのかという根本的な問いに、丁寧に向き合っている。それは単なるエンターテインメントの分析を超えて、現代社会における音楽の役割、そしてアイデンティティの形成過程を考える貴重な機会を提供している。
おわりに
本書は、K-POPファンはもちろん、ポップカルチャーと社会の関係性に興味を持つ読者にとっても、示唆に富む一冊となっているだろう。音楽を通じて見えてくる現代社会の多様性と包摂性について、深い洞察を得ることができる良書である。

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